日本人チームで24h泳ぎきろう！参加者募集中

HEART OF JAPAN代表、伊賀雅彦氏インタビュー！

2011年01月14日掲載

以前お知らせした、チャリティーイベントMS 24 Hour Mega Swim。＊紹介記事はこちら
そのMega Swimに参加する日本人チーム、HEART OF JAPANの代表である伊賀雅彦氏にお話を伺った。

「プロフィール」
伊賀雅彦 (いがまさひこ)（右） *左はオリンピックメダリストMichael Klim氏
現在、日本食レストランの老舗「花菱」にて、オーナーシェフ曽我明生氏を補佐するジェネラルマネージャー兼ソムリエ。ソムリエオーストラリア協会最初の日本人プロフェショナル会員。ギルド・オブ・ソムリエ国際会員。ヤングワインメーカー・オブ・ザ・イヤーアワード、ワインジャッジ（公式サイト）。　調理師資格。利き酒師資格。　(バックナンバー記事)　趣味；水泳、自転車、ギター、粗食、フランス語、中国語

--まず、MS 24 Hour Mega Swimというイベントについて教えて下さい。

MS(Multiple Sclerosis多発性硬化症)と言われる神経の疾患が、オーストラリアの若者の間で毎年7%もの増加を続けておりますが、この疾患の原因や確実な治療法が未だに解明されておりません。ここオーストラリアでは、特に多くの患者さんとご家族が日常生活に苦労を強いられております。

Mega Swimは、このMSと共に生きる方々や研究をサポートする為のチャリティーイベントです。１５人までのチームを作り、２４時間をリレーで泳ぎきるというイベントで、より多くの人々にMSという病気を知っていただき、そのチャレンジに賛同してくださる方々から寄付金を募るというものです。

MS Australiaという機関によって、オーストラリア各地の会場で毎年１０回以上が開催され、本会計年度は既に６０万ドル以上の寄付金集めに成功しています。参加者それぞれが友人、知人、会社の同僚などから寄付金を募るのですが、深夜の担当や遠距離を泳ぐ参加者、水泳が得意ではないにもかかわらず意を決して参加した方々の努力に打たれ、多くの人々がサポートをくださるという、素晴らしい結果を残しています。

--大変ユニークなイベントだと思いますが、そもそも伊賀さんがこのイベントに関わるようになったきっかけは何なのでしょうか？

友人からこのイベントの話を聞いたとき、私の趣味が人の力になれるなんて、なんて素晴らしい機会かと感激し、すぐにチームにジョインしました。私は、将来に野望を抱いたりするよりも、与えられた小さな能力をただ精一杯活かしながら一歩一歩今を生きれば、思いもしない新たな未来が次々と開けてくると考えてきました。ですので、地道にやってきた水泳が現在はなんと人助けに繋がっているなんて、大きな夢が叶ったようなものでした。

それ以来、主にMSを患っている方々のチームや、高齢者の多い福祉団体のチームの助っ人役として、合計４５ｋｍ近くをこのイベントの為に泳いできました。約１８ｋｍを１０時間掛けて泳ぎきった大会からは、元オリンピック選手のマイケル・クリムやサラ・ライアンと親交を深めることができ、水泳が更に楽しいものになりました。MS Australia協会とは連絡を密にし、今に至ります。

-- このイベントの魅力を教えて下さい。

オーストラリアに触れようと夢を持ち、遙々海を渡って来られた方々も多いと思います。観光や語学の習得ももちろん充実していると思いますが、是非、現地の問題にも取り組んでみませんか？本当に現地と触れ合うというのは、こういった行動かもしれませんよ。
寄付やチャリティーイベントへの考え方は、オーストラリア人に学ぶべきものが沢山あります。

--日本人チームを作って参加しようと思った経緯を教えて下さい。

参加者の惜しみない努力、清々しい笑顔、患者さんやご家族からの感謝に出会う中、いつか日本人チームでこのイベントに参加することはとても意義のあることではないかと感じ始めました。厳しい仕事や生活に追われ、時には余裕を見失ってしまうこともある日本人ですが、ここは日本人本来の温かさを呼び覚ますのにピッタリのイベントと感じました。

より多くの人に関わっていただき日本人が一丸となって、愛するオーストラリアに助けの手を伸ばす気持ちを表すことが私の夢です。これまで、現地チームの一員としてこのチャリティーに関わってきましたが、昨年、トライバーの長谷川社長方にチームにご参加いただき、日本人の心の温かさとガッツに改めて感動したのが今回の情熱の始まりです。

