メルボルンの弾き語り事情
更新日: 2010-03-17
音楽情報コラム【Just Australia】第3回目では、メルボルンの弾き語り事情をお伝えします。
日本でも駅前などでよく目にする「弾き語り」ですが、英語では「busking」といいます。
buskingはギターを弾いて歌う、という事だけを意味するわけではなく、どちらかというと「路上で芸を披露する」という意味に近いでしょう。
メルボルンの町にも、沢山のバスカー(busker)がいます。
ギターを弾きながら歌う人
ロボットの格好をして奇妙な音を奏でる人
銅像のような格好をして身動きせずに固まっている人
ピアノをひたすら弾き続ける人
グループで民謡を奏でるバンド
バケツをいくつか並べてドラムのように演奏するオジサン
などなど、沢山の人が路上で演奏しています。
中にはすばらしいパフォーマンスで、道行く人の注目を集める人もいますが、耳を疑いたくなるようなひどい演奏を何も気にせず披露している人もいます。
そこは人それぞれ。
ひどい内容のものには、人も集まりませんし、罵倒を浴びることだってあります。
バスキングの目的として、人々にパフォーマンスを見てもらいたい!という願いの他に、お金をもらう、というものもあります。
弾き語りをしている人が、自分の前にギターケースをおいてお金を入れてもらうあれですね。
僕は日本で弾き語りをした事がないので比較はできないのですが、個人的な感想として、オーストラリアの人は気軽に路上パフォーマンスに対してお金をあげているようです。
日本人ブルースミュージシャンの
George Ka
http://www.myspace.com/georgekamikawa
などは、バークストリートモールで頻繁に演奏していますが、いつでも彼の周りには人だかりがあり、ギターケースの中には、いつでもすごい量のお金が入っています。
ジョージさんは弾き語りの経験が豊富なプロフェッショナルですから、やはりそういったすばらしいパフォーマンスに対しては足を止めてみてくれる観客の皆さんも、相応の対価を払いたくなるものです。
彼の演奏は本当にすばらしいものなので、ぜひメルボルンに滞在している方は一回は見てみる事をオススメします。
Youtubeにも観客がアップした動画が沢山あるようなので、ぜひ探してみてください。
(コラムの最後に一つ載せておきました。)
http://www.youtube.com/watch?v=ilYr0FQXws4
Georgeさんを筆頭に、メルボルンでバスキングをする日本人は意外と沢山いるようです。
今まで見た中で最も多いのが、やはりギターでの弾き語り。
日本語で歌ったり、英語で歌ったり、様々なものがありました。
中にはミスチルを歌っている人もいて、なんだか変な感じでしたが。笑
他にも、
· 習字
· キーボード弾き語り
· ダンス
· 絵を披露
· ジャンベなどの打楽器
· 三味線
などなど、日本人のパフォーマンスだけでも色々なものがありました。
それでは、実際にBuskingをするにはどうするかを紹介しましょう。
メルボルンの町内で行うBuskingは、すべて"city of Melbourne"によって管轄されています。
下記から申請フォームや、すべての詳細が見れるようになっています。
Buskingの種類は4つにわけられています。
General area
一般エリアでのBusking
Bourke Street Mall
バークストリートモールでのBusking
Pavement art
歩道アート
Circle act
人だかりを作るBusking
(手品や大道芸などでも危険を伴う道具を使用するBusking)
ほぼ大半の人が、General AreaでのBuskingの許可をとって、パフォーマンスを行っています。
そこまでくると、Buskingの熟練者になるので、ここで紹介する必要もないでしょうし。笑
↓↓↓
バークストリートモールでのBusking
それではGeneral AreaでのBusking申請の詳細です。
申請料は無料。
申請フォームと身分証明書を提出します。
申請フォームは下記リンクからダウンロード可能です。
↓↓↓
パフォーマンスの審査もあります。
指定された場所、時間に担当者に対してパフォーマンスを披露し、適正かどうかを審査されます。
バンドの形態のように複数の人数でパフォーマンスを行う場合は、全員許可証を申請する必要があります。
自分のCDなどを売る場合は、そのCDも担当者に見せて、販売許可を得なければいけません。
CD以外の物販は禁止されています。
General Areaの許可証でBusking可能な場所は、メルボルンのシティ内で下記以外の場所になります。
バークストリートモール
コリンズストリートとフリンダースストリートの間のスワンストンストリート上
建物や壁付近
駅の入り口や階段付近
政府関連の建物付近(パーラメントやタウンホール他)
以上、大まかな概要を書いておきました。
結構厳しいようですが、人通りの多い街で、秩序を守る為に、当たり前といえば当たり前の配慮かもしれません。
許可証を所持しないでBuskingを行った際の罰則などはわかりませんが、こういった許可証がある以上、何かしらの罰則があっても不思議ではありません。
きちんとした許可証をとった上で、自信を持って、楽しくBuskingをしたいものですね!
実は、僕も以前はメルボルンのシティでよく弾き語りをしていたものです。
(今となっては、言うのもちょっと恥ずかしいですが。笑)
オリジナル曲やカバー曲、ハーモニカとギターのインスト、前のバンドメンバーとのデュオなどなど、色々な演奏をしてみました。
自分の前にギターケースを置いて、お金ももらっていたのですが、結構これが稼げるんです。
少ない時は1時間5ドルだったりもしますが、多い時は20ドルだったり。
それでも、初めて演奏する時は大変緊張したものです。
ライブでステージに立って演奏をしたことは何度もありましたが、路上で道行く人に向けて演奏したことなんか初めてです。
何せ、
人との距離が近すぎる。。。
最初は緊張と恥ずかしさの為に、始めてから数曲弾いただけでやめてしまいました。
それでも、何回かやっていくうちに、自分の中で慣れていったり、親切にもギターケースにお金を入れてくれる人も増えてきて、ある程度の自信がつきました。
たまに話しかけてくれる人がいたり、弾いた曲が誰のものなのか聞いてきたり、しばらく立ち止まってくれたり、道行く人から色々な反応があるたびに、うれしかったりするものです。
こういった形での新しい出会いや、人との触れあいという形態も、たまにはありかなーと弾き語りをして思いました。
何かの一芸を持っている人、オーストラリアで何かをはじめたい人、バスキングに興味がある人などなど、ぜひメルボルンの町でBuskingを始めてみてはいかがでしょうか?
それではまた次回のコラムで。
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コメント- ANNA (2015-01-10T14:55:16)
- 初めまして。ご質問があります。
メルボルンでのバスキングのpermit取得時は、iDパスポートだけで大丈夫ですか?
ツアリストVISAだけではなく
ワーキングホリデーVISAなども必要ですか?
- けん (2012-04-18T18:55:53)
- そうなんですか・・・以外です。てっきりアンプを使ってるのとばかり思ってました。
最初の頃ってやっぱり日本語で歌ったんですか?
- Koji (2012-04-17T13:24:25)
- 僕がやっていた当時は生声、生音でやってました。アンプだと、電力確保や移動がナカナカ大変ですが、やっぱり注目は集めやすいですよね。
- けん (2012-04-14T11:24:31)
- kojiさんがバスキングしたときアンプ使いましたか?
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