interview
日本人ソサエティ

愛知サムライ隊 クリス・グレン

名古屋で活躍するオーストラリア出身ラジオDJ、日本の歴史を伝える

ビクトリア州-愛知県友好30周年記念イベントが、2010年7月18日(日)から7月20日(火)まで開催された。
愛知県からやって来たサムライ軍団の中に、一際目立った長身のサムライがいた。
何と彼は、日本在住18年以上のオーストラリア人、クリス・グレン氏。今回のイベントの企画者でもあるクリス氏にお話を伺った。


 

【プロフィール】
クリス・グレン氏 Chris Glenn 

オーストラリア、アデレード市出身。愛知県名古屋市在住。1985年に交換留学生として初来日。
オーストラリアで6年ラジオDJとして勤務してから、1992年に再来日。
東京でラジオDJの活動をスタートし、1993年より名古屋在住。現在 「RADIO-i ACROSS THE MUSIC」と「RADIO-i CHRIS CROSS SUNDAY」を担当。
日本の歴史・文化が大好きで、特に「サムライ」「甲冑」には造詣が深い。甲冑師である小川 伸夫氏に師事し、自ら甲冑を制作。「MY甲冑」でイベントやテレビに出演し、日本の歴史・文化の普及につとめる。

 

--今回のイベント「ビクトリア州ー愛知県友好30周年記念イベント」以外にも、オーストラリアと日本を繋ぐイベントに携わられたと伺いました。

2005年、愛知県とオーストラリア・ビクトリア州の友好都市提携25周年、名古屋市とオーストラリア・シドニー市の姉妹都市提携25周年を記念して、自ら企画したプロジェクト「日豪フレンドシップフライト2005」を実施しました。
オーストラリアのメルボルンから名古屋までの12000km を、小型ヘリコプターでフライトするというプロジェクトを成功させることが出来ました。

ヘリコプターの企画を気に入ってくれたオーストラリア大使から、直接連絡があって。
2006年の日豪交流年のイベントとして、新しいイベントの企画立案を依頼されました。
そこで「サムライ・フェスティバル2006」を企画したんです。メルボルン市内の学校を訪問して、甲冑・サムライ・武道についての紹介をしたりしました。
今回の30周年記念イベントも、2006年の侍イベントの延長といった感じです。

 

--現在、名古屋でラジオDJとしてご活躍されていますが、日本に最初に来たきっかけを教えて下さい。

1993年から名古屋に住んでいて、もう17年になります。
元々、日本の戦国時代の侍文化や歴史が好きでした。
1985年、16歳の時にロータリーの交換留学制度を使って、日本の札幌に行ったのが最初の来日です。
ホームステイ先のお父さんの知人が名古屋に住んでいて、写真などを見せてもらったのですが、お城が沢山あるのを目にして、名古屋に憧れを抱きました。
交換留学が終わってオーストラリアに戻ったときは、逆ホームシックにかかりました。絶対にまた日本に戻ろうと決めたんです。
 

--ラジオDJになられた経緯をお教え下さい。

 

8歳の時の夢が、ラジオDJかパイロットでした。高校を卒業してから、ラジオDJになるために放送専門学校に行きました。
専門学校を卒業してから、ラッキーなことに仕事も決まって、ラジオDJとしてのキャリアがスタートしました。
順調にオーストラリアでのキャリアを積んでいましたが、日本でもチャレンジしようと決意し、1992年日本に渡りました。
まずは東京に住んで、東京の有線ラジオ「KTYO」で1年働きました。
1993年より、名古屋のZIP-FMでDJを務めた後、2004年4月からは、名古屋のRADIO-i(愛知国際放送)へと活動の場を移し、「RADIO-i ACROSS THE MUSIC」と「RADIO-i CHRIS CROSS SUNDAY」を担当しています。70年代から現代までの、幅広いジャンルの音楽をかけています。


--甲冑研究保存会に参加されるようになったきっかけは何ですか?

 

名古屋に引っ越して2ヵ月後、東山動物園に遊びに行きました。そこで、鎧を着てチラシを配っている男性に出会いました。
それが、甲冑隊で僕の師匠である小川先生。
彼の工房で、鎧を着て一緒に写真を撮るというワークショップの宣伝をしてたんですね。
それで、僕も小川先生の工房に遊びに行きました。やはり元々日本の侍文化や歴史が凄く好きだったので、彼の工房で作りかけの甲冑を見て興奮していたら、一緒に作りませんかと誘って頂いて。
それがきっかけで、小川先生とはずっと仲良くさせて頂いているんですが、かれこれ17年になります。

--甲冑製作にはどのくらいかかりましたか?

1年半です。今着てるのはアルミで出来ていて5,6kgの物ですが、私が持ってる他の本格的な甲冑は、昔と同じ製法で鉄板で出来ているので、20kgもします。

小さな鎖が繋がって縫い付けられているのですが、手縫いで1つ1つ縫い付けるので、手間がかかり大変でした。
ラジオ番組中にも、トークの合い間に音楽をかけてる時間を利用して、必死で1つ1つ縫いつけたりして。。

銅部分ですが、昔は馬の革を使っていましたが、今だとなかなか手に入らないので、牛の革を用いてます。
それ以外は、全て昔と同じ製法で作った本物の鎧。

あと、僕のサイズは昔だったらあり得ないですね。だって、188cmの侍はなかなかいないですから。

子どもの頃から、自分の鎧を持つのが夢でした。
例えば、ヨーロッパ人のお金持ちの家に行くと、西洋の騎士の鎧が飾ってあるし、日本の武士の子孫の方のお家に行くと、侍の鎧や刀が飾ってあって。

因みに僕は、今4着持ってます。

 

--日本甲冑研究保存会は、どんな活動をされているのですか?

社団法人 日本甲冑武具研究保存会は全国にあって、本部は東京にあります。
私達、名古屋支部は、自分達の鎧を着てイベントに参加するなど、精力的に活動しています。
今回メルボルンでやったような出陣式を披露したり、合戦イベントなどに参加します。
2000年に関が原の戦い400周年記念として、合戦の再現をしたのですが、日本各地から850人の人が集まって、鎧を着て参加しました。
名古屋の甲冑隊からは4人参加で、イミテーションではなく本物の甲冑を着てたのは、私達4人ぐらいだったと聞いてます。

 

--甲冑以外に興味がある事は何ですか。

やはりお城ですね。全国180箇所のお城や城址に行きました。
同じお城でも、1つ1つ種類が異なるので、本当に面白いです。建築様式が違ったり、お堀の形が違ったりして。お城の跡地などに行くと、「何故ここにお城を建てたんだろう」と想像力がかきたてられます。山の風景を見るために建てられたんだろうなぁ、とかここら辺に矢倉があったのかなぁ、とかね。

 

--将来の夢を教えて下さい。

もっともっと日本の歴史に詳しくなりたいです。今回、甲冑隊の先輩方に新たに教わる事ができて、嬉しかったです。
そして、今後も日本とオーストラリアの架け橋として活躍していきたいですね。
これからも、僕の国であるオーストラリアと、僕が愛する日本との関係がもっとよくなってほしいと思います。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「どーも、どーも、どーも」というキャッチフレーズで知られる、名古屋の有名ラジオDJ。
「新撰組の同好会にも入ってます」と、戦国歴史マニアのクリス氏からは、日本の歴史や文化に対する情熱がひしひしと伝わってきた。
大好評だった、今回のビクトリア州-愛知県友好30周年記念イベント。
今後も、日本とオーストラリアの架け橋として、クリス氏の更なる活躍に期待したい。

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