KIRIN Big in Japan 出演アーティスト インタビュー 前編
アーティストの素顔公開!
2010年12月3日掲載
先日大盛況だったKIRIN Big in Japanにご出演されたアーティストの方々へミニ・インタビューを実施させていただきました。緊張感高まる当日の本番前にインタビューを敢行。5組の方にお話を伺いました。
前編と後編に分けてお送りする今回は LAKILAKIさん、SHIMURABROS.さん、伊東篤宏さんのインタビューをお送りします。個性あふれる面々、日本のアングラシーンを覗いてみてください。
インタビュアー:長谷川 潤、Ryo、河内 雄大
DJ LAKILAKIさん
【プロフィール】
LAKILAKI
タイディスコを中心としたトラックでDJ活動中。2008年にSHABUSHABUと共にKUMARU RECORDSを立ち上げる。2009年11月にはSHABUSHABUとのヨーロッパツアーで大成功をおさめる。2010年1月タイディスコにとらわれないスタイルを目指し、"真保☆タイディスコ" から"LAKILAKI"に変名し、新たな活動をスタート。
--LAKILAKIさんのどういうパフォーマンスをされるのか、ご自身の紹介を含めてお願いします。
LAKILAKIと申します。クマルレコードでSHABUSHABU君と二人でレーベルを運営しています。私たちは今京都に住んでいまが、関西は日本の中でもアンダーグラウンドのシーンが発達しています。東京に比べると、もっとお祭り的な要素を持った方が多くて、私はそのなかでもさらにアンダーグラウンド・シーンでDJをしています。
もともと10年前にタイのディスコに出会って、その亜熱帯みたいなテクノが気に入ってDJになりました。最近はタイディスコだけに留まらず、自分でトラックを作っています。現在は日本固有のお祭り要素とヨーロッパのテクノやハウス、クラブミュージックを一緒に合わせたトラックを作っています。DJスタイルなんですけれども全部自分で作成した曲を演奏しています。
DJ時代はモホタイディスコって名前でやっていましたが、今はもうLAKILAKIという名前に変えて、これからはタイディスコにとらわれない音楽もやっていこうと思っています。
--LAKILAKIさんのお名前の由来は何ですか?
もともと宝石とかアクセサリーとかキラキラしたものが好きなのですが、一方で音楽の趣味がハードコアやロックとか、そういう男の子っぽいテイストの音が好きだったのでせめて名前くらいは私の女の子らしさからとろうということで、きらきらを逆にして『LAKILAKI』としています。
後になって知ったんですが、‘ラキラキ’ってインドネシア語で「男の子」という意味があるみたいなんですよ(笑)。すごい偶然だったなぁと思います。
またShabuShabu君と一緒にレーベルをやっているので、“しゃぶしゃぶ”とか“らきらき”とか2文字で表わすような擬音にしたらいいかなと思って名前を付けました。
--今日のパフォーマンスの見所とメッセージをお願いします。
今日は一番初めのパフォーマンスなので、キリンビールがみなさんに飲んでいただけるように、思いっきり夏祭りな感じでプレイしようと思います。
アートユニット SHIMURABROS.さん
【プロフィール】
SHIMURABROS.
URL: http://www.shimurabros.com/
横浜市出身の姉弟、ユカとケンタロウによるユニット。映画をベースにした表現活動を行っている。「メディアアート的手法によって映画を3次元に拡張する」というスタイルを確立しつつある。
--今日のイベントのご出演内容と、自己紹介も兼ねてお願いします。
僕らはシムラブロスと申します。姉と弟でメディアアートを作っています。もともとは映画をずっと製作していました。現在はそれをベースにした様々なメディア作品を作っています。
今回持ってきたのは、『エクセルトレイン』という作品で、これは機関車をCTスキャンしたものが、立体的に見ている人に向かって走りぬけるという作品です。
フランスのルミエル兄弟という世界で最初に映画を撮った兄弟で、その人たちが最初に撮った映画は、ただ列車が駆け抜けてくるっていうだけの映画でした。現代の僕らからするとなんだそれだけ?なんて思うかもしれませんが、それを初めて目の当たりにした当時の人々はビックリしてスクリーンから逃げたっていう話があるらしいんですよ。
だから僕らはそれをもう一回どうやったら造り出せるかということをテーマに作品を形にしました。
--メルボルンの前にシドニーでのイベントがありましたが、お客様の反応はどうでしたか?
