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第二十一回 肉体派女優との共演だったのだが、、、

ちょっと前に、「風のガーデン」のDVDを全て見た。初めての倉本作品だった。緒方さんの演技が現実とダブって見ているのが辛かった。彼は、死んでいく息子の姿を見守る父親の演技を、どういう気持ちでやっていたのだろうか。

この映画で一番注目して見ていたのは、緒方さん以外には誰だったろうか。実は私の場合は、床屋の元同級生役石田えりさんだった。

私は、こう見えてもあの石田さんとは一度メルボルンで共演しているのだ。1989年12月29日のことだった。年末ぎりぎりというスケジュール。日本でも上映されたが、あまりぱっとしなかった「AYA」という映画に、レストランの客として出演した。因みに、私は幼稚園のときからジイサン役で活躍していた。
「花咲かジイサン」「こぶ取りジイサン」とかが当り役になっていた。現在は、「小太りジイサン」とか揶揄されてはいるが。

「緊張することないわよ、たかが映画よ。」
待ち時間などで彼女と話すことがあったが、彼女はこういって私の気持ちをほぐしてくれた。その大胆な肢体と共に堂々とした態度に、役者の風格を感じた。英語でのシーンも結構あったが、しっかりとこなしていた。そこへいくと元日本語教師、セリフは僅か一言でしかも日本語なのに上がってしまった。普段は、「役者!」とか言われているのに、本番では唯の人、落ち着きがない。

しばらくして、映画の試写会の通知が来た。
「待ちに待った試写会のお知らせです。何月何日、どこどこで、、、。 ところで、タコさんの出演されたレストランのシーンですが、映画全体が長くなり過ぎたのでカットさせていただくことになりました。それでは、当日お会いできますこと楽しみにしております。」

この石田さんと一緒に食事をするシーンは、朝の7時から入って12時間もかけて撮った見逃せない場面だった。これで、俳優への道は厳しいものになってしまった。海外にいると、日本人が少ないのでこういう機会が日本にいるよりはずっと多いのだが。

この経験を踏まえて、この後いろいろと準備はしてきているのだが、残念ながら未だに全くお声がかからない。

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東京は東村山からオーストラリアに移住して24年目を迎えている。その間、人種を超えてさまざまな方々と出会ってきた。そんな方々との出会いをもとにして、定住者、旅行者、中長期滞在者、学生、ワーホリなどの方々との一期一会を綴ってみることにした。また、番外編としてオーストラリア以前の一期一会も記していきたい。

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