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Oromo Community Festival

笑顔の裏に秘められた現実

2008年12月23日掲載

12th December 2008 @ Federation Square

※動画はページ下にあります。

 現在エチオピア(Ethiopia)にある〝オロミア(Oromia)”と呼ばれる地域は、アフリカ最大の州でもあります。オロモ人(The Oromo)と呼ばれる人々が、その長い歴史の中で彼ら独自の言語を持ち、ユニークな文化、社会政治システムを築いています。現在ラテン文字で表記されるオロモ語(Oromiffa)は、アフリカで3番目に広く使用されている言語です。またオロミア州はアフリカの中でも豊かな地域と言えます。農業がその経済を支え、州人口の90%が農業を営んでいます。

  

 〝Gadaa”と言われる珍しい社会政治構造は、オロモ人の社会の中で生誕から死までを統括しています。人々の日常生活はそのGadaaにより導かれています。また彼らの経済、領土や権利も守っています。

 オロミアは何千年もの間、西アフリカにおいて人々のコミュニティとして存在してきました。エチオピア以外では隣国のケニアやソマリアにもオロモ人が居ます。現在オロモ人はイスラム教、キリスト教以外に、伝統的なオロモの宗教を信仰する人も少なくありません。人々は〝Waaqayoo”(日本語では「神」という言葉が最も近い)を信じています。彼はこの世のすべてを創造し、すべての生命の根源でもあり、そこに存在し、無限の存在です。純粋であり、不公平や犯罪、冒涜などを許さない存在でもあります。

  

 またオロモ人難民が数え切れないほど世界に散らばっていることが、大きな社会問題です。彼らはエチオピア政府に虐げられていると主張しています。人権侵害、無実の罪での投獄、虐殺などもあるようです。10年以上も家族と離ればなれであったり、ほとんどの子供たちが教育や医療施設のない難民キャンプで生まれているという事実もあるようです。また2004年には学生が人権侵害に対して声を上げ、表現の自由を求めて政府に反旗を翻しデモ活動を行うも、大学を退去させられるという事件も起きています。その後その学生たちは政府により人権を奪われ、ホームレスや飢餓に見舞われている現状もあるようです。大部分の学生は、いやがらせ、拷問、失踪などに遭うようです。

  

 フェスティバルで出会ったスタッフが真剣な眼差しでこれらの事実を語ってくれました。そのような事実を知らないまま笑顔で話しかけた自分が恥ずかしく思えてきます。

 「僕たちの声を届けてくれ。」と彼は言います。会場ではライブ演奏に合わせて踊る人々の姿。彼らの中にも難民としてメルボルンへ来た人もいるのでしょうか。笑顔の裏に隠された彼らの悲しみや怒りが、少しでも多くの人に届くことを祈るばかりです。

Australian Oromo Community Association in Victoria
URL:http://www.oromocommunity.org.au/

◇フェスティバルの様子をどうぞ。

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