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EMR(30)

 その晩、ハサームも家に帰り、アバスも寝た後、ムハマドは一人テーブルに座って、ブシュラ宛に、手紙を書いた。
「ブシュラ、
 僕は世界中のイスラム教のためにジハードをすることにした。ジハードの前に君にお別れを言いに行きたかったのだが、それもできなくなった。
 君を愛していたことを伝えられないことだけが、心残りだ。ブシュラ、僕は先に天国に行って、君を待っているよ。天国でまた会おう。         ムハマド」
 短い手紙だったが、これ以上なんと書いていいか分からなかった。手紙に封をすると、投函するためにこっそり隠れ家を抜け出した。
 満月の夜で、月が異常に大きく見え、外は昼間のように明るかった。人々が寝静まった通りはひっそりして、ネコ一匹いなかった。街灯と月の光に照らされた道路わきに植えられた木々がシルエットを作り、幻想的な世界をかもし出した。ムハメドの歩くヒタヒタという音だけがやけに大きく聞こえる。駅の前で郵便ポストを見つけると、切手も貼らないで投函した。もしかしたら手紙は送り返されるかもしれない。でも、ブシュラに自分の気持ちを一言も言わずに死ぬのは、余りにもわびしかった。投函した後は、気分がすっきりした。これで、思い残すこと無く使命を全うできる自信がわいてきた。
 隠れ家に帰って玄関のドアを開けると、カサコソ中から音がした。何者がいるのだろうと、胸がドキドキし始めた。もしかしたら警察がこの隠れ家を見つけ出し、自分の出かけている間に襲撃したのかもしれないという恐怖に襲われた。玄関の片隅に身をひそめ、何者かが襲ってきたらすぐに家を飛び出せるように身構えた。
 すると、部屋から人影が出てきて、廊下の電気をつけた。その人影がアバスだと分かり、ムハマドは安堵の息をついて、立ち上がった。
「何だ。アバスか。びっくりするじゃないか」
「こんな真夜中、どこに行っていたんだ?」
 咎めるような声だった。
「ちょっと、散歩だ」
「ハサームから出歩くなって言われたじゃないか」
「悪い、悪い。もう寝よう」
 ムハマドは寝室のほうに歩いていったが、背後にアバスの疑い深げな視線を感じた。アバスも警察が自分たちを捜していることを知っているので、神経がピリピリしているようだ。
 日が昇り、ムハマドは、結局一睡もせずにも、テロ決行日の前日を迎えた。ムハマドもアバスもその日も、いつものように礼拝をした。
 ムハマドは「ジハードが成功しますように」と祈った後、「ブシュラの元に無事に手紙が届きますように」と祈ることも忘れなかった。ムハマドもアバスも話すことも無く、沈黙のうちに半日たってしまった。
 昼過ぎにハサームが来て、ビデオカメラをセットした。
 最初にムハメドがビデオカメラの前に座った。
「僕は、ムハマド・ラシード。これから、ジハードを行う。アメリカをはじめとする西欧諸国はイスラム教を迫害し、イスラム文化を破壊している。オーストラリアもアメリカに加担し、湾岸戦争に参戦し、今もアフガニスタンに兵を送り出している。オーストラリア政府に警告を発するために、僕は自分の命を投げ出して、殉教することにした。オーストラリアはアフガニスタンから手を引け。お父さん、お母さん、僕はイスラム教のために自分の命を捧げます。きっとお父さんもお母さんもこんな僕を誇らしく思ってくれると思います。これから親孝行ができないけれど、天国で会えると信じています。さようなら」
できるだけ凛々しく聞こえるように言った。俺は殉教者になるんだからと。
 ムハメドのメッセージの録画が終わって、アバスのメッセージの録画を始めた時、ムハメドの携帯が鳴った。携帯の表示をみるとニールだった。警察が動き出したのかもしれない。電話にでようとすると、ハサームがムハマドに忠告した。「長く話すなよ。長く話すと居所をつきとめられるぞ」
「分かった」と言うと、「ムハマド」と電話に出た。
 ムハマドは、ニールからメルボルン空港を爆破することになっていることが警察にもれたと聞かされ、衝撃を受けた。ニールは、メルボルン空港の警官の配置図を一万ドルで買わないかと持ちかけてきたが、抜け目の無い奴だと、ムハマドは腹立たしかった。
 ハサームが側にいて、早く電話を切れとジェスチャーしている。
 ムハマドは警備の配置図を買うことに同意した後、取引の場所と時間は後で連絡すると言って、電話を切った。
「まずいことになったぞ。警察はメルボルン空港が標的になっているのを知っている。どうしよう」
 ムハマドは、ハサームとアバスの顔を交互に見ながら言った。
 その後、ハサーム、ムハマドそしてアバスの三人が、この新しい事態にどう対処すべきか、夜遅くまで協議した。
 そして、ついに夜が明け、決行日が来た。

