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カジノ2007 外伝③

第10話:2007/7/5

「ビッグウェーブ」  


ビッグウェーブが来た。
最後の最後にそれは来た。
まるでギャンブル小説のベタな最終章みたいだった。



瞬く間に私の前にチップが積み上げられていく。
いつもは20枚ごとの山にして並べるのだが、そんないとまもなくチップを積んだ。

心なしか私の手が震えている。そのせいでチップのタワーも揺れた。


カーちゃんに向かって

「まだくる!」

とそれしか言葉を知らないかのように何度も繰り返した。



BJではディーラーと客はほぼ同じ条件で闘うが、時にどちらかのワンサイド勝ちになることも当然ある。
今がその時だった。


その渦中に私はいた。


いつもはチップの山をつまみ上げて分ける。



これがきっちり20枚。
(これらのチップは、私がオーストラリア中、さらにNZの2都市を回って集めたチップ。5ドルチップもあるけど、ほとんどがビタ銭チップ。)


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カジノ2007 外伝②

第9話:2007/7/4


「ついていない女」  


流れを読むなどと簡単に書いてしまったけれど、
本当のところカジノでは一手先のことは誰にも判らないことになっている。

ギャンブル小説のようにはいかないのである。

年の頃は三十前後のチャイニーズの女性。
殆どバックベット専門で、他人の運に乗ろうとする。
だから頻繁にベットする場所を変え、サイドベットもするがこれ も賭けたり賭けなかったり。
しかしみんながチップを増やしているのに彼女のチップだけが減っていく。


他人の運を追い掛けているつもりなのだろうが、見えな いものは追い掛けても無駄、運は待つしかないということ。




「ついていない女 その2」  カジノ

ほ とんどのギャンブル小説は、ことカジノに関しては眉唾な描写が多いと、私は思っている。

あの「ギャンブルの神様」阿佐田哲也氏にしても、カジノのことにな ると首を傾げざる得ないシーンが出てくる。
まあ、エンターティメント性を求められる世界だから、それで良いのだろうけど、それを真に受けてカジノには行かない方が身のためだ。
ちなみに、私は何冊かのギャンブル小説を持って今回の旅に出た。

彼女は三日間ほど続けて遅い時間にマホガニーで見かけて、ちょっとした顔見知りになったが、どの日もついていなかった。

あの英国風紳士が大勝ちしていたと きも、少しのあいだ彼女はいたが勝てずに席を立った。

カジノ中で一番ついていない女性なのではないかと見ていて私は思った。
そして、私のところだけには バックベットしないでくれと、密かに願わずいられなかった。

私にしたってカジノ中で一番ついていないのは自分と何度も思ったことがある。
まあ、止まない雨はない、グッドラックなのだ。



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