第7回「石を投げればタカに当たる」
更新日: 2010/02/05
あれ、もしかしたら「ザ・バトル ラウンド2」を期待してました?してませんよね。実は書き始めていたんですけど、書いているうちに当時のことを思い出し、ムカついてくるし…。
「もしもし、タカです。あのですね…」受話器を取るとタカはいきなり話しを始める。うーん、タカ、タカ、タカ…と、電話の声を聞きながら私は知っているタカの顔を思い浮かべる。タカノ、タカダ、タカハシ、タカヤマ…これは苗字だ。
考えてみれば彼らは自己紹介のときに「タカです。」としか言わない。だからこちらも「タカ」と言う名前しか知らない。それでいつの間にか、私の周りに「タカ」が溢れ始めた。本人は「タカ」だからいいのだろうけど、いきなり「タカです。」って言われてもなぁ…。どこのどのタカかわからんじゃないか。フルネームなんて聞いてないし、混乱するばかりである。電話の時は「どこそこのタカです。」と身分を証明するものを告知しなさい。
オージーと付き合うとファースト・ネームで呼び合う。そしてファースト・ネームは彼らによって3文字以内に短縮される。それを日本人社会に持ち込むから、こういうややこしい状況が生まれる。私の場合「イチロウ」だが「イチロー」と3文字に変化してもフルネームのままである。オージーからは「イチロー」と呼ばれても、日本人から「イチロー」と呼び捨てにされることはない。ツトムを「トム」、オサムを「サム」など自然すぎてなんの違和感もない、便利な名前である。ユキトシを「トシ」と呼ばせる奴がいる。無理がある。ユキトシはやはり「ユキ」だろう。
レストランに居ると日本人の客から「マスター」と呼ばれる。レストラン、マスター…ときたら「失恋レストラン」である。♪ねぇ、マスター。ねぇ、マスター…また古い歌を思い出してしまった。それで「ねぇ、マスター」なんて呼ばれると柄じゃないから返事に困る。困るから返事をしない…わけにはいかない。バイトに来ていた“ラクロスのタカ”から「なんて呼んだらいいんですか?」と聞かれ、咄嗟に「大将と呼べ」と言ってしまった。それ以来、私は店では「大将」である。博多では洒落た喫茶店やレストラン以外の飲食店では「大将」と呼ぶ。「はいはい、あんたが大将、大将ね」と「海援隊」が歌っているように、人を小馬鹿にするような時にも使うことが出来る便利な呼び方なのである。
「…と言うわけで、…と思ってるんですけど。…あれ?もしもし、聞いてますか?」聞いているんだけど未だにどのタカなのか判明しないので返事に困っている。素直に「どこのタカだ?」と聞けばいいのに考えているうちに結構しゃべらせてしまった。今更「お前は誰だ?」と聞きづらくなった。話の内容からあのタカだと思うのだけれど確証がない…。
「あれ?もしかしたら…。すみません、そちらは…」
あまりの私の反応のなさに不安になったのか、タカはそう尋ねてきた。
「俺?俺はタカだけど。」
「なんだ、よかった。違うタカさんかと思いましたよ。」
「違うタカさんって?どのタカと話してるつもりだった?」
「どのタカって…?“タカユキのタカ”さん、ですよね?」
「いいや、俺は“タカテルのタカ”だよ。それより君はどのタカなんだ?」
「すみません、タカさん違いでした。僕は“タカヒデのタカ”です。」
「“タカヒデのタカ”?知らないよなぁ、会った事あるか?」
「ええ、一度だけお会いしたことがあります。“タカノリのタカ”さんと一緒に“タカヒロのタカ”さんの所で…」
「そうだった?ゴメンな、憶えてないよ。そう言えばタカとは随分逢ってないなぁ」
「どのタカさんですか?」
勝手にしろ!
「お知らせ」
シティに近いのに不便な場所にあるという「どんたく」ではスタッフを急募!!!!
