キクに捧げる 菊の花のお茶 飲んでみた
更新日: 2012-06-13
中国旅行ツアーで連れて行かれたお茶工場。説明係の女性(小姐)が「皆さん、菊のお茶は飲んだこと
ありますよね」と聞くと、当然のように一同うなずくツアーの人々。
参加者みんなが香港人。ひとり未体験の私はビックリ。本家本元、製造元の工場で入手した菊のお茶に挑戦!
任務その9
<菊のお茶 菊花茶 Chrysanthemum tea>
30g、茶筒に入って200円也。未体験なのをかくすように、なぜか2缶買ってしまいました。
茶筒を開けようと力を入れましたが、なかなか開きません。ふたとの境目に直径2センチのシールが貼ってあり、
しっかりと封をしています。
シールには「この商品は本物です。検査済」と書いてあります。そして下のほうには、政府直通の24時間受け付け、
フリーダイアルの電話番号が明記。ニセモノをけして許さない正義感と、信頼第一を強く主張する姿に感心しました。
やっとの思いで茶筒を開けると、缶からは使用後の手持ち花火のような焦げくささ。何ででしょう?
中から真空パックの菊茶を取り出し、開封します。
強烈な、仏壇を連想させる香りが部屋中に広がりました。
けなげなつぼみは直径5ミリ、色は地味な薄茶色。
10つぼみをコップに入れ、熱湯170mlを注ぎます。
3分経過。つぼみは、満開4、半開き4、閉じたまま2という結果。
花占いだったら、想いが通じる確率は50%といったところでしょうか。
5分経つと全部沈みました。頂いてみます。
菊のにおいが強烈で、お仏壇、お線香、ご先祖、墓参りといった単語が次々と頭の中をめぐっていきます。
マグカップを両手で挟みこんで、目を閉じると、お仏壇の前で手を合わせているよう。
菊茶は、バーチャルのお墓参りさえも可能にしてしまうのです。
しかし、このお茶、白湯を飲んでいるようであまり味がしません。
味が薄いのは、無から何かを感じとりなさいという、菊茶からのメッセージなのかもしれません。
出がらしの菊からもメッセージを受け取ろうと思い、そっと口に入れてみました。
熟れすぎた柿のようなグニャ~とした食感で、とても苦いのです。
菊の花を口に入れることは、全くもってお勧めしません。
仮想お仏壇でのお参りも済み、お茶にも人生にも色々な味があるということを、奥深い菊のお茶から学んだのでありました。
<著:久里類>
コメント- ケン☆リュウ (2012-06-17T23:07:15)
- キクも最後まで大事にされて喜んでいるでしょう
- 暁 (2012-06-15T08:32:19)
- しばらく墓参りに行ってない。反省。
- tachi (2012-06-15T00:17:29)
- 私も有難いお茶を頂きたい!
- cmv (2012-06-13T10:13:11)
- なんか色んな文体があってすごいですね。しーんとした気持ちになりました。
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