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版画アーティストDamon & Kyokoインタビュー

'版画'を通じた日豪文化交流の実現

2011年6月11日掲載 

 

 

日本人版画アーティスト Kyoko Imazuさんとオーストラリア人版画アーティストDamon Kowarskyさんの夢のコラボレーションが実現!

念願の展示会開催を前にお二人の心境を伺った。

 

 

インタビュアー:河内雄大(Yudai Kohchi)

 

 

【Profile】
About Kyoko Imazu

日本で生まれ育ち2002年オーストラリアに移る。RMITで Bachelor of Fine Art in Printmaking、Diploma of Visual Arts、Certificate in Foundation Studies Art in Design and Communicationを所得。 

Bus Projects、Port Jackson Press、 McClelland Gallery & Sculpture Park、京都市美術館、国立新美術館を含むアジア太平洋各地で作品を展示。

彼女の作品はRMIT、Sydney College of Artsや the National Gallery of Australiaにも展示されている。詳しくはwww.kyokoimazu.com

 

 

【Profile】
About Damon Kowarsky

Victoria College of the Arts (VCA)、Glasgow School of Art、 RMITのAdvanced
Figure Drawingで学ぶ。

Bachelor of Fine Art, Honours in Printmakingを取得。

2000年に卒業後、国内外で作品を展示。科学や考古学の分野でのイラストレーターや法廷画家としても活躍。

北アフリカ、西アジア、中東を渡り歩く中で出会った空や大地の色やイエメン、ジブチ、エチオピアの建築様式は彼の作品に大きな影響を与えた。

数々の賞を受け、ラホールやカラチでデッサンや版画を教えた経験も持つ。 詳しくは www.damon.tk


 

 

-版画の魅力とは?

実際は色んなことをやってきましたね。スケッチも彫刻、写真も。
全て非常に興味深かったのですが、版画という手法が何よりもちょうどいいバランスを保っていたんですよね。
アーティスティックだし一方で合理的だし。
確実なステップを踏まないと完成に至らないという点もおもしろいですよね。

 


-表現に影響を与える物事はありますか?

Damon:生活の周辺にある全てですよね。旅先で見た物事、鑑賞した映画、落書きなんかもそうですよ。
この作品なんかは3週間前に見たSt.Kildaでみかけたヘリコプターからアイデアを受けて作成しました。
あとイメージを膨らませるためにメルボルンミュージアムへも2人でよく足を運びますね。

 

Kyoko:私は日本の江戸時代の妖怪画集等を特によく読みますね(笑)。

 


-9月に日本へ行きます。

Damon:私は世界中を渡り歩いていますが日本に行くのは今回が初めてなんです。ですので非常に楽しみにしています。
Aesopというコスメティック会社のプロジェクトのために来日するのですが、版画の制作段階で生じる試し刷りした何千という枚数の紙をお店の壁全面に貼りつける予定です。
これと似た取り組みは既にFlinders LaneにあるAesopの店舗で実施していますので、興味があれば是非足を運んでいただけたらと思います。

その他では日本では3週間ほどの滞在で、2012年、2013年での展示会実現に向け多くの人と話をしてくるつもりです。今回の滞在のための活動では無く、先に繋がる活動ができたらと考えています。

 


-Aesopプロジェクトを手掛けるようになったきっかけは?

Damon:以前私がお世話になっていたスタジオがリノベーションをするということでその際に建物の壁に5000枚の版画を約20mに渡って貼りつけさせてもらったんですよ。そしたらその作業中に一人の男性が声を掛けてきて、「あなたの版画でうちのお店をデコレートしてくれないか?」と。
当時その方が誰だか全く知らなかったのですが、何でもおもしろそうなことには「いいよ」と言ってきましたので、その時も例にもれず「OK」と二つ返事でしたね。
そしたらその方がAesopのディレクターだったんですよ。
どこで、誰と会うかはわかりませんね。
そのご縁から2009年にはメルボルンのGertrude Streetの店舗、2010年10月にはFlinders Lane、そして2011年、今年の東京となるわけです。
 

