インタビューinterview

グルメgourmet

美味しいからこそ、アートが活きる!

日本人バリスタ下山修正さんインタビュー

2012年11月13日掲載

Brighton Beachの近くにあるカフェOlie & Ariで働く日本人バリスタ、下山修正さんにインタビューさせていただきました。

 

【プロフィール】

下山修正(32歳)

日本の大手コーヒーチェーン「ドトールコーヒー」で9年間働き、店長、エリアマネージャー、銀座の旗艦店の店長を経験。現在は休職してBrighton BeachにあるOlie & Ariでバリスタとして活躍中!

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★ 大 会 経 歴 ★

2010年7月
Coffee Fest Latte Art Championship @Sandiego 16位
2011年9月
Coffee Fest Latte Art Championship @Seattle 16位
2011年9月
Cafe One Latte One Championship @Japan 優勝
2012年2月
UCC Latte Art Exhibition 出場
2012年4月
Blenz Coffee Latte Art Championship @Japan 4位/210名
(日本最大規模の大会)
2012年9月
Coffee Fest Latte Art Championship @Seattle 準優勝
2012年10月
International Latte Art Competition @Vancouver 優勝

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ーメルボルンに来る前は何をしていましたか?

ドトールコーヒーに新卒で入社して9年間勤めました。
最初の3年間は店長で、4年間は7、8店舗を管理するエリアマネージャーを経験しました。

その後、銀座の旗艦店でバリスタを育てる企画があり、マネージャーを続けるよりもコーヒーの抽出技術を一から勉強したいと思い応募しました。銀座の旗艦店では「お客様に対して常に最高の一杯を出す」という使命があったので、有名なバリスタのお店を回って、自分が好きな味を出せるように勉強していました。

 

ーメルボルンに来たきっかけは?

銀座の旗艦店で働いていたときにせっかく身につけた技術をかたちに残そうと思って、サンディエゴのラテアートの世界大会に出場したんです。

その時に19、20歳のマレーシアや香港の若いバリスタに出会い、彼らが既にバリスタ歴5年以上で、自分の店を持ってしっかりやっていることに驚かされました。こんな若い人たちが世界で活躍しているのであれば、自分も何かやらなくてはいけないと思い、日本に戻ってすぐにビザを申請しました。

なぜメルボルンにしたかというとカフェ文化が有名な都市で、ビザも取得しやすかったからです。

 

ーOlie & Ariに入ったきっかけは?

たまたま入ったチャペルストリートのシスコというロースターショップで、そこのオーナーのダニーに「コーヒーを一杯作ってみないか」と声を掛けられ、ラテを一杯作ったのがきっかけでした。

ダニーに気に入ってもらえたらしく、「よかったら仕事を紹介するよ」ということで、納品先のこのお店を紹介してもらいました。

そして翌日Olie & Ariのオーナーに面接をしてもらい、面接した当日から働き始めました。

 

ーコーヒーを入れる時のこだわりは?


(写真:下山さん提供)
 

ラテアートと言えばアートに注目されがちですけど、やはり味が大切だと思います。

ラテアートの大会の時に一番重要なのは味だと気づいたのですが、大会の審査基準に味は入っていないんです。
でも先日、シアトル大会に出た時に気付いたんです。僕は大会で自分のベスト作品ではなかったにも関わらず、提供したラテで2位になったんです。エスプレッソも少し弱く、ミルクの量もすくない不完全な作品でした。その時は、勝ててなくて良かったと思ったのですが、代わりに味の大切さに改めて気が付いたんです。

沢山のアートを描くために大きいカップにする人がいますが、エスプレッソやミルクの量を増やさなければいけないので提供するのに時間がかかってしまいます。僕は6〜7オンス(180~200cc)の普段良く使われるカップを使用しています。小さいカップのほうが注ぐのは難しいですが、ミルクとエスプレッソのコントラストが出るので味わいやすく、お客様にいち早く提供できるから僕は好きです。

僕はシンプルで流れるようなデザインが特に好きなので、最近のラテアートでは描くのではなく流すことを意識して作っていますね。

 

★ラテアートの大会の審査基準★

・スピード

・コントラスト

・カラーインフュージョン(色の層)

・クリエイティブ&ディフィカルティ

・オーセンティックビューティ(芸術的な美しさ)

 

 

 

 

ー将来の夢は?

世界中のバリスタに私が作ったコーヒー器具を使ってもらい、世界中のお客様に最高の一杯を届けることが僕の夢です!

まずは来年3月のニューヨークで行われる世界大会で自分のベストの作品を出したいと思います!
そして自分の会社、お店を持つことが目標です。自分の身に付けた技術をかたちとして残したいので、自分でコーヒーの器具を作り、その器具で最高の1杯を淹れたいと考えています。

バリスタにとって難しいことは、毎回コーヒーの粉やミルクを同じ量入れ、動作も一定にし、ミスがないようにコーヒーを作ることなので、できるだけミスが減り、安定したクオリティを提供できる器具を作りたいです。そして、世界中のバリスタにこの器具を使ってもらい、世界中のお客様に最高の一杯を届けることが僕の夢です!

 

ー最後に動画で芸術的なラテアートをお楽しみください!

 

 

※下山さんが行うバリスタスクールもあるそうです!
内容は、コーヒーショップで働けるレベルのバリスタ技術が学べるものだそうです。

随時スクールは行なっていますので、興味のある方はこちらまで問い合わせ下さい。

聞き手・文:Iwao
写真・動画:maruyo

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