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ライブ・ミュージックを救え!!

音楽ファンが当局の弾圧に立ち上がった!!

2010年2月24日掲載

 ライブ・ミュージックを救え!!
ついに音楽ファンの怒りが爆発。

現在、メルボルンのライブ・ミュージック・クラブは、州政府の一方的なライブハウス規制により存続の危機に瀕している。

 ことの発端は、下記の通り。

コリンウッドにある歴史的なライブハウス『トート』が2010年1月18日に、政府のリカーライセンス(酒販売免許)の規制強化により店を閉鎖したことに端を発する。

ビクトリア州の労働党政府(ジョン・ブランビー首相)は、酒による暴力事件などの対策の一環として深夜に於ける酒の販売規制を数年前から強化している。
その一環として深夜に酒を提供するお店を、ハイリスク店とローリスク店に分類した。

深夜1時過ぎまで営業しているLive Music Venueは、例えそれがフォーク・ギターの弾き語りでも2人のBouncer(Security Guard)を雇わなければいけない」という非常識な基準とBauncer1人につき通常$250という経費が、特に問題となった。

最大の争点は、この規制強化が飲酒による深夜の暴力事件撲滅のためであるのに、暴力事件と無関係のLive Music Venueが、ただ単に深夜にAmplified Musicを扱っているというだけで、シティー中心部(King Street)などの音楽ファンとは無縁なNight Clubと同じハイリスク・カテゴリーに分類された点。
地元の警察からもToteは、最も事件の少ないパブと呼ばれていた。

それをこのカテゴリーに分類してしまったのは、100歩譲っても行政側の単純ミス、悪く取れば、数年来行政側に文句を言い続けてきたLive Music Venueへの嫌がらせといわれても仕方がないというのが、今回のRallyの背景にある。
さらにMelbourneで最も重要と言われたFitzroyのLive Venue パンターズ・クラブが、2002年に建物が買収されて閉店を余儀なくされたあと、アートの中心であるFitroy界隈で300-400人規模の重要なRock Venueとしては、Toteが最後の砦であったことも、今回の10000人規模のRallyの発火点になっている。
もうこれ以上黙っていられないというのが、ジャンルを問わずMelbourneの音楽ファンの共通認識になったといえる。 
 

 ビクトリア州酒税免許課長スー・マクレラン女史(Sue McLellan)は、トートホテルは、酒税免許条例違反を繰り返した店であり、ハイリスク店に該当する。新条例免除の余地は無いと回答。

トートホテルの代表ブルース・ミルンは、マクレラン女史の見解に対して、トートホテルは、CCTVの設置を含み必要な措置を講じている。ハイリスク店にはあたらない。とまっこうから抗議している。昨年から当局による条件が更に強化されている。ライブの前後30分は、ふたりのガードマンを置くことなど、小さな店には不可能なことだ。
トートホテルは、木曜、金曜、土曜には午前1時で店を閉めると当局に通知した。しかしそれでも課税の強化は止められなかった。トートホテルは、ついに閉鎖を余儀なくされた。フェイスブックでは、トートの閉鎖に対して11,000人以上が抗議の書き込みを行った。
 

 トートホテルは、長年、メルボルンのアンダーグランド・ミュージックのふるさととして親しまれてきたパブ。それを当局の一方的な圧力によって閉鎖されたミュージックファンの怒りが爆発。
インターネットでの呼びかけに応じて2月23日の午後4時からスワンストン通りからバーク通りを北上してパーラメントまで抗議ラリーを行った。主催者は、Bake House Studioを経営するクインシー・マクレーン(Quincy McLean)。

また当日は、オーストラリアの有名バンドAC/DCのIt's a Long Way to the Topの記念日でもあり、この曲に乗って、ラリーは州議事堂へ向かった。

 ライブバンドは、ロック、バグパイプ、バイオリン、管楽器、民族音楽などメルボルンに在住する全ての音楽家が集まったと云っていいほどの異様な盛り上がりを見せた。

メルボルンは、ライブ音楽の世界の都などと云っているが、州政府は実はまったく理解がない。と多くの人の声が聞かれた。

今日のラリーの参加者は、約10,000人。AFLグランドファイナルに次ぐ人でスワンストン通りは埋まった。

クインシーなどのラリー主催者は、数日前、ジョンブランビー州首相などの州政府幹部と会談している。州政府は事態の改善を約束しているが、現在のところ、どのように改善するのか具体的な動きはない。

 スワンストン通りは、多くのミュージックファンで埋まった。

今回のRallyを主催したのは、Bake House StudioのQuicy。
ネット上での署名などに尽力したのは、もともとここ5年以上Fair Go 4 Live Musicという運動を主催しているJohn Perring。
 Bar OpenやPonyといった有名ライブベニューのオーナーで自身もインディー・ミュージシャン。

彼らは、最後のParliament前での集会でスピーチ。
他に国民的なシンガーであるPaul Kellyや、You Am IのフロントマンTim Rogers、たまたまツアーに来ていたアメリカの人気シンガーAmanda Palmerなどそうそうたるメンツが行進に参加。

マイクを持つのは、Rock Wizという人気TV音楽クイズ番組の司会者で、Brian Nankervis。

Long Way To The Topを演奏するのは、Rock Wizの名物ハウスバンド。

 本記事は、メルボルンのミュージックシーンに詳しいNaomune Anzai氏からのメールをベースに作成しました。
 

撮影データ
Canon EOS 30D 絞り優先AE 評価測光 絞りF4.5 1/250秒 ISO感度 500 AWB 画質圧縮率 JPEG 内臓ストロボ 発光
レンズ EF S17-85mm f/4-5.6 IS USM

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