著作権所有者:久保田満里子







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EMR(29)

 ムハマドとアバスは、理沙をリリーデールの物置小屋に置き去りにして逃げた後、アバスのおんぼろ車に乗って、ハサームが準備してくれていた隠れ家に向かった。
ハサームは、ムハマドとアバスが通っている教会の長老で、日ごろからオーストラリアで、イスラム教徒が虐げられていることを嘆き、青年たちにジハード(聖戦)を説いていた。つまり自爆テロを起こせと言う。ジハードした者は、天国に行ける。天国では七十二人の処女と交わることができ、酒も果物も肉も思う存分に楽しむことができると言う。それに死んだ後は皆から殉教者として崇め奉られると言う。ムハマドは天国の話も魅力的ではあったが、殉教して皆から崇め奉れるということに魅了されていった。何しろ口下手でおとなしいムハマドは皆から無視されることが多かった。特に同じ教会で毎週会うブシュラは、その美しさで青年たちの憧れの的だったが、ブシュラから見向きもされないことがつらかった。ブシュラの姿を見かけただけで、ムハマドは息をするのも苦しく感じるほど、ブシュラに恋していた。ジハードを実行すれば、きっとブシュラも自分を見直してくれるだろう。そんな思いがムハマドの心の中で段々大きく膨れ上がっていった。
 オーストラリアでは、ほとんどの人は外国人に寛容であったが、アメリカで起こった同時多発テロの後は、アラブ人に対する風当たりが強くなった。
教会の建物が何者かによって、ペンキスプレーで落書きをされた時は、自分の中の神聖なものを傷つけられたようで、許せなかった。ムハマド自身、オーストラリア人の若者に取り囲まれて「イスラム教徒なんか、自分の国に帰れ!」と罵倒されたこともある。ハサームから、パキスタンに軍事訓練に行かないかと声をかけられると、すぐに行くことに同意した。そして、パキスタンの北のアフガニスタンとの国境近くのジャングルの中で、いろんな国から集まってきた二十人ばかりの若者と一緒に、武器の使い方、格闘の仕方、爆弾の作り方などを学んだ。ターバンを頭に巻きつけたリーダーは、自分の命をアッラーーの神に捧げるのが、いかに崇高なことであるかを強調した。ムハマドはますますジハードこそが自分の使命だと信じるようになっていった。だから、オーストラリアに戻ってきてハサームからジハードの話を持ちかけたれたとき、即座に「やります」と答えた。アバスも兄貴がやるのなら僕も仲間に入れてくれと言って、二人で組んでやることになったのだ。
それから毎週休みの日には、ハサームが準備してくれた隠れ家で、爆弾作りに励んだ。その爆弾が出来たのが二週間前だった。
