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【更新:ショー動画をUP☆】待ってました~!英語でパペット落語

女流落語家“笑福亭笑子”メルボルン到来!

2012年5月10日掲載
2012年6月27日更新

 

【笑福亭笑子さん・プロフィール】
神戸市出身。兵庫県警神戸市交通安全指導員として3年間勤務後、1年間カナダで語学留学。1998年より、シンガポールの日本語放送局にて5年間活躍。そのときに師匠、笑福亭鶴笑のパペット落語に運命的に出会う。老若男女国籍を問わない芸に感動、ロンドンに移住する師匠より1日先回りをし渡英。やる気をかわれ、2004年3月、弟子としてみとめられる。5年間のロンドン滞在中は、ストリートやコメディークラブでも活動し芸を磨くことに専念。家族はオーストラリア人の夫と5歳の息子。2011年末よりメルボルン在住。上方落語協会会員 吉本興業所属
http://www.show-ko.com/profile.htmlより

 

 

―英語で落語を!?興味深いですねえ
シンガポールで師匠(笑福亭鶴笑さん)の生の舞台を初めて見た時、「これだーっ」とすごくワクワクしたんです。人形を使って英語で笑わせて、奇想天外でお腹の底から笑い転げてしまって。誰にも相談せずに弟子になるぞと意気込んで、ロンドンにまでついて行きました。日本の古典落語もほぼそのまま英語に変えても十分におもしろいネタもありますが、もっとおもしろくなるように台本を自分なりに工夫して、動きとか表情や間などもこちらの方に受けるように少し変えてやります。

―ボーイフレンド(現:旦那さん)までもシンガポールに置きざりにして、弟子入り志願ですか
弟子入りする時って、熱にうなされたみたいに、怖い恐いものなして飛び込んでいけるんですよ。人形を使って世界中でいろんなことができたらなあといつも考えていたので、師匠のパペット落語に出会って、もう楽しくて楽しくて。私、決めたから!ってすぐにアナウンサーの仕事も整理してしまって。師匠がロンドンへ行くと聞いて、1日早く現地入りしたんです。ロンドンの空港で待ち構えていたんですよ。旅行会社の人みたいに「ロンドンへようこそ」ってプラカード持ってね。師匠も「お~っ!」と驚かれて。いやー、行ってよかったですねえ。他に考えられなかったですね。パペット落語しかなかったから。

 

―メルボルンでの反応はどうですか
よく芸術に対して見方が分かっているというか、でも評論家のような見方ではなく、温かく楽しもう!っという気が伝わってきて、よく盛り上がってくれます。でも、着物を着ていると時々勘違いされますね。ゲイシャだと(笑)。この前もおばあちゃんに「ちょうどあなたの本を読んでいたのよ。幼いころから苦労してね~」と話しかけられました。多分メモリー・オブ・ゲイシャのことだと。実際ロンドンでは、準備万端で舞台袖で控えていると、イギリス人の舞台監督に「早く顔を白塗りしないと、出番に間に合わないよ!」といわれ、こけそうになりました。


笑子さんはメルボルンに着物を50着ほど持参。なぜか黄色い着物が多いそう。専門家によると、黄色は発見、発明、新しさを象徴するとか

 

―アイデアはどんな時に思いつくのですか
昔からジョギングが大好きで、週に3回は家の周りを走っています。メルボルンは自然も多いし自宅から海までも近いので。ジョギング中や大好きなアンティークショップやOPショップめぐりの時にふと思い浮かびますね。

 

―うわー、たくさんの人形がありますねえ
オバマ大統領にマイケル君、ひとつ目に忍者ケンちゃんなどなど。2ドルショップ役立っていますね。昔から人形作るのが好きで、それもいい練習だったなあ。

 

―腹話術って難しそうですねえ
腹話術はイギリスが本場なんです。 腹話術ってパ行とマ行が口を閉じながら話すのが難しいんですよ。ロンドンに発つ前に英語の腹話術の本で独学したおかげで口を動かさずに出来るようになりました。それまではちょっと動いているのをうまく隠していました(笑)。

シンガポールからロンドンに発つまでは、家で夫と腹話術で話していたんですよ。腹話術の本場でいきなりステージへ立つわけですから練習台になってもらって。最後は『お願いだから普通にしゃべって』って言われました(笑)。でもそのおかげか、短期で口を動かさない技を習得したんです。

 

―5月20日のジャパンフェスティバル、6月の公演と続きますね
もっと面白くできないかとすっごく考えて、メルボルンだけの特別なネタがあるんです。実は ピーーー これは秘密にしておきますね(笑)。後は新しい挑戦として、ミュージカル風に作詞作曲もしてみました。歌もオリジナルで笑いがとれたらいいなと。自分の曲を入れることによって、もっとショーが楽しくなって、メルボルン特別版になればと思っているんです。笑福亭鶴笑一門のポリシーでもあるファミリー向けの温かい笑いを届けたいので、お子さん連れも大歓迎です。

―いやー、楽しみですねえ。
日本を離れるほど、日本が恋しくなってしまって。私はこうやって笑いで日本を紹介していくのが自分の役目だと思っているので、ここでは英語で落語をやって、オーストラリアの人をドーヤ!!って笑わせたいですね。

 

笑子さん、ありがとうございました!

 

聞き手・文: 久里類、写真: sHue:)

 

6/27更新: ☆大盛況に終わった6/14~17 パペット落語ショーの模様を公開!☆


 

 

~Japanese Puppet Rakugo~

落語にパペットを取り入れたパペット落語で、年齢国籍問わず楽しめます!今回のパペット落語のネタは、古典落語「化物使い」をアレンジ。音楽をふんだんに使った玉すだれなど、
伝統芸能に新しいひねりを入れた温かい日本のお笑いを英語で。

日時: 6月14~16日(7pm~8pm)、17日(6pm~7pm)
場所: The Butterfly Club, 204 Bank Street, South Melbourne
料金: 一般23ドル、コンセッション20ドル
予約先ウェブサイト: thebutterflyclub.com

笑福亭笑子オフィシャルサイト: www.show-ko.com

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