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ノリカの「やっぱり犬が好き♥」

第2回「西の娘は、赤・青・白」



我らがウェスタン・ブルドッグスのチームカラーは、赤と青と白である。
色は強そうだが、チームは弱い。


赤と青と白の組み合わせは、「何だって目立ちゃいーじゃん?」と言った風潮の濃い単純明快なお国柄を持つオーストラリアでは、街の至るところで見られる色のコンビネーションだ。
店のロゴ。屋根上の看板。商品のパッケージ。子どもの学校の制服(ホントに!)。などなど。


それらを目の端で捉えるたびに、

「はっ、ドギーズ?」

と振り返り、無自覚のうちにドギマギしてしまうようになったら、あなたも十分立派なドギーズ・ファン♡
...とは思わず言ってしまいそうなことではあるが、別にただパブロフの犬的に脳が反応しているだけである。


それはさておき。
前回登場のフッティ友ティムの妹、ベッキー・サイモン(48)。
ブルドッグスのチームカラーを体現したような女として、ここで紹介したい。


ドギーズが負けるとすぐにカッカと頭に血を昇らせ、
電車の中で乗り合わせた敵チームのサポーターでややbitchっぽいおねえちゃん相手に喧嘩をふっかけ、本気で殴り合いになりそうになり周囲をヒヤヒヤさせる、
燃える炎のように、赤く熱き君。


ドギーズの前キャプテンでおととし引退したブラッド・ジョンソンが、セントキルダでジョギングしているところを掴まえて、
「ハーイブラッド、元気そうね。最近どうしてる?」
とあたかも10年来の親友のように声をかける(もちろん知り合いでもなんでもない)、
流れ落ちる水のように、青くクールな君。


今を遡ること40年前、ベッキーが通っていた小学校のクラス・ルーム。
担任が発した
「みんなの好きなAFLのチームはどこかな~? 
はーい、じゃあまずブルドッグスが好きな人、手をあげて~」
という残酷な問いに、
(当時ドギーズは、毎年ぶっちぎりで最下位を突っ走っていた)
恐る恐る手を上げ見渡してみれば挙手していたのは自分だけだった時の悲哀について、目を潤ませながら語る、
まっさらなシーツのように、白く純粋な君。


このベッキー・サイモン(48)、
実は、その世界じゃ割と名前の知られたコンテンポラリー・ダンサー。
数年前までNY在住、若いころにはマドンナと同じダンスクラスに通っていたとか。
現在はやれ若手ダンサーの指導だの、やれどこやらのカンパニーの振り付けだので、年の半分を世界中飛び回って過ごしている。


ただしだな、ベッキー。

負け試合の電車の中で

「アタシって来週からまたNYに来ないかって招待されてるのよね~、時差で体が持たなくっていやんなっちゃうわ~」

みたいな話をこれ見よがしに大声で自慢してから、おもむろに相手チームの悪口を言うのは、止めなさい。

負け犬の遠吠えにしか聞こえないから。




最後に、訃報です。
1954年、ドギーズを、これまででたった一度の優勝に導いたキャプテン、のちにコーチを努めた、チャーリー・サットンが6月5日、88歳でこの世を去りました。
合掌。
今シーズン半ば、ドギーズは4勝6敗、18チーム中15位。
栄光の日が、また一歩、時の彼方へと遠のいていく。






ベッキーの息子ヒューゴ(10)。
生まれた時からドギーズ・ファンになるよう定められていた。
もちろんおくるみは赤・青・白だった。


 

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