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食物思考~Thought for Food~(5) チョコレート編

 オーストラリアでの3月14日は、何事に悩まされることもなく、静かに過ごすことができて快適であります。この国にホワイトデーはやってきませんから。ホワイトデーと聞くと、とてもイライラする私。どうして殿方はチョコレートを手にできるのに、レディーたちはマシュマロやキャンディー、ハンカチなのですか?そんなものはいらない、なぜなら私はチョコホリックだから。チョコのお返しにはチョコをください。男に生まれたかった、と切実に思う1日なのでした。

 幼少のころよりその片鱗はうかがえたらしく、口にするチョコレートの量には、母親によって制限がかけられていました。そのせいで、だと思うのですが、少し成長してそのタガが外されてからは、我慢していた分、チョコレートに対する欲求が止まらなくなったもようです。そして、立派な大人という身分になると、一日に一箱は空ける病気っぷりで周囲の友人や仕事仲間を唖然とさせています。時に一食をチョコレートで済ますなんて奇行を見れば、そりゃあ、かける言葉もないでしょうね。



 食べ過ぎでニキビと戦うのが常なもので、心ない女性たちからは、「大人になればそれはニキビとは呼ばないの、ただの吹き出物よ。」と甲高い声で嘲笑を浴びせられます。ニキビは若者の特権、アンタはもはやオバサンなのよ、とおっしゃりたいのね。そんなふうに愚弄されても、私はどうしてもやめられない。チョコレートがそこにある限り。

 そんなチョコ好きな私ですが、チョコレートは固形に限る、という偏った嗜好を持っています。チョコレートドリンクやチョコレートアイスクリーム、これらはチョコ好きにはたまらないようなものに思われますが、私がその誘惑に乗ることは、まずありえません。むしろ嫌いなんです。チョコレートは飲むものではなく、噛むものです。味は明らかにチョコレートそのものなのに、歯ごたえなしには、私の脳はチョコレートだと認識しないらしいです。そのため、夏はチョコレートをあまり食べることがありません。店から家に持って帰る間にリキッド化しちゃいますのでね。毎年、夏が終わり秋の風が吹いて、店頭にチョコレート新商品がずらっと並べられると、私の耳にはチョコレートの奏でるパキパキッという音が聞こえてきて、たまらなく気分が高揚してまいります。そして、冬にはチョコレートをどこにでも連れて歩ける幸せ。寒いのが苦手な私も、これだけは心から楽しんでいます。

 3月も半ば、ここメルボルンでも、チョコレートサウンドが響いております。チョコレートビスケットなので、パキッではなくサクッという軽やかなサウンドですが。そう、オーストラリアで私が毎日のように口にするのは、やはり「TimTam」でございます。バラエティに富む商品ラインナップで、人々の心を捕えておりますね。個人的にはオリジナルが一番好きです。最初にヒットした商品というのは、なんでも極みにあるんじゃないかしらと思います。

 この「TimTam」、私にとってはデイリーユースですが、それはともかく、今やオーストラリア土産の代表格でもあります。日本へのお土産として買ったつもりが、いつのまにか自分のハラの中に、ってことを経験しちゃった人は私だけではないはず。お土産なんて本当はだれも期待しちゃいないし、それに、現在は日本に輸出もされてる「TimTam」。いざとなりゃ日本で買ってしまえば荷物にもなりません。デリシャスであることは間違いなしなので、日本調達がバレても喜んでもらえるでしょう?

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私は、一日に一度は市場に行かなければ落ち着かないマーケットホリック。これは、そんな私と食物たちとの四方山話です。

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