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キーワード10 「就職活動の成功談 Kさん編(後編)」

2回に渡ってお送りしてきましたKさんの就職成功談ですが、今回でいよいよラストです。


光 明

就職活動を行いつつも、ハードな授業準備は怠りませんでした。
私の専攻は主に「Marketing」「IT Business」で、どちらも小テストや個人のレポートの他にグループでのレポートやプレゼンが必ずありました。
グループメンバーは予め、教授が決めることもあれば、授業を進める中でなんとなくグループになる場合もありました。

大抵グループメンバーのバックグラウンドはバラエティに富んでいました。その中で必ずというわけでもありませんが、オーストラリア人や永住権保持者の学生で、昼間はフルタイムで働き、夜にパートタイムで大学院に通っているという方も少なくありませんでした。

彼ら、彼女らは仕事と勉強の両立で大変忙しいのですが、とにかく、事ある毎に「仕事を探している」ということをアピールしてみました(しつこくないが、印象には残る程度に)。
そうそう上手くいくものではないと思っていましたが、日頃からクラスでも積極的に発言していたのと、グループワークでは常に一番積極的だったこと。
さらには、ただ真面目なだけではなく冗談も忘れなかったことから意外と多くの方が親身になってくれました。その結果、クラスメイトが所属する会社、クラスメイトの友人など、合計すると二桁の会社に履歴書を送ってくれました。そして、そのうち3社は実際に面接にまで呼ばれることになりました。
一応、強いとはいえませんが紹介者がいるため、今までのように面接中に「ビザスポンサーは無いから」と帰らされるということは無さそうで安心出来ました。

そのあたりから「巡り合わせが良くなった」としか言いようが無いですが、求人サイトにも「ビザスポンサー考慮」という募集が目に付くようになってきたように思えました。単なる偶然なのか、気持ちの持ちようが変わったからなのかわかりませんが、運とかタイミングの要素は強かったように思います。

クラスメイトの関係からと求人サイトの募集から、同じくらいのタイミングで3社から採用通知を受けることになりました。
面接に進むまでは運に左右されたと思いますが、面接がスムーズに進んだのは、面接先が複数の選択肢が存在したことが、間違いなく精神衛生上、良い方向に傾いた結果だと思います。本当にどの会社もビザの無い私の話をじっくり聞いてくださり、お断りするのも胃が痛くなるくらいでした。

ちょうどまだ学生ビザが半年ほど残っていたため、採用先はその期間を試用期間とし、その間はパートタイムの就労でいいと融通を利かしてくれました。このことは大変ありがたく、少しでも早く役に立とうと、家でもいろいろと業務に必要な知識を覚えたものです。
おかげで1科目落としてしまい、卒業が長引いてしまうというオチがつきましたが。



仕事探しで苦労した点

ビザが無かった点につきます。


今は、学生ビザ(大学院や大学)からのビザスポンサーは少しずつ増えている傾向がありますので、私ほど苦労することは無いと思いますが、私の頃はビザが無い状態での就職活動は人間扱いを受けないことも多かったです。
もっとも、その位、とにかく数を打ちましたが。

もちろん、最初から「ビザスポンサー考慮」のところはそんなことは無かったのですが、「市民、永住ビザ保持者」を対象とした多くの企業場合は返事すらもらえませんでしたし、電話しても「ビザ条件に合わないので」と断られることばかりでした。

「せめて経歴は見てくれないか?」と聞いても、恐らく見てもいない曖昧な答えが多かったですね。

前々回に申し上げたとおり、面接の途中で帰らされたこともありました。応募した会社の社内転送履歴が偶然残っていて、「永住ビザなら有力候補だが・・」と書いてあるのを発見し、勇気にも自信にもなりましたが、同時にそのことを人事部に問い合わせても「でも、結局はビザが無いでしょ?」となしのつぶてでした。

ビザ条件だけを否定されているにもかかわらず、人格全てを否定されているような気にもなり、とても辛い思いをしました。
「オーストラリアなんて他の国より永住ビザ出すから、さっさと取ったら?」という会社もありましたが、残念ながら、当時の移民法では永住ビザ申請までにはちょっと「ポイント」が足りませんでしたね(今だったら可能だったのですが)。

当時は自分中心で見ていたため、社会の仕組み・制度に逆らっているという意識はありませんでしたが、今の私から見ると、この程度の扱いは当然ではあっただろうな、とは思います。企業からすれば、「ビザも無いのに、なんて都合の良い事を言ってるんだ?そんなの人に頼るなよ」ということだったのではないかと、今では考えます。



就職活動におけるアドバイス

このような経験があるからこそ、オーストラリアでの就職を目指す人には、まずは永住ビザを取得することを考えてほしいと強く思います

自身の経歴プラスアルファで永住ビザが取得できないか、興味のある資格をこれから得ることで永住ビザを申請できないのか、そういうことをまず考えてほしいですね。

あるいは、出来るだけコネクションが出来るように、オーストラリア社会に少しでも深くコミットすることでしょう。短い期間より長い期間が良いに決まっていますが、半年いる人と2年いる人では時間的な意味でチャンスは4倍ですが、事実上、滞在すればするほどコミットメントも深くなりコネクションも出来ますので、10倍にも20倍にもなりえます。

特に(私もそうでしたが)こちらの大学院に行くと、オーストラリアで活躍するビジネスパーソンも在籍していますので、動き方、心がけ次第でコネクションになりえます。もちろんコネクションだけを作ろうと躍起になっても駄目です。
「Take」では人は与えてくれません。
私は少なくとも、コネクションとなった大学院のクラスでは「Give」つまり十分にクラス貢献したと自負しています。そのような場があったこと、それを活かした事、そして運、ということでしょうか。

就職活動においてビザスポンサーを得るということはギャンブルです。

ただ、私は単なるギャンブラーになりたくなかった。その時に与えられている条件の中で最大限活かせるものは活かし、また最大限活かせるように仕向けました。単に運に賭けたのではなく、最大限の努力をし、少しでも運頼みの要素は下げました。それでも運は付きまといますが・・・
運だけに頼っているように見える最近の「ビザなし就職活動組」には、ギャンブラーと勝負師は違うんだよ、と教えてあげたいです。勝負師は出来るかぎり、運の要素を下げる努力をします。

皆さんもそうあってほしいと願いますし、それは今からでも全く遅くないと思います。










スタッフソリューション・オーストラリア メルボルン支店
「語学留学」から将来のキャリアを見据えた「大学(院)やTAFE留学」、卒業後の「ビザコンサルティング」、オーストラリアでの「就職・転職」までの総合キャリアコンサルティングをメルボルンをはじめ、シドニー、ブリスベン、パース、アデレード、ゴールドコースト、ケアンズの全豪7都市で展開しています。


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