幽霊伝説が伝わる『Princess Theatre』
MELBOURNE建物図鑑
【2012年7月13日掲載】
Spring Street沿いのParliement of Victoriaの向かい側にある「Princess Theatre」。この劇場は再建設されたもので「Princess Theatre」としては二代目ということになる。一代目はロンドンにある劇場から名前を取り、1854年に建設された「Astley's Amphitheatre」と呼ばれる劇場で、その後1857年に増築・改築され、「Princess Theatre and Opera House」として生まれ変わった。
この劇場にはひとつ、不思議な幽霊伝説が伝えられている。18世紀のあるとき、「ファウスト」が上演途中にひとりの役者が地下の通路で心臓発作のために劇を最後まで上演することなく亡くなった。劇が終わってから役者たちが楽屋に集められ彼の死を知らされたが、ほかの役者たちは、彼は劇を最後まで上演し、たったいま皆と一緒に観客におじぎをしたところだといった。それから何度か礼服を身に着けた彼の姿が劇場の座席で見かけられたことがあり、劇場は彼に敬意を払い、2階特等席の3列目をいつも空けておいたという。
▲William Pittによる建築デザインで1886年に完成した
▲ガラスの装飾が美しい建物でヴィクトリア州重要文化財にも登録されている
▲「Second Empire(第二帝政)」スタイルという建築スタイルに強い影響を受けたという
▲「キャッツ」、「ウェスト・サイド・ストーリー」、「サウンド・オブ・ミュージック」など有名な作品が上演されてきた
Princess Theatre
163 Spring Street Melbourne VIC 3000
Ryo
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