親にさえも気づかれること無く、計画は順調にすすんでいたはずなのに、あの、理沙とか言う女が現われてからは、すっかり計画がくるってしまった。アバスは逃げる前にあの女を殺しておくべきだったと言うが、ムハマドは、あの女の言うことが本当だったら、もう警察に自分たちのことが知られているのだから、あの女を殺しても何の得にもならなかったと思う。
用心の為、アバスの車はファントリーガレー駅に停めた。そうすれば、たとえ車が見つかったとしても、電車でどこかに行ったように思わせることができる。隠れ家は駅から歩いて五分のところにある。
静かな通りのレンガ造りの小さい家は、何の変哲もない。その通りには、同じような家が佇んでいた。玄関のドアを開けると、ハサームが出てきた。
「何だ。もう帰って来たのか?早いじゃないか」
 ハサームは、計画が漏れたと言うことに気づいていない。
「計画がもれた」とムハメドがボサッと言うと、ハサームの顔色が変わった。
「何だって!どうしてもれたんだ?」
「分かりません。奇妙なアジア人の女が、僕の心が読めたなんて言って、警察に知らせたんだそうです」
「お前の心が読めた?どういう意味だ?」
「僕にも分かりません。ともかく僕たちが来週の月曜日に爆破テロを起こすことだけは、知っているようです」
「まずいことになったな。それじゃあ、計画は一時延期にするか・・」
弱気になってきたハサームに対して、ムハマドはきっぱりと言った。
「いや、予定通りにやります」
「大丈夫か?」
「はい。どうやら爆破の時刻も場所も知らないようですから、うまくいくと思います」
「それじゃあ、こちらに来いよ。ビデオカメラを取り付けたから、お前たちの両親に言い残したいメッセージや、オーストラリアの馬鹿どもに伝えたいことがあったら、録画してやるよ」
「お別れの言葉?まだ、何も考えていないので、ちょっと考えさせてください。最後くらいかっこいいこと言って死にたいですからね。おい、アバス、お前、先に撮ってもらえ」
 ムハマドは後ろで黙って座っているアバスに向かって言った。
「俺だって、まだ考えていないよ」
「じゃあ、明日にしようか。明日一日たっぷり時間がある。でも、警察に目をつけられたなら、外を出歩かないほうがいいな。自分からむやみに電話するのもやめろ。いいな」
 ハサームは命令口調で言った。
 ムハマドは黙ってハサームの命令を聞いていたが、ブシュラに会うことができなくなったことを知り、うら悲しい気持ちになった。
 日が暮れ始めて辺りが薄暗くなってきた。
「おい、お祈りの時間だぞ」とハサームが言うと、三人はカアバ神殿のある方向に向かってひざまずくと、ひれ伏して祈り始めた。一日にする五回の祈りの四度目の祈りだった。ムハマドは、自爆テロが成功するように、神に祈りを捧げた。