日本とは違って感想を直接僕らに言ってくれる人が多いですし、また素直に反応してくれることも嬉しかったですね。
--海外でこういった作品展示はよくされているのですか?
そうですね、ちょうどこのイベントの前にモスクワにいました。マイナス6度でしたので、こちらに来て急に夏になってちょっとビックリしました。モスクワでは今回展示した作品とはちょっと違う新作の映画形式の作品を発表しました。X-RAYトレインはオーストラリアで、あと日本でしたら、この間まで京都のTaka Ishii Galleryで展示していました。
--メルボルンのお客様への見所をご紹介いただけますか?
この作品に関して言えば、スクリーンになるべく近づいた方が、光そのものが飛んでくる感覚が味わえるので、光の実体というものに近づいて感じてもらいたいと思います。
--CTスキャンするのがすごく難しそうですね。
はい、人間ドックに電話しまして「CTスキャナは使えますか?」とたずねたら、気さくな先生がいらっしゃって、話を聞いていただいて 、じゃあ、やろうと。「ただ、人間ドックだから人間優先だよ。」といわれ、待合室で機関車を待たせました。人間のCT検査の間を縫って、休みになったときに機関車を撮りました。
人間用のスキャナなので鉄を撮ると乱反射します。でもそれが意外と輝いている感じがして良かったので、それをそのまま使用しました。
それ以来CTスキャナを使った作品を作っていて、マイクロCTスキャナという4cm以下のものしか撮れないような精密に撮れるスキャナで昆虫をCTスキャンしたり、9mぐらいのタワーを屋外に建てて、そのなかで昆虫がよみがえっているような仕掛けにしたりとか、そういうようなことをやっています。実際見てみるまで、どんな映像が出てくるかわからないのが面白いところですね。
--撮影現場を見ているだけでも非常におもしろそうですね。
映像って厚みがないので、そこにどうやったら厚みを持たせられるかということを試行錯誤してやっていて、さらにそれを擬似的に立体的にしていくことをやっています。
OPTRONプレイヤー 伊東 篤宏さん
【プロフィール】
伊東 篤宏 Atsuhiro Ito
URL: http://www.gotobai.net/
美術家、OPTRONプレーヤー。90年代より蛍光灯を素材としたインスタレーションを制作。蛍光灯の放電ノイズを拾って出力する「音具」、OPTRON を制作、命名。展覧会会場などでライブを開始する。
--今回の見所を教えていただけますか?
今回というか、いつも僕の場合はやっていること自体が珍しいと言えば珍しいと思いますので、蛍光灯を楽器のように使うパフォーマンスなので、目と耳にやさしくないパフォーマンスを楽しんで頂ければと思います(笑)。
--どこからそういう発想が浮かんできたのですか?
よく訊かれるのですが、僕は元々音楽をやろうとか楽器を作ろうと思って今の形になったわけではなく、元々コンテンポラリーアートの世界で活動していますし、今でもそっちの人間だと思っていて、音楽的なことや、楽器をどうこうっていう風にはあまり考えてないですね。
蛍光灯を素材にインスタレーションを作ったりする仕事をずっとやってきた中から生まれてきました。発想としては楽器とか音楽とかっていう視点からOPTRONを作ってきてはいないということになります。
--シドニーのイベントでの観客の反応はどうでしたか?
よく分かりません(笑)。
--今まで様々な国で演奏されていらっしゃいますね?
国とイベント会場によって全然反応が違いますし、シドニーは大きい会場でしたので、正直よくわからなかったです。
--オーストラリアは初めてですか?
いえ、もう3、4度来ています。ただ、シドニー、メルボルンは2度目ですね。あとはブリスベンでも演奏したことがあります。
--観客の方へのメッセージをお願いします。
実はいつもあまりないですね。特定のメッセージは無くて、ただ単に聴覚、視覚に訴えるようなパフォーマンスなので、それを純粋に楽しんでいただけたらと思っています。OPTRONを演奏して、特定なメッセージだとかアートのことを言いたいわけでは無いので、なんというか楽しんで頂ければいいんです(笑)。
--とてもシンプルでわかりやすいですね。
とても簡単なことで、普段蛍光灯は天井についてれば、全く気にしていないじゃないですか。それが目線の高さに降りてきただけで、これだけものの見方が変わるとかって、そういうのが純粋にビックリすると思うし、笑えちゃうと思います。「なんだこれ!」って。それでいいと思います。
いかがでしたでしょうか?インタビュー後編も近日公開です。乞うご期待ください。
写真:Ryo
ryophotography.wordpress.com
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