Laneway Commissions 09

レーンウェイをはしご探検！

2009年09月21日掲載
 

    　7年目を迎えたメルボルン市主催のパブリック・アートのイベント。華やかなビルのファサードやメイン・ストリートとは違い一歩足を踏み入れただけで雰囲気が違うレーンウェイ（路地裏）。1800年代半ばから建設された現在のメルボルンのシティで、レーンウェイはどこか人間味あふれる雰囲気を醸し出し、シティの歴史を反映している。

　レーンウェイで展開されている“Laneway Commissions”は公共スペースを利用して人々にパブリック・アートを身近に感じてもらうことを目的に開催されている。

　今年は6か所で開催され、表現方法も様々なアートに触れることができる。メルボルン市が提供するレーンウェイの中で、アーティスト自らが展示場所を選択している。いつもの通いなれた道を歩くだけでは見逃してしまいそうな場所に展示されていることが多く、アートであることに気付かないような作品もある。シティの新たな一面に触れてみてはいかがだろうか？
    
※Laneway Commisiion 08はこちら

◇CITY DREAM
Artist: QuingLan Huang
展示期間：15 June - 30 September 2009
場所：Lingham Lane
　　　（Off Flinders Lane between Swanston and Elizabeth Streets）

　　

かなり薄暗いレーンウェイで、ちょっと足を踏み入れるのをためらってしまうかもしれない。でも展示されているのは、プロジェクターを通して壁に映し出されたアニメーション。ストーリー仕立てになった映像が流れていて、とってもかわいらしい。女の子と彼女のぬいぐるみを主人公に、ユートピアの思い出や人間の願望を集めて表現した作品。

◇WE ARE SORRY
Artist: Cathy Busby
展示期間：from 14 July 2009
場所：620 - 640 Little Bourke Street
　　　（Between King and Spencer Streets）

　　

カナダ出身のアーティストが手掛けるアートは、ビルの壁に張り巡らされた文字の羅列。アボリジニの人々に対して公式謝罪したKevin Rudd首相の言葉と、同じく先住民に対して強制的に寄宿舎に入れて隔離政策を行い、深く傷付けたことを公式に謝罪したカナダ首相Stephan Harper氏の言葉が掲載されている。二つのイギリス系植民地が拭い切れない悲痛な過去に対して謝罪したその意味を考えさせられる。

◇CALL NOTES
Artist: Dan St Clair
展示期間：8 August 2009 ? 10 February 2010
場所：Hardware Lane
　　　（Off Bourke and Lonsdale Streets between Elizabeth and Queen Streets）

　　

ソーラー・システムを利用し、スピーカーから流れてくるのは鳥のさえずり。しかも普段シティでも耳慣れたサウンドが流れているので、本物なのか録音された音なのかが判別しにくい。さらにカフェから流れてくる音楽も相まって、アートが展示されている非日常空間ではなく、むしろ普段通りの雰囲気。しかも本物の鳥もやってきては鳴いているので、更によく耳を澄まして聴かないといけないのが面白い。

◇THE DURATIONAL LIGHT PROJECT
Artist: Geoff Robinson
展示期間：17 September 2009 ? 28 March 2010
場所：Unnamed Lane next to Hotel Lindrum
　　　（Off Flinders Lane between Spring and Exhibition Streets）

　　　

名前のない狭いレーンウェイに設置された5枚のカラフルなパネル。パネルに跳ね返った光が眩しく輝き、暗がりの通りを明るく照らし出される。晴れた日にしか見ることのできないこの光景は時間限定。毎日11.30am‐1.30pm（サマータイム時は12.30pm‐2.30pm）の2時間だけ見ることができる。でも実は修理が必要なのだとか（9月21日現在）。スタッフ曰く直ぐに修理できるそう。少し日にちがたってから見学に行くのがおススメ！


●Laneway Commissions 09
URL: http://www.melbourne.vic.gov.au/info.cfm?top=75&pa=3128&pg=4573