書道家 東川 潤子さん インタビュー - GO 豪 メルボルン 
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書道家 東川 潤子さん インタビュー

キリン恵みのボトルデザインを手がけた東川さんにインタビュー!

【プロフィール】
東川 潤子 Junko Azukawa

富山県出身。5歳より北陸書道院で書道を習い、専門師範の資格を取得。2005年にメルボルンへ。展覧会や書道教室の開講、デモンストレーションなどを行う。書道と墨絵を組み合わせた独創的な作品づくりで注目を集める。キリン恵みのボトル
デザインも手がけた。

インタビュアー:小原 みなみ、大喜多 良美


--書道を始めたきっかけはなんですか?

親に言われて、という典型的な始まりでしたね。姉の通っている書道教室に5歳のときから通い始めました。

 

--青柳志郎氏に師事されたのですね?

小学校から高校までは青柳先生のお弟子さんに習っていました。先生から直接指導を受けることができるようになったのはその後からです。とても気さくな方で、みんな大好きで、まるでアイドルのようです(笑)。実は海外に出て、最初の数ヶ月はしばらく書道から離れていました。書道は一人でやっても楽しくないというのに気づいてしまって。そんなとき青柳先生から日本である展覧会をおすすめしていただいたり、海外でも書道を続けられるような環境をつくっていただき、そのおかげもあってオーストラリアでもう一度スタートすることができました。青柳先生の後押しがなければ、もうしばらく書道を休んでいたかもしれません。

 

--キリン恵みのラベルをデザインしたときのエピソードを教えてください。

「恵み」という文字デザインはキリンの方ですでに用意してあったので、私はあの1本のストロークをデザインしました。かすれ、にじみなど色々と試しながら1週間で何百枚と書き、最終的に現在のデザインが選ばれました。

 

--このデザインに変わってから売り上げが数倍に伸びたそうですよ。

そうなんですか?! 自分のデザインしたものが商品になって、みなさんのもとに届いているのはとても喜ばしいことですね。先日お店でキリン恵みのコースターを見つけたときは嬉しくてつい持ち帰ってしまいました。

  

--メルボルンでの活動を教えてください。

アート、デザイン、レッスンを中心にやっています。とにかく一緒に書道をする仲間がほしいという思いから4年前に自宅の一室で書道教室を開きました。その後口コミで生徒さんも増えていき、Centre for Adult Education(CAE)からオファーもきました。
生徒さんの一人にウェブサイトを作るように勧められてそれをきっかけにこのビジネスを始めました。それが「SUMIDO」です。ウェブサイトが英語なのでオーストラリアはもちろんアメリカやヨーロッパからもお問い合わせいただいています。お客様の好きな言葉を書くほかにも、ロゴなどのデザインも受け付けています。
レッスンでは白い半紙に黒い墨で書く伝統的な書道を教えていますが、その一方で色を使ったり墨絵と組み合わせたりして伝統を超えた現代アートも2年ほど前から始めました。

 

--一作品を完成させるのにどのくらいの時間がかかりますか?

サイズにもよりますが、アイデアを練るのに一番時間がかかりますね。気持ちが沈んでいるときには全くアイデアが浮かんでこないですね。逆に元気なときは波に乗ってたくさん作ることができます。すべてポジティブな作品ばかりですね。ペイントを終えた後、裏打ち、フレームをして、着物の生地をはりつけるという作業すべて含めて最低2、3週間はかかります。

 

  

--書道用具(半紙や墨など)はどうやって手にいれているのですか?

すべて日本から送ってもらっています。シルクファイバーの入った和紙は、厚みもあって好きで使っています。墨は毎回レッスンの最初にすっています。夕方のレッスンでは仕事帰りに来る方も多いのですが、墨をすることで精神を落ち着かせることもできるようです。


--オーストラリアと日本での書道の捉えられ方に違いはありますか?

日本では割と普及していて、好き嫌い関係なく、例えば親に言われたからと書道を習っている方が多いですが、オーストラリアでは、とにかく日本が好きな方、武道家の方、アートが好きな方が多いようです。日本だと気分が乗らないときでも、レッスンに行きますよね。でもこちらの方は行きたくないときは素直にお休みします。教室内も日本のように静かではなく、おしゃべりしながら楽しく、といった感じですね。

 

--書道を書くうえで好きな言葉はありますか?

「一期一会」。もしお客様に何か言葉を選んで書いてくださいと言われたら、いつもこの言葉を選びます。字体なら‘行書’と‘かな文字’が好きです。さらさらっとリズムに乗って書くのが楽しいです。

 

--書道の魅力はなんですか?

書道をきっかけに人と人がつながることですね。私の作品を見て喜んでくれる顔というのはたまらないものがあります。私のレッスンは教えるというよりも一緒に楽しむといった感じなのですが、それをきっかけに「今日はこんなことを学んだよ」などと報告してくれるととても嬉しいですね。ひとりぼっちで書道をしても楽しくないですからね。

 

--書道家としての目標はなんですか?

白い紙に何かを生み出すというのは難しいことなのですが、常に新しいものを作っていきたいです。70歳、80歳になってもエネルギーを持って続けていくのが目標ですね。色を使用したり、自由に作品を作ってもいいんだというオーストラリアで得た発想を持ち帰って、日本でも展覧会を開いてみたいです。

 

--お気に入りのアイテムやいつも持ち歩いているものはありますか?

つい最近バッグホルダーというものを見つけました。お店などに行ったときなどにテーブルにバッグをかけることができます。女性へのプレゼントやお土産にもいいかもしれないですね。



  



 今回のインタビューはKAZARIで行われた。数々の日本や中国のアート作品が展示されているギャラリーの奥にカフェが併設されている。暖かな光が降り注ぐ日本庭園のようなカフェ・テラスもあり、友人とティータイムを楽しむのにぴったり。季節によってテーマが変わる和菓子を食べられるカフェはたくさんカフェのあるメルボルンでもここKAZARIのみ。今年からはメニューに新たに抹茶が加わるそうだ。

 

グリーンティ抹茶ラテ
抹茶の味が強すぎず、さっぱりとしているがほんのりと甘いのでとても飲みやすい。できたてをいただくのがおいしく飲むポイント。



  

練り切り
和菓子職人・影山亜衣さんの手がける練り切り。上品な甘さが日本を恋しくさせる。見た目もかわいらしく、手をつけるのがもったいないと思うほど。


◇東川 潤子 公式ホームページ Junko Azukawa Official Website
URL:http://www.junkoazukawa.com/

◇SUMIDO - Japanese Calligraphy and Painting Art, Design and school
URL:http://www.sumido.com.au/

●KAZARI collector + cafe
URL:http://www.kazari.com.au/
  

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