インタビューinterview

グルメgourmet

黄桜株式会社 代表取締役 松本 真治社長 インタビュー

伝統と挑戦、京都から世界へ。

「河童のマークの黄桜」として親しまれているお酒の数々を生み出す黄桜株式会社。代表取締役社長・松本氏にお会いする機会をいただきました。多くの視察をこなされるタイトなスケジュールの中、こだわりある黄桜のこと、社長ご自身のことを語っていただきました。
 

【プロフィール】


松本 真治社長 Mr Shinji Matsumoto
黄桜株式会社3代目社長。

【黄桜株式会社】
1925年(大正14年)に京都伏見にて現・松本酒造から分家、創業。社名は当初の社長が、黄桜の花(淡黄緑色の花)を好んだことが由来。河童のマークで親しまれ、「河童の歌」を数十年にわたりCMなどに使用。2006年に社名を現在の「黄桜株式会社」へ変更。現在のコーポレート・スローガンは「くつろぎ、うるおい、かがやく。」


黄桜 本社


--あらためてオーストラリアのお客様へ向けて、黄桜様の企業紹介や理念、こだわりを教えて頂けますでしょうか?

 京都の伏見、古きにわたっての酒処で産声をあげました。

 創業1791年の松本酒造から1925年(大正14年)に分家独立した形で創業85年。酒蔵としては比較的若いですが、伝統を大事にしながらも時代のニーズなどを考え、チャレンジし続けることが「黄桜」および私の大きな理念です。

 
(写真左)黄桜 本店蔵
(写真右)
京都・伏見にある黄桜直営レストラン"カッパカントリー"。限定のお酒・懐石が楽しめるほか黄桜の歴史を展示する黄桜記念館も併設している。

 

--オーストラリアでの営業や活動を始めるきっかけや背景、また実際の販売活動を教えてください。

 およそ4年前からDAIWA FOODさんとオーストラリア・マーケットの取り組みを開始し、ゆっくりとではありますが着実に拡大している手応えを感じています。アメリカやアジアでは、人々に日本酒がゆるぎない位置まで浸透しているため、オーストラリアでも近い将来、さらに愛されてゆくことを信じてビジネス展開を続けていきたいですね。
 

--オーストラリア・マーケットでの手応えや苦労されている点などは?

 やはりまだまだ日本酒というものに馴染のない人、呑んだことのない人も多いため、私たちのこのマーケットにおけるスタート地点は、いかに日本酒に興味を持って頂くかというエデュケーション要素の強い普及活動だと考えています。

 日本酒に先入観が無いことは、素直に日本酒の知識や魅力に反応してくれる、という面もありますからね。

 更にオーストラリアでの健康志向の高まりなどそういった背景も考慮し、オーストラリアでは日本酒というものの存在感を高め、その中でも黄桜のYAMAHAIがどう特別なのか消費者の方々としっかりコミュニケーションをとりながら進めていけたらと思います。


--現在の日本酒の世界的なステイタス、そして今後の展望や目標などは?

 アメリカ、アジアでの成功例を軸に、オーストラリアや世界に進出したいですね。オーストラリアの販売活動としては「山廃仕込み」を軸に、その他の商品も販売拡大ができればと考えています。

 

--酒豪大国のひとつと言っても良いオーストラリアの印象は?

 私は今回が初めてのオーストラリア(メルボルン)訪問になるのですが非常に緑豊かな美しい街という印象を受けます。余談ですが、まさか今の時期、こちらに来てから花粉症になるとは思いもしなかったですが(笑)。今回、幾つか現地のレストランやリカーショップを積極的に視察させてもらっていますので、今後の展開に繋がれば、と考えます。


--日本酒の魅力とは?

 日本酒には「うま味(アミノ酸)」が含まれています。よって合わせる料理の味をさらに引き立てる効果があります。

 また日本酒が健康に良いことは科学的にも証明されており、「一日一合」の日本酒は肌の健康にも良く、また肝臓を強くする働きがあります。またガンのリスクが減少するという結果も出ています。一概に「お酒は体に悪い」というイメージもありますが、それは〝飲みすぎる”ことが不健康につながるのであり、日本酒を適量毎日飲むことによって健康を得られる効果があります。

 さらに、日本酒の味には『甘・酸・辛・苦・渋(かん・さん・しん・く・じゅう)』という5種の味があると言われています。『酸』は酸味のことです。この5種の味のバランスが良いほど味が良く、それを追求したのが「山廃仕込み」です。

 
(写真左)300ml (写真右)720ml

 

--今、力を注いでおられる自社ブランドは?その理由は?