-- Mega Swimに参加するにはどうすればいいのでしょうか？

まずは、代表の伊賀までEmailをお願い致します。（admin@heartofjapan.org））
参加者は、参加費$35をMS Australia協会に支払います。大会Tシャツとチームキャップ、そして今までの例では、その他の協賛品や大会当日に貰えるホットドックの引換券などもこの額に含まれる予定です。

--24時間というと、ものすごい体力が必要な気がしますが、普通の人でも参加できるのでしょうか？

安心してください。大切なことは、スピードや距離を争う競技ではないということです。チームで２４時間泳ぎきることが目標で、自分なりの努力が伝えられれば良いんです。休みながらでもかまいません、挑戦することに意義があります。２４時間イベントですので、例えば午後に１５分泳ぎ、２時間の休憩の後にまた１５分泳ぎ、翌日に戻ってきてあと１５分を２回泳ぐなどという形でも問題ありません。水泳が得意ではないのに参加してくださるそのお気持ちが嬉しいんです。

予定の時間を泳ぎきれなくなりそうでも構いません。安心してください、私達がいつも待機しています。子供達も、障害を持っておられる方も選手として参加しています。必要であればビート板などの使用を申請できますし、車椅子からプールに入る支援施設も備わっています。勿論、MS Australia協会は充分な保険も備えています。

とにかく、「誰でも参加できる、とても敷居の低いイベント」なんです。

--なるほど、それなら安心ですね。他に大会に参加するのに必要なことはありますか？

トレーニングは強くお勧めします。体を慣らす程度で構いません。

普段のトレーニングや体調管理は、大会後も皆さんの健康に利益を生み出しますよ。人のために頑張ったことは、結果としてその人自身の健康な将来をも創り出すという素晴らしい成果を目の当たりにされると思います。

運動選手の方の助けも必要ですが、私が普段あまり運動をなされていない方などの参加も奨励する理由はそこです。人助けの為の大会を目標として始めた練習は意外とその後も継続するもので、来年はもっと泳いでみようという意欲も出ますし、楽しい趣味になるかもしれませんよ。

--その他にはどのような形でこのイベントに関われますか？

選手のラップを数えたり、距離や時間のアドバイスをいただけるボランティアの方を募集します。選手への食事の差し入れもとても嬉しいです。チームロゴをデザインしてくださったりも面白いですね。

そして何よりも、MS Australia協会への寄付を考えて頂きたいです。HEART OF JAPANのページから寄付を頂くと、チームが集めた寄付額として加算されます。

チームへの寄付は以下のページから行なっていただけます。できれば選手の名前をクリックし、応援したい選手のページに進んでください。（寄付の後、税金控除の為の領収書が発行されます。）

http://events.megaswim.com/?Heart+of+Japan

現金・小切手にて寄付をご希望の方は、admin@heartofjapan.org迄ご連絡ください。

当日の応援も大歓迎です。オリンピック選手にも会えますよ！

全員が２４時間会場に居合わせる必要はありませんので安心してください。ただ、私は会場にずっといるつもりです。昨年はトランポリンのマットの上で１時間だけ睡眠をとり、１０時間水泳を達成しました！

(左)オリンピックメダリストのサラ・ライアン選手、（右）伊賀氏

--最後に読者に向けて一言、お願いします。

MS Australia協会は、日本人団体がこのイベントに関わることを強く励ましてくださっています。是非、この素晴らしい国への恩返しを行動に致しましょう。きっと、私たちのオーストラリアへの愛情と感謝の想いが伝わるはずです！

今回の企画におきまして、親身にご相談に乗ってくださった日系企業の方々、日本人会、商工会の方々、領事館の方々、力強いバックアップをくださっているGo豪の皆様、そして何度も何度もやり取りを重ねてくださったMS Australia協会の方々。心よりお礼申し上げます。

--ありがとうございました。

インタビュー後、伊賀さんから嬉しいお知らせが…

ところで、今回このチャリティーに中心となって関わってくださった方々には、私の取って置きのワインを披露いたします!そのワインというのは”Sally’s Paddock”ワイナリーの”1997年から2002年迄６本のShirazプレミアム木箱入り”で、この世に50箱しかありません。大変高価なので、中には「そんな贅沢品は売って寄付に変えなさい。」と言う厳しい意見もあるかもしれませんが、値段ではなく、ブラインドテイスティングのコンペティションで賞品としていただいた大変思い入れが深いワインなんです。Langton’s Classification of Australian Wineでも評価の高いワイナリーです。このチャリティーの為に一緒に汗を流した仲間達とこのワインを楽しめるなら、この賞を得た努力が報われます。