Logo for nanchuka

キクに捧げる 菊の花のお茶 飲んでみた

中国旅行ツアーで連れて行かれたお茶工場。説明係の女性(小姐)が「皆さん、菊のお茶は飲んだこと
ありますよね」と聞くと、当然のように一同うなずくツアーの人々。
参加者みんなが香港人。ひとり未体験の私はビックリ。本家本元、製造元の工場で入手した菊のお茶に挑戦!

任務その9
<菊のお茶 菊花茶 Chrysanthemum tea>



30g、茶筒に入って200円也。未体験なのをかくすように、なぜか2缶買ってしまいました。
茶筒を開けようと力を入れましたが、なかなか開きません。ふたとの境目に直径2センチのシールが貼ってあり、
しっかりと封をしています。
シールには「この商品は本物です。検査済」と書いてあります。そして下のほうには、政府直通の24時間受け付け、
フリーダイアルの電話番号が明記。ニセモノをけして許さない正義感と、信頼第一を強く主張する姿に感心しました。



やっとの思いで茶筒を開けると、缶からは使用後の手持ち花火のような焦げくささ。何ででしょう?
中から真空パックの菊茶を取り出し、開封します。
強烈な、仏壇を連想させる香りが部屋中に広がりました。
けなげなつぼみは直径5ミリ、色は地味な薄茶色。

     

10つぼみをコップに入れ、熱湯170mlを注ぎます。
3分経過。つぼみは、満開4、半開き4、閉じたまま2という結果。
花占いだったら、想いが通じる確率は50%といったところでしょうか。
5分経つと全部沈みました。頂いてみます。

菊のにおいが強烈で、お仏壇、お線香、ご先祖、墓参りといった単語が次々と頭の中をめぐっていきます。
マグカップを両手で挟みこんで、目を閉じると、お仏壇の前で手を合わせているよう。
菊茶は、バーチャルのお墓参りさえも可能にしてしまうのです。

しかし、このお茶、白湯を飲んでいるようであまり味がしません。
味が薄いのは、無から何かを感じとりなさいという、菊茶からのメッセージなのかもしれません。



出がらしの菊からもメッセージを受け取ろうと思い、そっと口に入れてみました。
熟れすぎた柿のようなグニャ~とした食感で、とても苦いのです。
菊の花を口に入れることは、全くもってお勧めしません。

仮想お仏壇でのお参りも済み、お茶にも人生にも色々な味があるということを、奥深い菊のお茶から学んだのでありました。

<著:久里類>

 

コメント

以前のコメント

ケン☆リュウ   (2012-06-17T23:07:15)
キクも最後まで大事にされて喜んでいるでしょう
暁   (2012-06-15T08:32:19)
しばらく墓参りに行ってない。反省。
tachi   (2012-06-15T00:17:29)
私も有難いお茶を頂きたい!
cmv   (2012-06-13T10:13:11)
なんか色んな文体があってすごいですね。しーんとした気持ちになりました。

関連記事

最新記事

カレンダー

<  2024-05  >
      01 02 03 04
05 06 07 08 09 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

プロフィール

この中華食材はどうやって食べるのだろう?何に使うのかな? そんな疑問に体当たりでレポート。 みなさんも不思議に思っている食材がありましたら、どしどし教えてください。 『嬉し、楽し、好味道!』

記事一覧

マイカテゴリー