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ロングステイメーカー 中島 政彦さん・サエ子さんご夫妻 インタビュー

ロングステイの秘訣とは。必見です!

2009年7月15日掲載

【プロフィール】

中島 政彦・サエ子 Masahiko - Saeko Nakajima
東京都板橋区在住。ロングステイヤー。長年健康産業の社員教育を務め、リタイヤ。後に会社役員を務め、ロングステイを楽しむようになった。シニアライフのいきがいについてアドバイザーとして老人施設を訪問する。日本でのロングステイセミナーにも参加している。

 

 

インタビュアー:武吉 恵理、岩本 英恵

 

--まずはロングステイを始めたきっかけを伺ってもよろしいでしょうか?

政彦 仕事の関係で40代から東南アジア、50代で家内とヨーロッパを回り始めました。50代後半から東南アジアを色々訪ね、5~6年前から、もう観光地を巡る時代は終わったと感じてハワイに最初のロングステイに挑戦したんです。ハワイには結局2回行きました。コンドミニアムにステイして現地の食材・調味料を使って自分達で料理するのが楽しいですね。

 



 

--ヨーロッパはいかがでしたか?

政彦 自由時間と日にちの長いパック旅行で色々まわりました。年に一度なので10年かかりましたよ。特にヨーロッパはホテル・交通の手配などがあるのでパックの方がやはり便利だと思います。しかし、ツアーで見て回っているとゆっくり自分のペースで見て回りたくなりました。2、3日じゃ足りないんですよ。ミラノは危ないからってバスで素通りです。だから、ロンドンやパリ、そしてイタリアの都市などは日本人用の代理店もあるのでパック旅行の後に延泊して、自分たちで色々回りました。

サエ子 やっぱり、現地の人の生活様子を見てみたいじゃないですか。でもやはりミラノのクリスマスの時期に歩いていたら、旅行用のイミテーションのネックレスをとられました。周りの人は騒いでくれましたが、もうあっというまに逃げてしまいました。

 

--それでは、ロングステイとしてはどちらに行かれたことがありますか?

政彦 2週間以上であれば、シドニー、メルボルン、クアラルンプール、アメリカ本土などでその後ロングステイを経験しました。メルボルンは僕が3度目で家内が5度目です。

 

   

 

--メルボルンの滞在はいかがですか?また何回も戻ってくる魅力はなんでしょう?

政彦 始めて来た時はこちらのホテルに泊まりました。今回からNagomiさんです。Nagomiさんは、日本の宿屋さんのような温かいサービスがあり、また過剰ではなく、ある程度自由にさせてくれるところが気に入っています。野菜はどこで買えばいいだとか、何か聞きたいことがあったら日本語で聞くことができるのもいいですね。サウスヤラという場所も気に入っています。メルボルン、サウスヤラの古い家が並ぶ様子などは見ていて楽しく、毎日近くを色々と歩き回っています。日本では大型スーパーで商店などがどんどん無くなっていますが、こちらではお互い共存共栄で、まだまだ賑わっていますね。お店でも古い建物を大事にとっているのが良いと思います 。

サエ子 若い子の街ではなく、特にこのあたりはゆったりと時間が流れている。落ち着いて安全に過ごせるのがいいですね。外国での独り歩きは普通とても勇気がいるのに、ここはとてものんびりできます。2週間ぐらい経つと地理感がでて安心しますし、もう住んでいる気になるんですよ。シティもシティのよさがありますが、サウスヤラの魅力も大きいですね。同じメルボルンでもこんなに違うんだなと。ここは特に私たちの年代にあっているように思います。一つのサバーブだけでも見て回るものがたくさんあるので、電車を見にフランクストン、骨董品を見にパックナム、など色々なところを回っています。

 

   

 

--ノートを作っていらっしゃるんですか?? 電車の路面図など詳しく書かれていらっしゃいますね。

政彦 インターネットやガイドブックの代わりです。ネットだと字が小さくて見づらいので大きく書くんですよ。見知らぬ土地の交通機関は通常ややこしいものですが、こちらは150ドルちょっとのマンスリー・カードでどこでも乗り放題というのが素晴らしいですね。いろんなラインの終点まで行き、色々な文化を見ることができるので非常に興味深いです。インド人・ギリシャ人・イタリア人・中国人、本当に様々な文化が街中に垣間見えます。お互いの人格を尊重している感じが見てとれますね。通常は観光客が足を踏み入れない方がいい場所を聞いてから各地を回りますが、こちらではまだ危ない目に合っていません。色んな人を受け入れる許容心があるからだと思っています。

サエ子 野菜も日本とこちらでは同じ品種でも若干違いがあり色々買って味など研究するのが楽しいです。ケーキやマフィンも大きいし。いろんなちょっとした買い物が楽しいです。お水が生で飲めるのも便利ですね。野菜を洗ったり、お米を洗って炊いたり。

政彦 電話の回線の質が悪いのが唯一の難点です。インフルエンザについてなど日本の家族と連絡を取るなど重要ですからね。そこは今からです。

 

   

 

--そうですね、インターネットも他の先進国と比べると遅れていますしね。ではお二人にとってロングステイの魅力とは?