著作権所有者:久保田満里子









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EMR(28)

しばらくの沈黙の後、ムハマドは
「分かった。一万ドルで買おう。場所と時間は後で、こちらから連絡する」と言うと、ニールの返事を待たないで、電話を切った。
「畜生!ムハマドはきっと監視しにくい所を選ぶに違いない。まずいことになったな」とマークは腹立たしげに机を拳で叩いた。
 理沙たちは、これ以上警察にいてもすることがないように思えたので、マークに「私達、これで失礼します」と言った。すると、マークは初めて理沙たちがまだ部屋にいたことに気づいたようで、理沙たちのほうを見て気を取り直したように、
「いや、君たちの協力には、感謝するよ」と握手をすると、あたふたと取調室を出て行った。
 警察署を出た理沙は、ハリーに送ってもらってマンションに戻ると、もう六時になっていた。あの後どうなったか気になったが、ムハマドのことから頭を切り替えようと冷蔵庫を開け、野菜と肉を取り出して、カレーライスを作った。
 カレーができた時は、七時になっていた。公共放送のABC(オーストラリア国営放送局)のニュースが始まる時間である。テレビをつけると、ちょうどニュースが始まったところだった。テレビの前のテーブルにカレーライスを持って座り、カレーを食べながら、ニュースを見た。
「メルボルン空港がイスラム原理主義者の自爆テロのターゲットになっています」とアナウンサーが言った時、とうとう公表することになったのかと、理沙はカレーを食べていた手を止めて、食い入るようにテレビに見入った。画面にはマーク・クロフォードが出てきて、
「明日イスラム原理主義者によるメルボルン空港の襲撃計画があることが発覚しました。計画実行犯は、ムハマド・ラシードというグレンフェリーに住む男です」と言い、画面には、理沙が渡したムハマドの写真が映し出された。
「ムハマドは昨日の午後から行方をくらましています。もし、この男を目撃した人がいれば、防犯課にご連絡ください」と言うマークの声と共に、1800333000と防犯課の電話番号が字幕に出た。
 マイクをマークに向けていた報道記者が、
「ムハマドはアルカイダの一味なのですか?」と聞いた。
「そこは、今確認中です。しかし、ムハマドは去年半年パキスタンに行っていますから、もしかしたらパキスタンでアルカイダと接触があり、ゲリラ訓練を受けた可能性があります」
「ムハマドはパキスタン人なのですか?」
「いいえ、サウジアラビア人です。十七歳のときオーストラリアに来て高校に入学、その後大学を卒業し、オーストラリアの永住権を取得しています。弟のアバスも自爆テロに関わっている可能性があります。残念ながらアバスの写真はまだ手に入っていません」
「両親もメルボルンにいるのですか?」
「いえ、両親と妹はサウジアラビアにいます」
「では、イギリスの地下鉄爆破事件と似たケースですね。もっとも、あのテロ爆破の犯人たちはイギリス生まれだったそうですが、パキスタンに行って、アルカイダから軍事訓練を受けたということですから」
「そうです。メルボルン空港は厳重に警戒していますから、明日飛行機に乗る予定の方は、早めに空港に来てください。手荷物検査を厳重にしますから、出国するまでに時間を取られると思います」
「メルボルン空港では警備が甘いという意見も聞かれますが、どうですか?」
「確かに、アメリカのように指紋検査や、ボディ・スキャンなどはしていません。今までテロリストに狙われたことがなかったので、今の警戒で十分だと思っていましたが、今回の事件で、指紋検査や眼球の虹彩の検査を導入する必要があると痛感しています」
「指紋検査や眼球の虹彩の検査は、どれくらい効果があるんですか?」
「眼球の虹彩の検査は今のところ失敗したということは聞きませんが、指紋は手術によって変えることができるので、犯罪者の中には手術をして指紋を変えて不法入国したという話は聞いたことがあります」
「それでは、オーストラリアは眼球の虹彩の検査を導入することを考えているのですか?それともアメリカのようにボディ・スキャンをする方法を取り入れるつもりですか?」
「近いうちにアメリカに行く飛行機の乗客に限って、ボディ・スキャンを取り入れる予定です」とマークが答えたところで、報道記者の顔が大きく画面に写し出され、
「トム・マクミラン、警察本部よりお伝えしました」と、次のニュースに移っていった。
 どうやら、ムハマドをおびき寄せる作戦は失敗したようである。
 理沙は、とたんに食欲をなくしてしまった。カレーを食べても、全然味が感じられなかった。明日はまた仕事に行かなければいけない。メルボルン・セントラル駅が狙われているわけではないので、理沙の通勤には差し障りがない。しかし、不安な気持ちは消えなかった。

著作権所有者:久保田満里子

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EMR(27)