電話を頂いたら、即、採用。一か八かです。
<どんたく レストラン>
住所:526 City Road, South Melbourne VIC 3205
TEL: (03) 9696 6794
「もしもし、タカです。あのですね…」受話器を取るとタカはいきなり話しを始める。うーん、タカ、タカ、タカ…と、電話の声を聞きながら私は知っているタカの顔を思い浮かべる。タカノ、タカダ、タカハシ、タカヤマ…これは苗字だ。
考えてみれば彼らは自己紹介のときに「タカです。」としか言わない。だからこちらも「タカ」と言う名前しか知らない。それでいつの間にか、私の周りに「タカ」が溢れ始めた。本人は「タカ」だからいいのだろうけど、いきなり「タカです。」って言われてもなぁ…。どこのどのタカかわからんじゃないか。フルネームなんて聞いてないし、混乱するばかりである。電話の時は「どこそこのタカです。」と身分を証明するものを告知しなさい。
オージーと付き合うとファースト・ネームで呼び合う。そしてファースト・ネームは彼らによって3文字以内に短縮される。それを日本人社会に持ち込むから、こういうややこしい状況が生まれる。私の場合「イチロウ」だが「イチロー」と3文字に変化してもフルネームのままである。オージーからは「イチロー」と呼ばれても、日本人から「イチロー」と呼び捨てにされることはない。ツトムを「トム」、オサムを「サム」など自然すぎてなんの違和感もない、便利な名前である。ユキトシを「トシ」と呼ばせる奴がいる。無理がある。ユキトシはやはり「ユキ」だろう。
レストランに居ると日本人の客から「マスター」と呼ばれる。レストラン、マスター…ときたら「失恋レストラン」である。♪ねぇ、マスター。ねぇ、マスター…また古い歌を思い出してしまった。それで「ねぇ、マスター」なんて呼ばれると柄じゃないから返事に困る。困るから返事をしない…わけにはいかない。バイトに来ていた“ラクロスのタカ”から「なんて呼んだらいいんですか?」と聞かれ、咄嗟に「大将と呼べ」と言ってしまった。それ以来、私は店では「大将」である。博多では洒落た喫茶店やレストラン以外の飲食店では「大将」と呼ぶ。「はいはい、あんたが大将、大将ね」と「海援隊」が歌っているように、人を小馬鹿にするような時にも使うことが出来る便利な呼び方なのである。
「…と言うわけで、…と思ってるんですけど。…あれ?もしもし、聞いてますか?」聞いているんだけど未だにどのタカなのか判明しないので返事に困っている。素直に「どこのタカだ?」と聞けばいいのに考えているうちに結構しゃべらせてしまった。今更「お前は誰だ?」と聞きづらくなった。話の内容からあのタカだと思うのだけれど確証がない…。
「あれ?もしかしたら…。すみません、そちらは…」
あまりの私の反応のなさに不安になったのか、タカはそう尋ねてきた。
「俺?俺はタカだけど。」
「なんだ、よかった。違うタカさんかと思いましたよ。」
「違うタカさんって?どのタカと話してるつもりだった?」
「どのタカって…?“タカユキのタカ”さん、ですよね?」
「いいや、俺は“タカテルのタカ”だよ。それより君はどのタカなんだ?」
「すみません、タカさん違いでした。僕は“タカヒデのタカ”です。」
「“タカヒデのタカ”?知らないよなぁ、会った事あるか?」
「ええ、一度だけお会いしたことがあります。“タカノリのタカ”さんと一緒に“タカヒロのタカ”さんの所で…」
「そうだった?ゴメンな、憶えてないよ。そう言えばタカとは随分逢ってないなぁ」
「どのタカさんですか?」
勝手にしろ!
「お知らせ」
シティに近いのに不便な場所にあるという「どんたく」ではスタッフを急募!!!!
電話を頂いたら、即、採用。一か八かです。
<どんたく レストラン>
住所:526 City Road, South Melbourne VIC 3205
TEL: (03) 9696 6794
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