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第17回日本映画祭、はじまりました!

オープニングは『舟を編む』上映

[ 29/Nov/2013 ]

 第17回日本映画祭が11月28日(木)に開幕。今年は去年よりも開催箇所が増え、約10都市で開催される。メルボルンはフェスティバル最終地。 今年のメルボルンでは30作品以上が上映される。中には2週間前に日本で封切された作品や、風情のある白黒映画などジャンルも豊富。

 

 

 招待制で催されたオープニング・セレモニーには、多くの方が参加。側嶋総領事のスピーチを皮切りに、歓談が途切れない場となった。この日のメインイベントは『舟を編む』上映。三浦しをんの同名著作を映画化した作品。シドニーのオープニングには、この作品に出演されている八千草薫さんをゲストに迎えた。主演されている『あきらめないで』はメルボルンでも上映される。

 

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©2013 "The Great Passage" Film Partners

 

 人とのコミュニケーションが苦手な馬締(まじめ)。営業部でも変人のように扱われ、全く成績が出せない。下宿先の1階は馬締が収集した本で占拠され、住人は馬締と大家のタケ、猫のトラさんのみ。大学院で言語学を選考していたこと、わからない言葉があればなりふり構わず辞書を引く姿が目にとまり、辞書編集部へ異動となる。

 一冊の辞書、それも広辞苑並みの言語収録をする『大渡海(だいとかい)』の制作を軸に、編集部の人たち、タケさんの孫である香具矢との恋愛模様を描いていく。そこで出会った松本先生の『大渡海』への意気込みを聞いて、馬締はますます辞書作りにのめり込んでいく。約15年はかかると言われる辞書作りが始まるのだった。

 一見馬締とは馬が合わなそうで、いい加減な西岡さん、ここぞという突っ込んだ言動をする契約社員の佐々木さんと繰り広げられる恋文シーンはなんとも滑稽。社内から金食い虫だと邪険にされながら、西岡さんに「僕一人ではできません。」と正直に気持ちを伝えられるようになったころには、馬締とって辞書作りが天職になっている。

 運命のような仕事に出会えるのは全ての人にあるわけではない。なんとも羨ましい限りである。そして辞書作りに人生を捧げる馬締の姿に、女性でありながら板前を目指していた香具矢も惹かれて行くのだった。

 松田龍平さんは原作通りの馬締を演じきっていたのが素晴らしい。変わった性格なのに、なぜか憎めないし、ストーリーが進むにつれだんだん可愛らしく、格好良く感じるのだ。一つ心残りなのが、原作にあった馬締が『大渡海』という名前を聞いて、唐突にクリスタルキングの名曲を「あー、果てしない」と歌い出すシーンは是非入れてもらいたかった。観客にはわからない人もいるからの配慮かもしれない。実際そのシーンがあったとして、隣に座っていたオージーの女性に説明しろと言われたら・・・、たぶん歌うことしかできないと思う。

 

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 フェスティバル・ディレクターは毎年200以上の映画を鑑賞して、フェスティバルにふさわしい作品を選定するそうだ。こちらも本当に好きだけではやっていけない仕事だと思う。オープニングに相応しい素敵な作品を有り難うございました、とこの場を借りて伝えたい。

 

 

 日本映画祭は12月8日まで開催される。『図書館戦争』、『俺俺』にはそれぞれの監督がゲスト出演。見たい作品があるなら早めにチケットを入手してくださいね。

 

 

第17回 日本映画祭

japanesefilmfestival.net

期間: 2013年11月28日 – 12月8日

時間: 作品により異なる

上映場所:
Hoyts – Melbourne Central
Cnr Swanston & Latrobe Street, Melbourne Central Shopping Centre

ACMI Cinemas (Australian Centre for the Moving Image)
Federation Square, Flinders Street, Melbourne

料金
大人 $17 / コンセッション $14 / Japan Foundationメンバー $13 / 5-Film Pass(※1) $70 / スクール・スクリーニング(※2) $7

 

※1 5-Film PassはOnlineのみで購入可能。オープニングナイトやその他のイベントにはご利用いただけません。購入時に見る映画をすべて決定する必要がありますので、予めご了承ください。

※2 スクール・スクリーニングは予約が必要です。Eメール:coordinators@jpf.org.au、 あるいは電話 02 8239 0055にてMatthew Todd氏までお問い合わせください。

 

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