メルボルンカップ 2011
メルボルン最大のビッグイベント!栄冠を手にしたのは?
2011年11月3日掲載
毎年天気には恵まれないメルボルンカップ・デイ、今年も曇天となったレース当日だが、シティでは朝から着飾った人々が意気揚々とフレミントン競馬場へと向かう姿が見られた。
会場へのアクセスはやはり公共交通機関がオススメ。電車はフリンダース・ストリート駅から5分毎に直行便が発車され、サザンクロス駅を経由して10分程で目的地へ到達する。この際車内の混雑の為サザンクロス駅で乗車出来ない事もあるので、始発であるフリンダース駅から乗り込もう。他に57番トラムが会場直行便として運行している。
フレミントン競馬場は、アミューズメントパークさながらの熱気に包まれていた。ビッグイベントへの期待に胸が高鳴る。
レースの合間に巨大スクリーンを彩るMyer Fashion on the Field は、スプリング・レース・カーニバルの大事な側面でもあるファッションイベント。しばしオッズを忘れて目を楽しませよう。
Daily Finalを制したのは上品なベージュのスーツを着こなした彼女。審査員の評価もべた褒めであった。大会規約にあるように、決め手はやはり「優雅さ」なのだろうか。
当日の主なスケジュール
10:20am Race 1 Emirates Airline Plate(LR)
11:00am Race 2 TAB Sportbet Handicap
11:45am The LAVAZZA Long Black
12:40am Race 3 Wakeful Stakes (G2)
11:55pm MYER Fashons on the Field at Flemington Women's Racewear Daily Final
12:30pm Race 4 Herald Sun Stakes (G3)
01:15am Race 5 Shweppes Tonic 1000
02:00pm Race 6 Lexus Hybrid Plate (LR)
03:00pm Race 7 Eirates Melbourne Cup (G1)
03:55pm Race 8 johnnie Walker Stakes (LR)
04:35pm Race 9 Mss Security Spirinit (NR)
05:15pm Race 10 7News Plate
第5レース本命の「かるた・クィーン」。日本人になじみの深いこの名前に応援の意味もこめて馬券を購入した方も多いのでは。1400mスプリントレースの結果は、惜しくも僅差の2位。
馬主は日本でアニメ放送中の競技カルタを題材にしたコミック「ちはやふる」のファン、かも?
今年のEmirates Melbourne Cup 、1番人気は何と言っても昨年の勝ち馬Americain。自国フランスでの結果は芳しくなかった事から不調の噂が絶えなかったが、メルボルンカップを念頭に置いた調整試合であるムーニーヴァレー・カップにおいて優勝。よほどオーストラリアの水に合うようだ。
同じくフランスから参戦するDunadenは、オーストラリアでの最初のレースGeelong Cupに快勝。こちらも好走必至と言われている馬。
本場イギリスの面目躍如か、Americainを負かしたJukebox Juryと、彼に打ち勝ったDrunken Sailorの出走も決定されている。
ヨーロッパ vs オセアニアの図式が出来上がった今大会。開催国オーストラリアからはLucas Cranachと、元クラウンカジノ創始者Lloyd Williams氏が海外から買い付けてきたMourayan、At First Sightの2頭が参戦。
過去のメルボルンカップにて通産12勝を為さしめているバート・カミングス調教師も、今年は2頭を出馬させている。
短距離のスペシャリストとして名高いオーストラリアの競馬界だが、近年においては2000m以上の長距離レースを走る馬をヨーロッパからトレードする機会が相当に増えた様だ。
会場のそこ此処で、レース前の予想が口々にささやかれる。直前にMourayanの出走が取り消され、23頭でトップを争う事となった。
今にも崩れそうな曇り空の下、メルボルン市民の希望をのせたサラブレットたちが一斉にスタート!風雲立ち込める大レース、観客は総立ちだ。
3200mと長距離のレースにも関わらず、体感時間は一瞬。
Dunaden とRed Cadeaux の2頭が同時にゴールを駆け抜ける!!!
結果は写真判定を待つ事に。
固唾を呑み判定を待つ観客総員。
そして・・・
Dunadenの勝利が確定!!!
惜しくも準優勝となったRed Cadeauxだったが、両者の実力は互角と言えたのではないだろうか。
メルボルンカップ・レースとは、「特別な何か」 なのだと実感する。
デジタル機器の扱いにさほど執着しないオージーたちが、その瞬間を網膜よりもメモリに残したいと思うほどの特別な瞬間。
メインレースが終わった後も観客たちが立ち去る気配は無い。彼らはレースのみならず、レース場裏で行われているライブステージ、他競馬場でのレースへのベット、そしてイベントを口実に集まった仲間たちとの贅沢な時間を充分に堪能するのだろう。
レースに勝った?負けた?とにかく今日は楽しかったよね!
帰りの電車のあちこちで上がる歓声。今年もメルボルンの街が笑顔で包まれる一日となった。
取材・文・写真: 武内 奈苗
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