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愛しのリオン(2)

もう、リオンとは会うことはないと思っていたら、3か月後に彼から電話があった。
「元気?」
いつもと変わらず優しい声だった。
「今度僕フランスに行くことにしたんだ。だから、その前に友達として君に会いたいなと思って」
「友達として」と言う言葉は気に障ったが、彼の声が懐かしかった。
「どうして、フランスに行くの?休暇の旅行?」
「まあ、その事情は、会ったときに話すよ」
そのあと、カフェで会った彼は、相変わらずハンサムだった。まだ好きなことを認めざるを得なかった。。
「どうして、フランスに行くことにしたの?」
「実は、ハリーと別れて、新しい恋人ができたんだ。その彼がフランス人でね。フランスに帰るから一緒に来ないかと誘われて、行くことにしたんだ」
「それじゃあ、フランスに永住するっていうこと?」
「うん」
「フランス語、話せるの?」
「全然。フランスに行く前にフランス語の勉強をしようと思って、語学学校に申し込んだらクラス別試験を受けさせられてね。テストに出たフランス語、ちんぷんかんぷんでさ。試験時間が余って退屈だったから、お絵かきしてテストを提出したよ」
私は、思わずぷっと吹き出した。
「いつ出発するの?」
「今週の日曜日」
「え、だったら明後日っていうことじゃない。見送りに行くわ」
「見送りなんていらないよ。時々オーストラリアに戻ってくるよ」
「そう。その時は、また連絡してね」
私たちは笑顔で握手をして、別れた。
そのあと、まったく音沙汰もなく2年の歳月が流れた。その間、私も結婚した。彼との思い出は、遠い昔になっていた。
そんな時、仕事先にリオンから電話がかかって来た。
ちょさk

 

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プロフィール

2008年よりメルボルンを舞台にした小説の執筆を始める。2009年7月よりヴィクトリア日本クラブのニュースレターにも短編を発表している。 2012年3月「短編小説集 オーストラリア メルボルン発」をブイツーソリューション、星雲社より出版。amazon.co.jpで、好評発売中。

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