2017 Boomtown No.2 Red
更新日: 2018-07-13
こんにちは。
Nishです。
今日は熟成肉のお話。
以前、レストランのメニューの話題で、例えばWagyuで何日間グレイン・フェッド(穀物飼育)もしくはグラス・フェッド(牧草飼育)なんてよく耳にしました。でも最近はちょっと違う趣。
それはつまりドライ・エイジング。熟成させるか否か。
レストランに熟成庫があればいいですが、一定の風をあてられるクール・ルーム(冷蔵室)などでも結構。骨付きの大きな部位のまま吊して保存できるスペースが必要になります。
そういう条件下に置くことによって、肉に含まれる余計な水分を飛ばし、熟成に必要な微生物を増殖させます。そして酵素の働きによって凝縮されているたんぱく質を旨味成分のアミノ酸ペプチドに変えていくのです。
だいたい3,4週間ほど乾燥(熟成)させると、その重量が20%ほど減少します。肉の外側は赤黒く変色し、薄く白いカビが発生する場合もありますが、それが熟成の最高の状態。その外側部分を取り除き(仕入れをした時の肉の60%以下のサイズになる)、スライスして使えば味わいが凝縮された最高のステーキにありつけるという訳なのです。もちろんお値段も高くなりますが…。
私が現在勤めているレストランでは、Wagyuやカンガルー肉、鴨などをドライ・エイジングしています。あと、魚も4,5日程度の熟成をさせているので、クール・ルームはまるで標本のよう。
さて、本日のワイン。
2017 Boomtown No.2 Red
先日Bendigoに行く用事があった為、その途中CastlemaineにあるワイナリーBoomtownによってみました。まだ樽で熟成中のワインを何種類かテイスティングさせてもらい、産地(サブ・リージョン)の違いや樽の違いなど実に興味深い体験ができました。
今回はその中でもすでにボトル詰めされているこの2017年のNo.2 Red。Nero d’Avolaを主体にShiraz、Cabernet Sauvignon、 Malbec、そして Merlotのブレンド。ちなみにNero d’Avola(ネロ・ダーヴォラ)はイタリアのシチリア島で幅広く栽培されている黒葡萄品種。最近はオーストラリアでも栽培されています。
イチジクやチェリー、ザクロなどの果実に、オレンジペコのような紅茶の葉、そして白胡椒や漢方薬的な温かみのある香り。味わいはソフトでしなやか。穏やかな酸味を伴った果実味は心地良く、適度なスパイスが親しみやすい印象を与えています。タンニンは細やかでスムース。
料理は、うーんと、シチリア的にサーディン料理もいいけど、今晩は”Slow Roasted Pork Belly”に決まり。
Bon appétit
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