瀬戸内国際芸術祭2010
~アートと海を巡る百日間の冒険~
セントキルダビーチ。
メルボルンを代表する、言わずと知れた観光地。
ビーチ沿いにあるSolar System(太陽系)といわれるオブジェ。
これを手がけたメルボルン出身で、VIC州を中心に世界で活躍するアーティスト、キャメロン・ロビンス。
直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島。
日本の瀬戸内海に浮かぶ7つの島。
一見まったく関連性の無さそうなこの島々とアーティスト、キャメロン・ロビンス。
そこには実は深い関係があった。
世界中から75組の現代アート作家や建築家が一堂に会した芸術祭が日本の瀬戸内海で開催されていることはご存知だろうか?
その名も、瀬戸内国際芸術祭2010~アートと海を巡る百日間の冒険~。
7月19日、海の日を皮切りに10月30日(日)までの会期中、瀬戸内海に浮かぶ7つの島をステージにその世界的芸術イベントは催される。
直島(左)豊島(右)
女木島(左) 男木島(右)
大島(左)犬島(右)
小豆島
今年初めて開催されたこの芸術祭のキーワードはズバリ、「地域の活性化」と「海の復権」。
主催となる瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局が、今回の芸術祭開催に至った背景について以下ように語ってくれた。
「古来より交通の大動脈として重要な役割を果たしてきた瀬戸内海。行き交う船は島々に立ち寄り、常に新しい文化や様式を伝えてきました。それらは、個々の島々の固有の文化とつながり、育まれ、美しい景観とともに伝統的な風習として今に残されています。
今、世界のグローバル化・効率化・均質化の流れの中で、島々の人口は減少し、高齢化が進み、地域の活力の低下によって、島の固有性は失われつつあります。
私たちは、美しい自然と人間が交錯し交響してきた瀬戸内の島々に活力を取り戻し、瀬戸内海が地球上のすべての地域の『希望の海』となることを目指し、瀬戸内国際芸術祭を開催します。
現代アートの作家や建築家と、そこに暮らす人々との協働によるアートという結晶体は、日々の営みに新しい発見をもたらし、世界中の人々を惹きつけ、地域と世界が交わるきっかけになると考えます。瀬戸内国際芸術祭は、「民俗、芸能、祭り、風土記という通時性」と「現代美術、建築、演劇という共時性」を交錯させ、瀬戸内海の魅力を世界に発信するプロジェクトです。
島々が持つ魅力とアートを掛け合わせ、瀬戸内海の島と海の魅力を世界に向けて発信し、「地域の活性化」と「海の復権」を目指します。」
地域のみならず国を超えた活動に、偶然なのか必然なのかメルボルン出身のキャメロン・ロビンスさんも名を連ねる。
豊島会場で展示中のキャメロンさんの作品タイトルは、「潜在意識下の海の唄」
堤防にオルガンパイプを設置し、波と潮の満ち引きのリズムを音として紡ぎだすサウンド・インスタレーション。
海の自然とアートを一体化させ、海が音楽を通して人々に語りかけてくる。
その他にも各島の特性に基づいたユニークな作品が多く展示されている。
クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロ「残り物には福がある。」
レアンドロ・エルリッヒ「不在の存在」
大阪芸術大学豊島アートラボ「ノリとたゆたう。」
木村崇人「カモメの駐車場」
淀川テクニック「宇野のチヌ」
鈴木康広「ファスナーの船」
川島猛とドリームフレンズ「想い出玉が集まる家」
アーティスト、ロケーションの詳細は以下URLよりご覧いただけます。
http://setouchi-artfest.jp/artworks/
偶然見つけた日本とオーストラリアとの小さくとも大きな交流。
未来永劫続くことを一人の日本人として願う。
瀬戸内国際芸術祭2010 setouchi-artfest.jp
【名 称】 瀬戸内国際芸術祭2010~アートと海を巡る百日間の冒険~
【会 期】 2010年7月19日[海の日]-10月31日[日]
会期中無休(一部施設休館あり)
【会 場】 瀬戸内海の7つの島(直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島)+高松港周辺
【主 催】 瀬戸内国際芸術祭実行委員会 [会長 浜田恵造・香川県知事]
【後 援】 総務省、経済産業省、国土交通省、観光庁、日本観光協会
【料 金】 一般|5,000円 高校生|3,000円 中学生以下|無料 (作品鑑賞パスポートの場合。別に個別鑑賞券あり)
【参加国】 18の国と地域
【出展アーティスト例】クリスチャン・ボルタンスキー、トビアス・レーベルガー、ジャウメ・プレンサ等75組のアーティスト
メルボルン出身アーティスト / キャメロン・ロビンス http://www.cameronrobbins.com/
1963年オーストラリア・メルボルン生まれ
展示する会場 : 豊島
1983-85年ロイヤルメルボルン工科大学彫刻科卒業、1990年ヴィクトリア美術大学卒業。主な作品・プロジェクトに、2001年「海の慟哭」ジョン・ターピー共作(南オーストラリア・エリストン)、「時の航路標識」(メルボルン・アルトナ公園)、2006年「2つの渦巻2006」(メルボルン・カウンシル・ハウス2)、2007年「Sea Shanties of the Subconscious」ローン彫刻展(メルボルン)、2008年「ライフボートの幻想」(オーストラリア・クイーンズクリフ、)、「ソーラー・システム」(オーストラリア・セントキルダビーチ)、個展(オーストラリア・プレイス・ギャラリー)など。
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