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食物思考~Thought for Food~(2) 豆乳編

 豆乳、英語でsoy milkですが、両者を声に出してみると受ける印象がかなり異なる気がします。前者は「乳」という字を「ニュウ」と音読みするとなんだかねっとり~。それに対し「ソイ」はさっぱりの印象。かたや自分に確固たる自信がなく、ちょっとマニュアル依存の傾向があるけれどコツコツの努力型、かたや我が道を行くと言えば聞こえはいいけれど、ともすれば自己中心のナルシストにもなりかねない、いつでも前向きインデペンデント型、って感じでしょうか。なんだか血液型別性格判断みたい?実は最近ちょっとハマッてます。



 豆乳のあのにおいがダメだという声をよく耳にしますが、私は気になりません。むしろ好きですね。日本のある居酒屋で、最初に突き出しと一緒に豆乳が出てくるのですが、これがデリシャスで追加をお願いすると、ピッチャーでドカンといただき、大変うれしゅうございました。お酒を横目にピッチャーを抱え、こりゃウマいウマいと飲み続けていたらさすがにハラが壊れてしまいましたけども。

 現在私は、チャイにはもちろん、紅茶やコーヒーにも豆乳を入れて飲んでおります。朝はヨーグルトと果物に混ぜるし、クッキングにもドボドボと使っています。身体の50%くらいは豆乳でできているんじゃないかしら。そんな豆乳だらけな生活になったきっかけは、昨年末に私を襲った食中毒と思われる病でした。

 病院には行かなかったので、今となっては正確な原因や病名はわからないのですが、2週間苦しみ、文字どおり地を這うようにして過ごしたのであります。食べるとハラに激痛が走る、なのにいやしい私は食欲を抑えることができず、食べては後悔の繰り返し。さすがにそろそろなんとかせねばと思ったころ、痛みは腸から胃へと移っておりました。そして、「胃にはやさしく」をスローガンに掲げ、ほぼ消化力のない胃にリキッドばかりを流し込んでいる最中、思い出したのです、居酒屋の豆乳サービスを。あれはいわゆる、アルコールから胃をプロテクトするためなんですね、胃の中に豆乳が張る膜によって。そんなやさしさたっぷり、かつ栄養たっぷりな豆乳とくれば飲まずにいられましょうか。

 それからはドラマティックな回復っぷりでした。翌日には2足歩行が可能になり、翌々日には自転車に乗れるようになり、そのまた翌日にはジョギングと筋トレをこなせるようになりました。私は体力や筋力が一般人より秀でている、というわけではありません。普通のピープルに属します。なので、これはもう豆乳さまの神通力にほかならん!と大感銘を受けた次第であります。



 そういうわけで、いまや毎日の買い物リストには豆乳を欠かすことがありません。スーパーマーケットではいろいろな調整豆乳が手に入ります。調整豆乳は豆乳の青臭さを抑えるために甘味料・香料・植物油などが加えられており、とても飲みやすいので豆乳ビギナーさんにはお勧めです。たしかに豆乳は優れた健康食品ですが、「健康のために」と無理やり飲むよりは、やはり「おいしい!」と心から思える方が身体にも効果的ですよね。私の初・豆乳はチョコレート味のもので、それはそれはデリシャスなものでした。

 ちなみに豆乳生活突入後、すっきりとマイナス3kgのダイエットに成功した私でございます。ますます、マイパートナーとしての地位を確固たるものにしてゆく豆乳なのです。

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私は、一日に一度は市場に行かなければ落ち着かないマーケットホリック。これは、そんな私と食物たちとの四方山話です。

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