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日本語医療センター 千綿 真美さん インタビュー

気になるオーストラリア医療はどんな感じ…?

2009年3月10日掲載

【プロフィール】
千綿真美 Mami Chiwata
約10年間、看護師として日本で勤務した後に渡豪。”日本語医療センター・メルボルン”での勤務を経て、現在は拠点をパースに移し、パース、メルボルンの日本語医療センターの総合経営マネジメントを担っている。



日本語医療センター・メルボルンは、オーストラリアの一般開業医(GP)のクリニックに日本人通訳が常駐しており、日本人の患者のケアを行っている。月曜から金曜まで午前8時から午後5時までオープン。基本的には予約制だが、緊急の場合は予約なしでも診察を受けることは可能。オーストラリア人のドクターだが、希望すれば医療用語のトレーニングを受けた信頼できる日本語通訳と一緒に診察を受けることができ、言葉の心配は全くない。入院や手術等が必要だと判断された場合も、その予約から通訳派遣、保険の手続きなど全て手配してくれる。海外旅行傷害保険のキャッシュレスサービスも取り扱っている。(保険には適用外ケースもあるので要確認)
 

--メルボルンのシティの真ん中に位置しており、とても便利な”日本語医療センター”ですが、元々メルボルンに立ち上げようとしたキッカケは?

当時、うちのようなサービスを提供している老舗のクリニックは、ゴールド・コースト、シドニー、ブリスベンだけで、でもやっぱりメルボルンも大きな街ですし、『メルボルンにもオープンしたらどうだ』という医療センターネットワーク提携の申し出があったのがキッカケですね。

 

--もう何年になるのですか?

もう10年ですね。先生方とのおつき合いも長くなりました。

 

--日本の患者さんには随分と浸透されてますよね。

そうですね。やはりシティの中心で立地条件が良く分かりやすいというのもあるし、設備もキレイですし、ドクターたちも日本人患者さんの事を良く理解してくれてるからですね。

 

--他のクリニックと違う点はどこですか?

当クリニックは現在ドクターが9人居まして、その全てのドクターがどんな症状にも対応できます。そのうち約半分の4人が女性ドクターです。毎日1~2名の女性ドクターが勤務しており診察を受けることが可能ですから、特に女性患者さんには安心です。あとは、クリニック内にレントゲン設備、スポーツメディシンセンターという分野も完備されており、スポーツ医学専門のドクターが数名います。それに伴ってフィジオセラピーとスポーツマッサージを受けることができます。
一般医(GP)のクリニックの中でも設備がかなり整っている事が一番強いのではないでしょうか。

 

--ワーホリや学生の人は、いくらかかるか心配なのでなかなか病院に行けないといった内容の悩みを抱えているようですが…。

オーストラリアでGPの基本診察でかかる診察料というのは、だいたい$60から$70くらいです。それは約10~15分程度のスタンダードな診察ですから、もちろん診察が長くなればもう少し高くなりますし、検査や処置をすればさらに加算されます。検査も内容によりますが、例えば足首を捻挫して骨折してないかどうか確かめる為にレントゲンを撮る場合、だいたい$100前後、健康診断の際に行うような胸のレントゲンでだいたい$90です。夜間に病院の救急外来にかかった場合、公立か私立病院か、処置の内容などの状況によって変わってくるのですが、基本の救急診察料は$200~300ですね。

 

--話は変わりますが、このシーズンに健康維持の為に心掛けたほうが良い事はありますか?

今頃に一番良く来られる症状は”虫さされ”ですね。例えばただの蚊に刺されても日本とは反応が違ってヒドくなったりするんですよ。日本で刺されていた蚊の種類に関しては既に免疫が出来ているのでそれほど腫れ上がったりする事はないのですが、オーストラリアにはまた別の何十種類という蚊がいますので、免疫のない種類の蚊に刺されてしまうと皮膚が過剰反応してしまって大変な事になる患者さんは珍しくありません。
それは蚊だけではなくて、ベッドバグにダニ、のみだとか本当に様々な虫がいますので…。夏は肌をさらけ出す機会が多くなりますし、外に出る機会も多くなるし、旅行に行く機会も多くなるしという事で、被害も増える時季ですからね。夕方に外に出る際は、虫除けは必ず塗ってください。特に女性は、虫さされの痕が残らないかと心配される方が多いですので、刺される前に予防をしておいたほうがいいと思います。
あとは、あまり肌を露出しないように心掛ける事ですかね…。
そして次に多いのは”日焼け”ですね。メルボルンは曇ってそうで意外に日焼け被害が多いんですよ。曇ってる時は日焼けしないって思ってる方が多いようですが、曇ってても紫外線はとても強いんですよ、特にオーストラリアはオゾンホールの真下ですから、紫外線を甘く見てはいけません。曇ってても必ず日焼け止めを塗ってください。日焼け止めも1回塗ればいいと思ってる方も多いですが、例え水に入らず外に出るだけでも、3~4時間おきに塗り直さないと効果が落ちます。それから、皆さん顔はバッチリ日焼け予防をしてるのですが、忘れがちな肩の裏側、ふくらはぎ等、身体の裏側も塗ってください。いつも裏側を忘れて、そこだけ焼けてしまった・・・という事がよくありますので。

 

--あと、水分摂取も大事ですよね…。

そうです。特に夏場、頭が痛いとか目眩がするとかいう症状を感じる時は脱水が原因であることが多いです。このような症状を感じたら水分をたくさん補給してみてください。それで軽快することもあります。またそうならない為に、夏場は普段以上に積極的に水分を摂取してくださいね。暑さだけでなく、オーストラリアは日本よりも空気が乾燥してますからね。

 

--だいたいどれくらい飲んだらいいとかはありますか?

そうですね、1日1.5リットル以上の水分補給が薦められています。時々勘違いされているのは、水道からの真水を飲む事に抵抗があり、緑茶を湧かして、それを冷やして飲んでいるという方がいらっしゃるのですが、緑茶にはカフェインが入っているので、体内に取り込まれる水分の量っていうのは約半分になってしまうんですね。ですから自分では1リットル飲んだつもりでも、緑茶の場合は500ccしか身体に入ってないという事になります。カフェインの入ったお茶は意味がないので、カフェインの入ってないお茶を選んでください。ノンカフェインのお茶または水、そしてそれよりもさらに良いのがゲータレードやポカリスウェットのような電解質を含む飲料水です。
このシーズンは”虫さされ”と”日焼け”そして”水分摂取”に充分に気を付けてくださいね!




  日本語医療センター
電話番号/1800 777 313(フリーダイヤル)、03 9639 0050
住所/Level 4  250 Collins.st  Melbourne 3000
診療・予約受付時間/月ー金 8:00-17:00

 

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