interview
グルメ

mame JP sweets 影山 亜衣さん インタビュー

「ゆったりとした時間を提供します」

2009年7月20日掲載

 
 

【プロフィール】
影山 亜衣  Ai Kageyama
メルボルンでは唯一の和菓子屋、マメ・ジャパニーズ・スウィーツ(mame JP sweets)を経営。特に練りきりを専門に販売。

インタビュアー:塚本 真衣、小泉 京子

 

--和菓子を始めたきっかけは?

ニュージーランドに留学した先のホストマザーがグルテン・アレルギーでケーキやクッキーなどの小麦を使った物が食べられませんでした。そこで、和菓子なら食べられるのではと思い、お芋をつぶした芋ようかんや茶巾絞りを作りました。それをホストマザーがとても喜んでくれたのがきっかけです。

 

--どこで和菓子作りを習われたのですか?

ニュージーランドから帰国してから、「日本人だし日本のモノを何か勉強しよう」と思い、月一回のお菓子のクラスへ通いましたが、先生が転勤してしまったので結局3回位しか通えませんでした。それ以後は独学で和菓子を学びました。今でもスケッチをしたり、他のお菓子を見てイメージを広げたり、自分でデザインを考えて、改善に改善を重ねています。

 

--メルボルンでの最初の活動は?

メルボルンで和菓子作りの教室を開いていました。あんこ作りのノウハウですとか、上生菓子の作り方、家庭できる簡単なお菓子の作り方のクラスをやっていました。最初の頃は定期的に開いていましたが、最近は時間がなく教室は開いていません。でも、呼んでいただければ行きますよ。例えば、誰かの家庭に5人位集まって、「うちに来てください」と言われれば材料と道具を持っていきます。 8月に小学校の日本語クラスの生徒に教えて欲しいとの依頼を受けています。小学生なので簡単に出来る、サランラップとお芋やお豆のあんこを使った茶巾絞りを作ろうかと思っています。みんなで一緒に作って食べるというのが楽しいと思うので、とても楽しみにしています。




 

--和菓子をオーダーする人はどういった方が多いですか?

基本的に日本人の方が多いですね。お茶のお稽古の際に使ってくださるお客様もいますし、日系グループのファンクションにも和菓子を出したりもしています。海外のお客様でもお茶をやっていらっしゃる方は和菓子に抵抗がなく、日本人のお客様との違いはあまり感じません。

 

--影山さんは練りきりを専門に扱っていらっしゃるそうですね。

そうですね、オーストラリアの人に食べてもらいたいと思ったので、オーストラリアの人はなかなか手を出してくれない日本人が好きなおはぎやきんつばのような、“あんこ、あんこしたもの”ではなく、見た目にもキレイな“練りきり”なら興味を持ってくれるだろうと思い、練りきりを主に作っています。 もう一つの理由は、他のものであれば他の人でも出来るからです。何も他の皆さんが出来ることを自分も頑張って競争していかなくてもよいのではと思ったので練りきりを専門に扱っています。でも、頼まれれば他の物も作りますよ。

 

--四季折々の練りきりがあると思いますが、オーストラリアで作る和菓子と日本の和菓子とでは何か違いますか?

季節が反対なので大変です。冬も長いですし、デザインが詰まってきます(笑)。冬のお菓子はちょっと地味になりがちです。日本は冬の間にお正月があったりと、華やかなお菓子が出ますが、オーストラリアではそういうイベントがないので、秋を少し引き伸ばしたりして工夫しています。今は栗、コスモスや秋の山をデザインしたお菓子を作っています。デザインは毎月変えて、それを“今月のお菓子”としてブログにアップしています。オーストラリアでも見られるさくらや椿などのお花のデザインも作りますし、オーストラリアの文化に合わせた作品も色々作ります。例えば、バレンタイン、イースター、ハローウィン、クリスマスですね。




 

--材料の調達は難しいですか?

難しくはないです。メルボルンでは特に問題なく材料を揃えることが出来ます。基本的に、和菓子は豆と砂糖でできているものなので、だからその点では自由がききます。また、元々、練りきりの材料と道具がシンプルというところも海外で和菓子作りを出来るなと思った理由でもあります。例えば、移動の必要があったとしても、自分のスキルさえあれば場所は問わないところは自分に向いているかなと思いました。

 

--影山さんの和菓子はどこで購入できますか?

インターネット(ブログ上)で注文を受けています。全て一人でやっているので、注文からお届けまで一週間いただいています。お届けする日の午前中にお菓子を作って、午後に車でお届けします。こちらのデリバリーのシステムはあまり良くないので。冷凍・冷蔵便もありませんし、天地無用も関係ないので、自分でお届けしています。あとは、プラーン(Prahran)にあるCafe Kazariに和菓子を卸していますので、足を運んでいただければ、いつでも和菓子を召し上がっていただけます。

 

 

 

--ご自身で配達されるということはお客様の反応は直を見られますよね。

きちんと届けられるし、届けたものも確認できますしね。毎月、デザインを変えているので、その都度お客さんから「これはいいねぇ」などのフィードバックを聞いて、次のデザインに活かしています。

 

--将来、お店を出したいと思っていらっしゃいますか?

お店は基本的にあまり望んではいません。お店に出すと、どうしても毎日の無駄が出てしまいますし、売れなかった分のお菓子を見るのはちょっと切ないので。今の注文制を続けていくのがいいなと思っています。自分で作って、それを届ける方が、ちゃんと計画も立てられるし、驚かされることもないので、注文制の方がいいですね。

 

--これからの夢や目標は何ですか?

これからもっと和菓子を広げて行きたいです。多くの方に知っていただき、和菓子を楽しんでいただきたいです。さらには、卸すお店を増やしたいと思っています。ただレストランでは最終的に食後のデザートとして練りきりをお出しすることになるので難しいと思いますが、日本風のカフェ・日本ひいきのお客様がいらっしゃるカフェに卸して行きたいと思っています。

 

--影山さんは海外生活が長いですが、それを楽しむ秘訣はありますか?

沢山ある情報を出来るだけ受け取って、それを使うことだと思います。私の場合は、ボランティア活動を通して色んなところに顔を出しています。多くの友達からの話を聞いたりするだけでも、メルボルンの楽しみ方は変わってくると思います。私は和菓子を作っていますが、日本人の方で、ご自分で何かを作っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃいます。色んな事をやっている方に出会って、自分のやっていることはそんなに難しくないなって思いました。みんなもやっているし、私もそこからアイディアをもらえますしね。私はいろんな人と会うのが好きですし、そこからもらえるエネルギーもあります。

 

 

 

--大切にしているものや言葉はありますか?

そうですね、「期待しすぎない」ということでしょうか。期待しすぎてしまうと、がっかりすることも少なくないので。また、無理せず、できることをやろうと心がけています。

 

--ユーザーの方へメッセージをお願いします。

お菓子を通してゆったりとした時間を提供できるなら、いつでもお手伝いさせて頂きます。

※練りきり: 白餡に求肥やつくね芋を混ぜて練った生菓子。

影山さんブログ: http://mamesweet.exblog.jp
Cafe Kazari : http://www.kazari.com.au/

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