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ボールペンで描くクールジャパン!

イラストレーター大友昇平インタビュー

2012年9月12日掲載

 

メルボルンで開催されている大友昇平さんの個展白痴ランド(Fool's Paradise)のオープニングナイトで、来豪中の大友さんにインタビューをさせていただきました。

 

―メルボルンで個展を開催したきっかけは?

知人の紹介でメルボルンで個展を開かないかと招待されたのがきっかけです。メルボルンには前から来たかった街なので、すぐに行く決意をしました。


―メルボルンの印象はいかがですか?

めちゃくちゃ楽しいです!アーティストがすごく多くて、みんなちゃんとしたスタジオを持っていて、制作する環境は素晴らしいなと思いました。アーティストの横のつながりも強くて、何か組んでやりたいと思うとすぐ形にできるのですごい良い環境だと思いました。また、他の海外とは違い、治安が良くて夜遅くまで飲みにいけるのがいいですね(笑)

 

―なぜボールペン1本で描こうと思ったのですか?

もともとは油絵をやっていたんですが、油絵の絵の具は高くてなかなか買えなくて。それで、いつもノートに落書きしていたボールペンで絵を描いて友達に見せたら、「面白いね!」ってことになって、そこからボールペンにはまりました。使ってみると途中で消すことができないので、鉛筆や絵の具には無い緊張感があり、すごい集中して描いています。最近はそれが段々心地よくなってきましたね。こだわりのボールペンはゼブラのラバー80です。この1本80円のボールペンで1ヶ月は保つんですよ!

 


温泉卓球芸者 (C) Shohei Otomo

―絵のテーマはどうやって決めていますか?

海外から見た日本のイメージ、芸者、侍、富士山等日本人があまり着目しない文化に着目してます。僕の中ではすごいクールでインパクトがあるんですよ。このような日本人が忘れていたり、見ていない文化を、海外の人が逆に僕に教えてくれているような感覚がありますね。

絵を描くときには、海外に向けても日本に向けてもちょっと攻撃的なニュアンスを持たせているんですよ。海外の人に向けては「どうだ日本てかっこいいだろ!」と、そして日本人に向けては「西洋の物ばかりでなく日本にもこんなにかっこいいものがあるんだぞ!」と啖呵を切るスタンスで絵を描いています。

 

―「或る日本人の肖像」(写真上)を描いた理由は?

日本で震災があり、いろいろなアーティストが作品を発表しているのをみて、僕も何かしなければいけないのかなとずっと考えていました。震災から1年が経とうというとき、これはまだ今でも続いている問題なので、作家性を出してアートにすることはまだ出来ないと思い、写実的に現状をそのまま描いてみようと思いました。

絵を描き始めるにあたり、このタイトルは最初から頭の中にありました。「震災後こんな日本人がこんなにいるようになったんだよ。」と。普通、肖像画は顔と名前があるんですけど、あえて顔を見せずに匿名性を持たせています。他の作品では自分の色を出そうとしていますが、この作品は極力そのまま写実的に描こうと思い描きました。途中休憩して中だるみしたくなかったので、震災1年後の3月11日の3日前から描き始めて、3月11日までにほぼノンストップで一気に描き上げました。


―今後はどのような活動をしていく予定ですか?

絵以外にも、映像、立体、インスタレーション、音楽にも興味あるので、今回の個展を一つ区切りにして、これからは絵だけではなくずっとやりたかったことを自由にやりたいですね。また、ガラッと環境を変えるために海外に住むことも考えています。もちろんメルボルンも候補地の一つです。

 

メルボルンで開催中の個展白痴ランド(Fool's Paradise)の情報はこちら

期間:September 5 - September 28
場所:Presented by Lesley Kehoe Galleries & Backwoods Gallery Ground Floor 101 Collins St Melbourne
時間:Mon to Fri : 11.00am – 6.00pm, Saturday : 12.00pm – 4.00pm
web:http://www.kehoe.com.au/

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