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ワトルの風 Part2 (第13号)

一年間を終える

学校長 美谷添久男

 

 今年度の授業も残すところ2週間ほどになりました。年度も終わりに近づいてくると、教師の想像をはるかに超え、見違えるように成長した子どもたちの姿に驚かされます。

 先日も、縄跳びをしているプレップの子が、私の目の前で軽々とあや跳びや交差跳びを披露してくれました。テニスをしていた同じプレップの子も、とても幼児の構えとは思えない仕草でボールを打っていました。昨年の4月ごろは、入学したばかりで、縄のまわし方さえ理解できなかった子たちです。テニスラケットには、ボールを当てることが精一杯だったと記憶していますが、今では見事なフォームで打てるようになりました。

 バスケットコートに眼を移せば、ドリブルやジャンプシュートなどを高い技能を駆使してゲームに興じている子の様子が目に入ってきます。また、高学年と一緒にサッカーを楽しんでいる低学年の子たちも、力強いキックでゴールを脅かすまでに成長しています。

 英語についても同様のことが言えます。日本から転入したばかりの頃の児童生徒にとって、英語の授業はいつも戸惑いと不安の連続であることは否めません。しかし、一年間の学習を終えてくると、語彙も増え、聞き取る力や話す力は日進月歩の様相を呈してきます。さらに、滞在2~3年ともなると、英文法も理解できるようになり、書く力や読み取る力が飛躍的に向上して、英語検定の結果につながっています。他にも、各種コンクールに応募して入選を果たしたり、国家資格である漢字検定2級を取得したりするなど、自分の得意なことをさらに高めている姿にも感心させられました。

 このように、子どもたちの生活や学習の姿をつぶさに見てくると、どの瞬間を切り取っても、どの場面を取り上げても、価値ある時間を過ごしてきたと感じずにいられません。言い換えれば、まったく無駄な時間はなく、すべてが心身の成長のためだけに時が刻まれている気さえします。私自身、日々このような光景に出合えることを感謝すると共に、一人ひとりの著しい成長に、「よくやったな」と心の中で思わず呟いてしまいます。繰り返し努力を重ねただけでなく、困難なことにも考えをめぐらし、工夫してきたことで新しい能力を身につけてくれたのだと思っています。

 

 一年間で驚くほど成長した児童生徒たちも、進級・卒業という季節がやってきました。

 義務教育の課程に終止符を打つG9の生徒、6年間の小学校生活を終えたG6の児童たちには、卒業という節目を契機に、自らの夢に向かって一歩、また一歩と足跡を刻み続けてくれることを心から願っています。

 また、転校により修了式が最後の登校日となる子たちには、メル校で培ってきた自信と誇りを胸に、新たな学校での活躍を期待したいと思います。

 そして進級を控えた児童生徒には、先輩たちが築いてきたメル校の伝統を引き継ぎ、さらに過ごしやすい学校づくりをめざすともに、自らも新たな目標を掲げ、苦しいことや困難なことにも乗り越えていけるような逞しさを期待したいと思います。

 最後になりましたが、平成25年度メル校の教育活動を積極的に支えていただきました保護者の皆様、ならびに学校運営理事会をはじめ、関係各位の皆様方には心からの感謝とお礼を申し上げます。

 来年度におきましても、【誠意と情熱をもって、子どもたちとともに、夢と可能性に挑戦し感動を生み出す】経営方針を踏襲し、めざす姿である『自学・自治』に向け尽力することをお誓いして、今年度の学校だより最終号とさせていただきます。

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