サエ子 成田を離れると日常から離れてその糸を切ることができるのが魅力です。うちにいたら喧嘩もしますけど、もう海外では二人だけですから。家庭円満の秘訣ですね。人生の改革はリタイヤしてからしかはじまらないと思います。

政彦 「夫婦で行って、奥さんが旦那さんの世話で結局困らないか?」特に私たちの世代は奥さんが旦那さんの世話をすべてしていた世代ですし、それだと旅に行ってもつまらないのでは。という質問がセミナーでよくあります。しかし、そもそもこの年齢になるとどっちかが先に倒れるかもわからないですし、いつまでも同じ関係ではいられません。二人で料理など、“すべて二人で協力してやっていく”という間柄に変えていかなくてはなりません。もう旦那さんは働いているわけではないですし。

サエ子 でもやはり自宅だと、どこに何があるのか主人が分からなくて結局手間をとるので、自分でしてしまうことも多いですが、海外だとここぞとばかりに改善してもらおうと気が強くなれるんです。日本に戻っても主人がその後変わってきているのが実感できます。家事のことだけでなく、レディーファーストなど、女性を大事にしてくれる。ほら、こちらの方は本当に板についているでしょう。


   

 

--お二人の関係の潤滑油のようなものなのでしょうか。参考になります。ではメルボルンでロングステイをするにあたっての日程と大まかな予算を教えていただけますか?

政彦 簡単に言って、約30日間なら2人で60万円、ですね。ホテル代が約30万円、残りが生活費、航空券。17万円が航空代。生活費では通常なら特に交通費がかかります。メルボルンは安いですが。食費は基本的に自炊です。オーストラリアで外食すると、一皿、12、3ドル、食後にカプチーノで3ドルちょっと。こんなことをしているとあっという間にお金はなくなりますよ。東京で外食は高いと思っているかもしれませんが、オフィス街では今350円の弁当がすごく流行っています。逆に東京に観光に来た人で一番お金がかかるのが交通費でしょうね。メルボルンと東京では、正反対ですね。

 

   

 

--そんなに少ないんですか? 今まで「少なくとも百万円以上で、お金がかかる!」というイメージだったのですがびっくりしました。みなさん長期滞在だと構えてしまうと思います。

サエ子 お金がかからないようにするには健康管理が第一ですね。また、何でも限られたあるものだけで色々工夫して利用するので、それが面白く、色々学べます。贅沢もしません。わかめなど乾燥物などは持参するなど、食生活も多くはかえません。3回に1回はこちらの食事も食べますが、特に朝は東京の生活と何ら変わりないですよ。大金を一回に使うわけではなく、次回の楽しみにまわします。

政彦 みなさん準備が大変みたいですが、うちは「明日行こう!」となったらすぐに行けるんです。そのために何か買うなどはしません。ある物で賄います。買ってきて準備してお金使うなら滞在先で何かを買うなど違うことに使いたいですから。

サエ子 特にこちらではセールの値下げが大きいから、良いものが安く買えるのもびっくりです。


   

 

--それでは同年代のロングステイに挑戦される方にメッセージがあればお願いします。

政彦 家に閉じこもっているのではなく、生きがいを感じ、自分の生活をもう一遍みなおすためにも是非すすめたい。異文化に接するということは、日本の良さもわかるし、どういった人生をおくるか考えさせてくれる非常に良い機会です。気晴らしをして英気を養いに来る。これがロングステイだと思っています。だから同年代の人たちにも積極的に薦めているんですよ。

サエ子 日本にない、異文化の色々なものを見ないで死んでしまうのも嫌ですからね。いろいろなものに触れてみたいし。二人が健康であるうちでないと。それだったら一日も早い方がいい。いつもそう思っています。チャンスはチャンス。利用しなくては。

政彦 私の年代の人たちは、そのうちそのうち、ってチャンスを失っていますよ。元気になったらとかお金ができたらとかではなく、思った時がスタートです。

サエ子 健康だからと行きたいと思えるんです。旅先でも無茶をしないで、なるべく日本と食事などの生活を普段と変わらないようにすれば大丈夫。体がついていかないと何もできないですから。

政彦 医療保険も今ととのって完備しています。40日で私達は3万円強払いました。こちらに支店もあるんですよ。保険に入っていれば24時間日本語で、ホテル往診もしてくれる医療センターがここにはあります。そういうことをこれからセミナーなどでは前面に出して私達の年代の不安材料を取り除いていくのが必要だとおもいます。

 


 

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URL: https://www.nagomi.com.au/

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