第2回サンマ・マーケティング調査
豪州マーケット、本気の開拓は続く
10 November 2010 @ Maedaya
2010年2月に行われた野村総合研究所主催の市場調査に引き続き、今回は全国さんま漁業協会、またサンマの加工業者の方々主催によるマーケティング調査が行われた。シドニーでも開催された調査でも多くの反響があったそうで、メルボルンでの視察調査にても反響が大きかったとのこと。
現代のサンマ漁は棒網漁業が盛んで、漁業規模は10~20トンや100~200トンが多く、集魚灯を使う夜間操業の漁船で、大きな照明装置が装備されているほか、網を吊るす長い棒が目を引く。日没から夜明けにかけて行われている。
今回提供していただいたサンマは、棒網漁で水揚げされたサンマをその日のうちに処理し、急速冷凍をされたもの。そうすることで、サンマ本来の新鮮さを保つことができるため、お刺身の品質で保存できる。フィレや三枚に下ろした状態に加工、冷凍することで、フライパン一つで調理できて煙も少なく、家庭でも簡単に扱える。日本ではゴミの有料化が進み、フィレでの販売形態は、生ごみになってしまう腸、ヒレ、骨もないので気軽に食することができる利点もある。またオーストラリアでは「魚を下ろす」習慣があまりないので、フィレのサンマは受け入れてもらいやすいのではないだろうか?
当日は韓国系、中国系の食品卸業者の方もお迎えし、意見を聞きながら場が進んだ。日本の製品が高品質であることは一般的に認識されているが、値段が他と比べて高いのでなかなか難しいのではないか? 「お刺身」は広く知られているので、フィレの使用法を理解してもらいやすいが、他の調理法を教える必要があるのではないか、またサンマという魚自体が何かというところから伝える必要があるのではないかという意見も出た。
前田屋にて開催された調査では、オーストラリアの方にも受け入れてもらいやすい洋食中心のメニューが7品用意され、様々な可能性に挑戦した内容で好評を得た。その中でもお刺身に小口切りにしたネギ、たっぷりの七味唐辛子、醤油をかけて食べる方法は、まさに漁師だけが知る食べ方で、魚臭さもなく、サンマ本来の味が存分に楽しめた。船の上では釣り上げたばかりのサンマを上記の方法で味付けしてご飯にのせ、一気食いスタイルで豪快に食べるそうだ。
• Pacific Saury Spicy Salad(写真上・左)
• Pacific Saury Carpaccio(写真上・中)
Fresh Pacific Saury making Carpaccio, yuzu and pepper flavour
• Mix Herb Bread Crumbed Pacific Saury(写真上・右)
Marinade with mayonnaise sauce and covered with mix herb bread crumb
• Pacific Saury Plum Roll with Balsamic Sauce(写真上・左)
Plum paste into the pacific saury, roll it up then deep fry with balsamic sauce
• Salt and Pepper Pacific Saury(写真上・中)
Deep fried pacific saury and pan toss with salt and pepper
• Pacific Saury Basil Pesto(写真上・右)
Pacific saury cooked with basil pesto
• Pacific Saury Sashimi
サンマは日本では江戸時代から親しまれてきた、栄養的に非常に優れた青魚であり、必須アミノ酸をバランス良く含んだ良質のたんぱく質や鉄分、粘膜を丈夫にするビタミンA、また骨や歯の健康に欠かせないカルシウムと、その吸収を助けるビタミンDも多く含まれている。
さらに不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれており、血液をサラサラに保ち、コレステロール値を下げる働きがあり、特にDHAは脳細胞の働きを活発にするので学習能力を向上、痴呆やボケを防ぐ効果も期待できる。 さらにガン予防にもなるという研究結果もあり、健康志向の高いオーストラリアでの需要も期待できそうだ。
オーストラリアでのサンマの市場開拓は始まったばかり。しかしその中に見える明るい未来に是非期待したい。
※第1回 サンマ・マーケティング調査(2010年2月)の模様はこちら
コメント- (,,゜Д゜)∩先生 (2010-12-10)
- サンマ料理も沢山あるんですね。そしてどれもおいしそー!
- えんこなおい (2010-12-10)
- サンマ、美味しいですよねえ。油の乗ったサンマ・・・考えるだけでよだれが(笑)
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