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純粋に踊ってほしい/瞬間に感じるグルーブを

青木孝允・DJ Kazu Kimura

2012年9月10日掲載

8月25日にArt center Melbourneで行われたテクノイベント「Sound Lounge」
に出演したミュージシャン青木孝允さんとDJ Kazu Kimuraさんにイベントの感想や音楽についてお話をうかがいました。

青木孝允さん


コンピュータを用いた創作活動を中心とし、独自の音楽表現でその領域を広げ続ける気鋭のアーティスト。イギリスBBCラジオ・プログラム「One World」への楽曲提供The Beatlles 'i will'のカヴァーなど。海外・日本国内ともに高い評価を受けている。
2004年パリに移住。その後2008年にベルリンに移住。ヨーロッパを拠点に制作活動、世界各国でライブを行う。
2011年帰国。現在は大阪に拠点を置きソロでの楽曲制作、国内外でのライブ活動の他、多数のアーティストへの楽曲提供、ミックスなども行っている。


イベントの感想は?
今回、初めてオーストラリアにきたのですがオーディエンスの反応もよくて楽しかったです。

これまでベルリンやパリなど海外で活動されて来ましたが、いま日本に帰って来たのはなぜですか?
地震のあと手放しであんまりヨーロッパで遊べなくなって、やっぱり日本大変なことになってるんで、日本人として日本になんか貢献したいなと思いました。そしたら踊るって凄いポジティブなことだと思うので、大変なときこそみんなで踊れるような音楽をやりたいなと思って。日本は昔から祭りの文化があるのでそういったものを取り戻してもらいたいですね。

曲をつくるときにこだわっていることは?
人間が一番心地いいリズムは宇宙の法則というか物理法則だとおもうんですよ。それってやっぱり物が落ちたらバウンスするようなリズムとか。あれってやっぱり自然の中の物理法則にそっているから心地いいんだとおもうんですよね。だから昔のシーケンサーとかコンピューターとかはまっすぐなリズムしか打てなかったんですが、今はちょっとずらしたりできるんで。
人のハートをつかむ周波数があって低温域には。

音楽で今度どういったことをしていきたいですか?
みんなに楽しんでほしい心地いい状況になってほしい。楽しい気分になって踊るっていうのは恐怖はないときだと思うんです。子供はよく踊るじゃないですか。あれは恐怖がない純粋にあるものを楽しんでいる。でも大人になればなるほど考えちゃうじゃないですか、あるがままを感じ取れないというか、考えてこれちょっとはずかしいんじゃないかな、かっこわるいんじゃないかなとか思っちゃって止まっちゃう。それって恐怖なんじゃないかなとおもうんです。そういう恐怖がない状態が人間を健康にすると自分は思ってまして、メンタルからの健康。純粋に踊ってほしいです。みんなで踊りましょう。

 


DJ Kazu Kimuraさん

日本国内テクノシーン聡明期から活動を続けるパイオニア的存在。
87年後半から東京を拠点に DJ活動を始める。
90年代半ばから日本を離れ拠点をオーストラリアに移し,各地でのテクノイベントやクラブでプレイ。その後、ドイツ をメインにオランダ、スペイン、チェコ等での活動も活発化。
2002年にはChris Liebing のCL Recordsからリリースしドイツでのデビュー,ヨーロッパで行われる最大規模のテクノイベントの1つタイムワープフェスティバルへの出演も果たす。
現在はスペイン在住。

今日のイベントの感想を聞かせてください。

こうゆうところでできたことが最高でしょう。いつもはクラブとかでしかやらないからこうゆうスペシャルなところでできたのは光栄ですね。前回オーストラリアに来たのは5月。でも友達のプライベートなパーティでクラブとかではできなかったんで。
久々に帰ってきて、友達も来てくれてよかったですね。メルボルンはテクノのキャピタルでしょう。

長年テクノDJとして世界で活躍されて来ていつもプレイするときに大事にされていることは何ですか?

今年でDJを始めてからちょうど25年目なんですけど常にベストなパフォーマンスを心がけています、いろいろな国でクラブとかイベント等でプレイするんですけどクラブやイベントでのサウンドや設備の良し悪しクラウドの入りやイベントの良し悪しに関係なくクラウドと一緒に自分自身も楽しむことですね、他にはここ3−4年リリースされる曲のサイクルがかなり速いのでプレイ時のトラック選曲は大体ニューリリースの曲を使いますね。

音楽を通して人に伝えたいことなどありますか?

プレイする国の言葉が話せなくてコミュニケーションが取れなくても音楽から全体が1つになることってあると思います、僕が廻している時トラックやミックスからその時その瞬間に僕自身が感じているグルーブやエキサイテイング感を伝えたいですね。自分自身これは一種のテレパシーだと思ってます....笑

将来の夢などはありますか?

夢と言うより是非挑戦してみたいことは映画音楽。特にサイエンスフィクションのプロデュースに興味があります。

メルボルンのファンの人たちやまだテクノミュージックに親しみのない方などにメッセージを。

まずは今回のサウンドラウンジに参加してくれた皆さんに感謝したいと思います、メルボルンは僕の10年間のオーストラリアでのDJライフで最も重要な街だったんですが、こうしてまた戻ってこれたことと今回このアートセンターでのとてもスペシャルなイベントに参加できたことは大切な思い出になりますね、25年間テクノを廻して来て感じることがあるんですけど、テクノはいろいろな新しい音楽機材の発売やコンピューターとミュージックプログラムの進化に乗じてに常に変化しているからとてもクリエイティブ&アートなサウンドだと思うんですよ、テクノを知らない人や知っていてもを ”大音量” で体験したことのない人はクラブに行ってみたりイベントなどに参加して ”体で感じて” ください、僕がまたいつか戻ってきた時には一緒に楽しめればいいですね。

 

 

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