「一体、どうなっているんだ?」
 マークが、ニールの疑問に答えた。
「ハリーは、君の心が読めるんだよ。だから、隠そうたって無駄だよ」
「じゃあ、あんたは人の心を読む超能力者って言うわけか?」
 ニールは、薄気味悪そうにハリーをじろじろ見ながら言った。
 ハリーはマークが答える前に口を挟んだ。
「そういう事にしておきましょう」
 ハリーはEMRのことを余り公表したくないのだ。ましてや、テロリストの組織に関わっている者に知られると、ろくでもないことに使われそうな気がしたのだ。
 マークもハリーの気持ちを察したのか、次の質問に移っていった。
「もう一度、聞く。ムハマドは明日の何時に空港を爆破するつもりなんだ?」
「そこまでは、分からない」
 これは正直な答えだった。もう、嘘をついても仕方がないと観念したようだった。
「じゃあ、ムハマドがどこにいるのか分からないのか」
「俺はそれほどムハマドに信頼されているわけではないからな」
「どうして、ムハマドと知り合ったんだ?」
「以前スパイ容疑で密告された男に金をもらって、目こぼしをしたことがあるんだ。その男に紹介された」
「どうして、そんなことをしたんだ?」
「どうして?俺ももうすぐで六十歳だ。そろそろ退職したいと思っても、今の退職年金では、貧乏暮らししかできない。だから金が欲しかったんだよ」
「じゃあ、『ジーンズ・オンリー』の店に乗り込むのも、我々がリリーデールの公園の物置小屋に乗り込むのも、事前にムハマドに知らせたのは、お前だったんだな」
「そうだ」とニールは小さな声で、答えた。
「ムハマドとそれじゃあ、連絡はとれるんだな?」
 黙って、ニールは頷いた。
「じゃあ、ムハマドを呼び寄せろ」
「いやだと言ったら?」
「刑務所にいる期間が長くなるだけだ。刑務所でお前さんが元警官だと分かったら、他の囚人から嫌われるだろうなあ」
 マークは椅子から立ち上がると、ニールの後ろに立ち、ニールの肩に両手をかけて、脅すように言った。
 ニールはそれを聞くと、自分の今の状況をはっきりと把握したようだ。力なく言った。
「協力するよ。その代わり、裁判では寛大に扱ってもらえるように、配慮してくれ」
「いいだろう。勿論、裁判の結果がどうなるかまでは、僕達にも分からないがね。できるだけ情状酌量してもらえるようにすることを約束するよ」
「ムハマドに、どう言えばいいんだ?」
 マークは腕時計に目をやった。
「空港の警戒を強化することになったが、その時の警官の配置図が手に入った。その配置図を売りたいので、会わないかと言ってみたら、どうだ?」
「そんなことを言うと、どうしてターゲットが空港だと分かったのか、不思議に思うだろう?どう説明すればいいんだ?」
「お前さんもハリーの超能力をみただろう?ハリーに見通されたとでも言えよ」
「そんなこと、馬鹿げているって信用しないよ」
「それじゃあ、どっかからタレ込みがあったらしいとでも言え」
 今まで抵抗を見せていたニールが黙ったので、ニールが同意したものとして、マークは話を続けた。
「もう四時過ぎだな。六時にでも、州議事堂の前で会おうといってみてくれ。州議事堂だと、見張りやすい。あそこは石段が何段もあって、石段を遮るものは街灯だけだ。ウィンザーホテルの喫茶室がちょうど州議事堂の真向かいにあるから、そこから望遠鏡で監視できる」
「もし、拒否されたら?」
 ニールはまだ不安がっている。
「拒否されたら拒否された時のことだ。やってみなければ、わからないだろ?」
 マークに諭されて、やっとニールはムハマドに電話をかける気になったようだ。ニールがおもむろにポケットから携帯を取り出すと、携帯にはヘッドフォンが取り付けられ、マークも相手の言うことが聞けるように設置した。録音装置も取り付けられると、ニールは、携帯のボタンをゆっくり押した。3回ほど呼び鈴がなって、「ムハマド」と男の声が答えた。
「ニールだ。お前さんにとって役に立ちそうな物が手に入ったんだが、一万ドルで買わないか?」
「役に立ちそうな物って何だ?」
「どうやら誰かからお前さんのターゲットが空港だとタレこみがあったらしい。そこで空港の警備が強化されることになって、警官の配置図が配られた。興味はないか?」
「なに?どうして俺達のターゲットが空港だと分かったんだ?」
「タレこみがあったらしい」
 急に相手は黙り込んだ。この状況の変化にどう対処すればいいのか、考えているようである。

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