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第8回 ザ・バトル ラウンド2

 ちょっと前の話になる。いや、ちょっとじゃないな。結構、前の話である…そんなことはどうでもいいか。「あなたのVISAカードは取り消されました。今後使用することが出来ません。これはあなたが支払いをしなかったことが原因です。同封した封筒にあなたのカードを半分に切って返送して下さい。訴訟を避けるためにあなたは上記の金額を速やかにお支払い下さい。云々…」VISAカードを使って半年、はじめて届けられた手紙がこれである。

 「カンタス・テレストラのVISAカードを作りませんか?」と申込書が電話料の請求書と共に送られてきた。この申込書にはご丁寧に私の名前が印字してあって、毎月5000ドルまで使用可能とある。マスターカードだけじゃ淋しかろう、あなたがそこまで言ってくれるならと、その気になった。そうだ!どうせなら、ちょっと成り金っぽく、見栄えがいいゴールドカードにしよう。

「これがゴールドカードだぞ」と見せびらかしたくて11月と12月にこのカードを使った。今回はこれが限度、次は支払いを済ましてから。調子に乗って使うと後が恐いのがカードである。請求書が来るまでは使わないと心に決めた。ところが最後に使った日から一ヶ月経っても請求書が来なかった。まぁオーストラリアではよくある事とほっておいた。ところが二ヶ月経っても、三ヶ月経っても請求書は来ない。内心「これはラッキーかもしれない。」と心密かに喜んでいた。

 4月になってANZから電話がかかってきた。
「ねぇ、なんで払らわんとね?」
「払らわんとじゃなかよ。あんたが請求書ば送ってこんけんやろうが。」
「何んば言いよとね、こっちはちゃんと毎月請求書は送っとうばい」
「うんにゃ、こっちは受け取っとらん!」
と、まぁ博多弁だったらこういう会話になる、判る? 判らんやったらゴメン。

 それでもって結局は住所の記載ミスが判明した。
「でも住所が違っていたら送り返されるはずで、あなたのは返送されていない。」
「そんなことは私の知った事じゃない。ましてこのストリートにはそんな番号はない。(…実際にはあった。)」
送った、受取ってないの水掛け論から「郵便局のせい」だ、と話は展開する。

「それでいつ払う?」
「請求書が来たら、いつでも払う。」
「FAXでもいい?」
「何でもいいから早く送りなさい。」
…うーん、やっぱし、標準語じゃ感情が入らんな。FAXで請求書を送るといいながら、やっぱり、その日は何も送られて来なかった。

 電話から一ヶ月が過ぎた頃、冒頭の手紙が正確な住所に書き換えられて届いた。
「あんたくさ、何ね、この手紙は?」
「金を払わんから、そうなったと。あんたはブラックリストに載るばい。」
「ちょっと待ちよ。一ヶ月前に請求書を送ったら払うと言うたろうが。それに、あんたはすぐにFAXで送ると言うたやないね。」
「請求書が見つからんやったったい。それに銀行に行ってカード番号を言えば支払いは出来るとよ。」
「バカタレ!誰がそこまでして払うね?とにかく請求書がなけりゃ払わんし、まして利息やら絶対払わんもんね、使った分だけやけんね。」
「そりゃ、いかん。請求書が届かんでも利息は払うように規約に書いてあるし…」
「ふーん、そりゃあんた達に都合の良か規約やね。請求書が来んやったら払らわんで良か、と言う規約はないとね?そげな物、見てないし読んでもないけんワシャ知らん。あると言うなら請求書と一緒に送りんしゃい!」
…とまぁ、英語が出来ればこういう感情的な話の展開になったはずである。

 珍しく、その日のうちに請求書が四か月分、まとめてFAXで送られてきた。そのうち最初に使った分の請求書の全額をANZの窓口に行きたくなかったのでチェックで支払った。当然「規約」とやらは送ってこなかったので、加算された利息分は無視することにした。それ以降ANZから正確な私の住所に利息分だけの請求書が毎月送られてくるようになった。私は頑として支払いを拒否し、無視し続けた。そうすると①取立人が来て支払った。②また電話でバトル勃発。③何も言って来なくなり自然消滅した。…好きな結末を選んで想像してください。

<どんたく レストラン>
住所:526 City Road, South Melbourne VIC 3205
TEL: (03) 9696 6794

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