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Ganesha Chaturthi

神様はトラムに乗って現れた。

2009年08月24日掲載
 

23th August, 2009 @ Bundoora Park

 
 
 神様はトラムに乗って現れた。
 


 毎年メルボルンで行われるヒンドゥー教の神様・ガネーシャの生誕祭、ガネーシャ・チャトゥルティ(Ganesh Chaturthi) 。プレストンのDarebin Arts & Entertainment Centre から始まったトラムによる行進は、バンドゥーラ・パーク(Bundoora Park)で最期を迎える。

 ガネーシャは西インドのマハーラーシュトラ州周辺やネパールで広く信仰されている神様。知恵と繁栄の神様として知られ、また、何か新しいことを始める時にはガネーシャをお参りするのが習わしとなっている。



 ガネーシャは、トラムからそっと降ろされると神輿(みこし)に鎮座したままヴェーダ(賛歌)を唱える人々に担がれてゆっくりと進み始めた。

 実は、ヒンドゥー教の神様は自分専用の乗り物を持っている。ガネーシャも例外ではなく、いつもならネズミに運ばれて動き回るのだが、今日は彼らの出番はないようである。神様の世界も近代化したものだ。

 
 
 象の顔を持つガネーシャ。顔が象なのは、ちょっとした誤解から父親に人の顔を切り落とされてしまったから。そう聞けばかわいそうだけれど、そのユニークな象の顔も人々に好かれる一因ではないかな、と思ったりする。

   

 パーク内を練り歩き、ガネーシャは湖の畔に設置された社に降ろされた。ここで多くの人々が長い時間をかけて、ガネーシャに祈りと、供物として食べ物を捧げる。時はすでに夕刻で、神様はさぞ空腹であったに違いない。



 パーク内で行われるプジャpuja(儀式の総称)では、粘土で作られたガネーシャの像が湖に沈められる。そうすることでガネーシャが悪いものをすべて持って行ってくださる、と信じられているのだ。普段はなんの変哲もないであろうパーク内の湖も、ガネーシャが旅立った後は神聖な雰囲気をまとい、人々はしばらく水面に浮かぶ花を見つめながら、ガネーシャに感謝の祈りを捧げるのだった。

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