interview
キャリア・学ぶ

バイリンガル指南書作家 高橋 正彦さん インタビュー

バイリンガル教育の新しい試みを提案します。

2009年12月16日掲載

 

 

【プロフィール】
高橋 正彦 Masahiko Takahashi
1977年、静岡県浜松市生まれ。静岡大学教育学部附属浜松中学校卒業後、単身オーストラリアに渡りBrighton Grammar Schoolに入学。同校にはサッカー部が無く、3年がかりで学校側に打診をし、サッカー部を創立。初代キャプテンを務める。同校卒業後、日本に戻りフリーターをしながらサッカー選手を目指していたが、なぜか1998年中古CDショップ「音吉プレミアム」を立ち上げた後、広島に転居。英検3級。
 

インタビュアー:板屋
 

“言葉の壁“ 
海外に暮らす者であれば、誰でも一度は突き当った事があるのではないだろうか。
“英語を母国語の様に話せたら、どんなによいだろう”
そう願ったことのある人は、たくさんいることと思う。
ところが、今の日本の英語教育は“母国語のように”などとんでもなく、第二外国語としての基本的な会話すらままならず、苦労することが多いのが実態だ。
高橋さんは、そんな日本の現状を大きく揺るがす可能性を証明し始めている。

 

--お子さんのしんたろう君、ゆりあちゃんを日本に住んでいながら、また両親ともに日本人でありながら、バイリンガルに育てようという試みをされていると伺いました。そしてそれが成功しつつあると言う事ですが。

 はい。来年3月から6月に、"バイリンガル幼児育成マニュアル“という本を出版予定です。
 これを読んでもらえれば、英語がまったく苦手で英語アレルギーといった人でも、バイリンガルの種ぐらいは子供の頭に植えることが出来る。少し話せる人ならば、かなりの確立で成功すると確信しています。
 この方法が日本全国に浸透すれば、50年後の日本のバイリンガル率が上がると確信しており、とても自信のある提案です。この本によって、ノウハウを浸透させたいと思っています。

 

--実際にしんたろう君に英語で話し始められたのは、いつ頃からですか?

生まれた瞬間からです。彼が留学したくなってから教えるのではなく、その前に教えられたらよいと思い、やってみました。

 

--高橋さん以外の、奥さんや周りの環境はどうなのですか?

 周りの環境は完全に日本語で、僕だけが英語です。
 途中でしんたろうが英語に触れる機会が少なすぎるのではと思い、彼が生まれて3ヶ月の時から家の中では妻は日本語で話し、僕は英語で話すようにしました。
 現在、彼は3歳半になり、日本語でも同世代の中ではたくさん話す方です。
 今回、オーストラリアに来て、同世代の子供たちの所におくと、普通に英語でコミュニケーションが取れるようになっています。かなり高い英語力のレベルになっていました。それを見ることが出来て、確固たる自信になりました。これは日本の英語教育がひっくり返るくらいの事になるのではないかと感じています。

 

--今の日本の子供に対する英語教育には、何が問題だと思われますか?

 決まったレッスンの繰り返しばかりで、オウムと同じように決まった会話は出来るようになりますが、初めての事は話せるようになりません。
 たいした教材は使わなくても、日本人は日本語を話すようになる様に、英語は無理に教えようと思わなくて良いと考えています。ぼくたちは英語を学ばせようとしている普通の家庭のしている事と、全然違うことをしていると思います。
周りに在る物をうまく使うだけで効果的な事はたくさんできる、お金をかける必要はないんです。
 大切なことは、子供は、“教えても学ばない”。親に教えられた時点で自発的には学ばなくなってしまいます。それは大人でも同じです。特に、日本人の親はそれが下手で、必ず教えようとしてしまいます。
 子供の半歩ぐらい先を一緒に歩くような接し方が大切で、そうしなければいけないのです。そうでないと、親は学ばせたいのに子供は学ばなくなるという、真逆のことが起こってしまいます。
 そこで、本では心構えの部分を長く書きました。
 言葉とは何かという説明。ジェスチャーを使えば最悪言葉がなくても伝えられる。そんなに難しいことではなく、伝える側の人の気持ちが大切だと言う事。
 英語学習に魔法はありません。親も我慢しなければならない、努力しなければならないという事。聞かれた事には、必ず答えを出す。適当な事は言わないで、親が判らない事もあるのだ、ということを見せるのも教育だという事。
 また、判らないこともそこで終わらせずに調べて教えてあげると、子供は親の真似をしたがって、辞書を開くし、自分で調べるようになります。
 勝手に子供が自分で勉強するシステム、いかに子供の心と体を促していくかというのが、大きなテーマです。

 

--とても興味深いですね。

 似たような本がまだ一冊もなく、日本人にとってとても新しい提案なので、みんながこういった考えをはじめたら、何かが起こるかもしれないと、とても期待しています。

 

--裏返して、メルボルンで日本語を教えるにはどうしたら良いか、という事にも共通して言えることですね。

 たまたま英語なだけで、スポーツなどでも同じです。子供に何かさせる時の心構えの本です。

 

--英語を通して、子供との信頼関係も良くなるのではないですか?

 すべては信頼関係です。僕は、子供を裏切ったことはないと思います。そこが、一番気をつけている事です。子供の心に闇を作らないように。
 子供は親が好きで、好きな人に嫌われたくないから、辛い気持ちを飲み込んでしまうことが多いのです。そんな気持ちにさせないように、細かい事に気をつけています。“適当に流さない。問題を先送りにしない。約束は約束。”
 普遍的なことで、基本中の基本、大人にとっても大事な事を守ってゆくこと、そしてそれを子供にすりこんでゆく事が大切だと思っています。

 

 私も外国に出て、まず言葉で苦労しました。きっと、高橋さんも似た思いをされたことでしょう。
 最後に、“今後の日本に、自分の子、孫の世代に、英語の話せる日本になるよう、今の自分に出来ることをしてあげたい”と言っていた言葉がとても印象的でした。高橋さんの本で、日本の英語教育がひっくり返る事、期待しています!

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