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さすらいのギャンブラー日記  カゼノユクエ


さすらいのギャンブラー日記  カゼノユクエ

東京、埼玉川口に住む葛西健三氏(さんじんさん)は、ごく普通のサラリーマン。年齢は、50歳は越えたとだけ云っておこう。奥様とふたりだけの生活、子供はいない。普通のサラリーマン生活、30年以上だが、ちょっとだけ違う点がある。ギャンブラーである点だ。サラリーマンが本職である以上、ギャンブルは本職ではない。若い頃から、競馬、競輪、マージャンと年間を平均すると、負け越しの年はない。この10年は、海外での勝負に重点を置いている。基本的にカジノがある都市へ行く。世界の各都市の中で、一番気に入っているのがメルボルン。2006年から毎年、3週間の滞在でクラウンカジノとの勝負に明け暮れる。カジノでの厳しい戦いを勝ち抜くのには、リラックスした環境が必要だ。田舎過ぎてもいけない。適度な刺激は、博打には欠かせない。
さんじんさんのギャンブル日記をスタートする。 (Go豪メルボルン編集部)

葛西健三氏インタビュー
http://www.gogomelbourne.com.au/tour/1499.html

 


   ◇◆◇


第一話:4月18日~19日未明


旅先の病ほど心許ないものはなく、まして言葉の判らぬ国でたよる人もいないとなると不安はなお高まりただおろおろするばかり。カーちゃんはカジノから乗ったタクシーの中で辛そうに呻いている。運転手が心配そうに病気かとたずねてくれるが、イエスと答えただけで話は終わってしまう。いっそこのまま病院に駆け込んでもらおうかと思ったりしたが、いくらなんでもそれはちょっと早計過ぎる気がした。部屋に戻るとすぐにベットに潜り込んでぶるぶる震えている。とにかく寒いのだそうだ。にもかかわらず熱はそれほどなく、こんな症状は初めてなのでついよからぬことまで考えたりして落ち着かない。そんな私をよそにもう大丈夫だからカジノに戻りなさいなどと、この期に及んでつまらん心配してつまらないことをいう。

旅先に持ち合わせている薬は、鎮痛剤、胃薬、正露丸などでどの薬も役に立ちそうもなく、クローゼットから毛布を取り出して掛けてやり、内側からも暖めてやろうと砂糖を多めに入れたココアを飲ませた。暖めてやるといえばアパートのベットには温熱装置が付いていたのだが、チェックインのときに調べたらベットの中で断線寸前になっていて、これでは危ないと私が判断してコードを引き抜いていたのだった。なんと間の悪いこと。

これまで私たちの旅はまったくの医者要らずで、旅行のたびに海外旅行保険に加入してくるがまだ一度も保険の世話になったことがない。二人だけの旅では私が二度ほど腹をこわしたことがあったが、これもそのたびごとに一両日には完全に回復しており、カーちゃんに至っては病気らしい病気になったことはこれまでなかった。これは鬼の霍乱などとは冗談にも言えず、気がかりに夜は更けるのだった。

裏日記
4月18日
突然カーちゃんが悪寒におそわれ急遽タクシーで部屋に戻る。
PM7:30~PM8:00。-$210、カーちゃん-$100。

マイカテゴリー: 一般

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