 やはり、「黄桜 山廃仕込み」ですね。この商品には絶対の自信があります。


 というのは、通常「山廃仕込み」と同等価格で販売されている他の日本酒は、約5~6週間で作られていますが、わが社の「山廃仕込み」は8週間も手間暇をかけて造っています。〝味″はもちろんのこと、価格ではなく、最高級の日本酒を消費者の方々に味わっていただきたいからです。

 さらに、「山廃仕込み」を造っている黄桜の三栖蔵は年1回開催される『全国新酒鑑評会(※)』にて8年連続金賞を受賞しています。この実績は全国新酒鑑評会の歴史上3番目に多くの金賞を獲得していることになります。このことはひとえにわが社の杜氏・高倉(敏夫氏)の全霊を注いで酒造りする姿勢が導いた結果であると同時に、私たちの誇りでもあります。

 「山廃仕込み」はあっさり系、こってり系などどんなジャンルの料理にもマッチします。日本料理はもちろんのこと、中華料理、洋食にも合います。たとえば、ハンバーガーやフライド・チキン、ビーフとの組み合わせなどもおすすめです。「山廃仕込み」と一緒に食べることで、料理とお酒の互いの味わいが共鳴し合い、さらに旨さを高めることに気づいていただけるでしょう。


※全国新酒鑑評会
1911年(明治44年)に始まり、現在も続いている日本酒の新酒の全国規模の品評会である。各酒蔵から1種のみ提出される。審査は唎き酒を行ない、香味の調和など品質内容について、規定項目を人間の五感をもって審査するほか、酸度や香気成分についての科学分析も行われる。(Wikipediaより)


--社長の座右の銘、またはこだわりを教えてください。

 座右の銘は特にはありませんが、ふとしたときに思い出す言葉があります。

【士、三日逢わざれば刮目(かつもく)して待つべし】

 これは、中国の古人の逸話からきているのですが、志のある人は常に向上心を持って研鑽しているので、しばらく会わなければ、よく目を見開くかの様に注意して会うべきであるという意味があります。志高く持ち、3日後に会った時には一皮むけて別人のように向上しているほどに勝負して生きなさいという意味ですね。この言葉を中学3年生のときに聞いたのですが、今でも時々思い出します。


--最後に、今の若者へのメッセージをお願いします。

 日本人の留学生が減少傾向にある現代において、それでも尚言葉も文化も異なる海外での生活を選択した皆さん。皆さんの目的意識とそれを実現しようとする行動力、つまり‘気概’は他の誰にも負けないと思います。自信を持ち前に進んでください。私はそんな皆さんを応援しています。

 



黄桜株式会社
URL: http://www.kizakura.co.jp/ja/

「山廃仕込み」のご購入はこちら

Sake Japan.com.au
URL: http://www.sakejapan.com.au


 「絶対の自信がある」という言葉には、その自信が満ち溢れた言葉として、とても強く心に重く響きました。社長の言葉からは黄桜のお酒に対する大いなるこだわりがひしひしと伝わってきます。

 「山廃仕込み」は現在、Sakejapan.com.auで購入できるほか、メルボルンを始めお近くのリカーショップでの取り扱い店舗を拡大中。是非「黄桜のこだわり」を味わってください。

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‘吞’商标转让364233116@qq.com   (2010-11-12)
尊敬的阁下:我是来自中国苏州的中国公民,本人于2006年申请注册中国第33类‘吞’字商标,经过长达4年的等待以及驳回复审程序现已获得复审通过,但因时间问题现在已没有足够的资金自己经营。日前通过国家商标局获悉贵社亦于2010年1月申请‘吞’字商标但因近似原因于8月24日被裁定驳回,如果贵社有意注册成功‘吞’字商标,本人愿意把自己的商标低价转让于贵社,使贵社可以通过申请复审或重新申请顺利获得注册,相关事宜敬请从速联系!【声明:本人不懂日文,敬请以中文回复,谢谢!】因不能确定贵社邮箱地址,如果阁下不是黄桜株式会社,敬请告知准确的邮箱地址或者帮助转达,十分感谢!

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