 

-初めての6月24日の展示会を前にして・・・

Kyoko:とても楽しみにしていますよ!2人で展示会を行うのは今回が初めてですからね。
当日はダイワフードさんからお酒の提供をいただいたり、アサヒビールさんからビールの提供をいただいたりと様々な方々からのご協力をいただくことになっています。

それから在メルボルン日本国総領事代理である小竹康史様から展示会のオープニングで 日本とオーストラリアの文化と芸術交流について等のお話を頂けることになっています。


Damon:ただその直前まで5月の1ヶ月間エジプトのカイロで展示会があったため、その期間を考慮しての準備は大変でしたね。
2010年末には既に着手していました。
またKyokoは他のお仕事もあるため、共同作業ができるのは週3日のみと時間の制約も厳しかったですね。

 

 

 

 

 

 


-今回の展示会のテーマはありますか?

思いつく目に見えるモノ全てですね。
建築物、動物、とか

それにたった一つのテーマに限定してしまうよりも面白いと思うんですよね。

この展示会ではもちろん多くの方々に私たちの作品を評価いただくことにありますが、一方で来場者の方々が私たちの作品を見て「おもしろいなぁ」と笑顔でいてくれると、それがまた格別に嬉しいですよね。

 


-2人で作品を手掛けること

1人ではなく2人だからこそ表現できる世界を体感してもらいたいですね。

Damon:例えばこの作品なんかもまずは私がカニの爪の画をKyokoに渡したんです。
するとその画に子猫を加えたんです。でもこのままでは画として成り立たないとして、さらに芝生やうさぎ、鳥などこの画の中に「環境」を生み出したんです。

この画もそうですね。
1人の大きな人間に7人の小さな赤ちゃんが集まっているイメージですがこれらは当初全く別のイメージだったんですよね。それらを一つに融合することで奇妙ですが作品として完成されたんです(笑)

時には自分で手掛けたにも関わらず、何かが欠如していたり、感覚で気に入らないものもあるのですがそういった場合は相手の感性(?)に委ねることでまた新たな世界が生まれるんですね。

 


-お二人にとってアートとは?

Damon:世の中には好きなこと、嫌いなことがあると思うのですが、私はその好きなことをしているだけですね。
好きな画を描き、世界中を旅し、プロジェクトを通じて様々な人と出会う。
これ以上魅力的なお仕事は思いつかないですね。

Kyoko:小さいころから画を描くことが好きで。この年になってもただ辞められなかっただけですね(笑)

 


-最後に一言お願いします。

Kyoko:2年間に及ぶ共同版画作品の展示会です。
こっちに来てから日本の本を読むようになったり、意識は特にしていないんですけど、やっぱり私は日本人で、彼はオーストラリア人なんですよね。
版画作品を通じた文化交流をお楽しみいただけると嬉しいです。


 

 

 

そんなDamonさん & Kyokoさんが共作開始後初の展示会が6月24日からFitzroyにあるPort Jackson Press Print Room にて開催。

版画アートを通じた日豪文化交流を目の当たりにしよう!

 

Damon Kowarsky & Kyoko Imazu Collaborate 

◆開催日◆ 2011年6月24日(金)~7月17日(日)

◆開催時間◆ オープニングナイト(6月24日(金)) 18:00pm - 20:00pm
          火曜日 - 金曜日: 10:00am - 5:30pm
          土曜日: 11:00am - 5:00pm
          日曜日 - 月曜日: by appointment  

◆開催場所◆ Port Jackson Press Print Room - 61 Smith Street, Fitzroy, Victoria, 3065, Australia
T: (03) 9419 8988

◆Website◆ http://www.portjacksonpress.com.au/

 

 

 

 

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コメント

以前のコメント

Ken   (2011-06-23)
That's amazing!
maiko   (2011-06-23)
GREAT!!

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