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Secret Wars -Semi Final 1-

本物のストリートアーティストを間近で見るまたとないチャンス!

今回はSecret Warsという、既にヨーロッパでは16都市で開催されているペインティングバトルのセミファイナルに出かけた。オーストラリアでは2010年のシドニーに次いでこのメルボルンでの開催が2回目。

今後パース、ブリスベン、そしてUSA,NZ,アジア各国での開催も計画中。元々2006年にアーティストの街・イーストロンドンから始まったこのイベント。90分の時間内に筆とインクだけを武器に、2人のアーティストが真っ白なキャンバスの上で競い合うというその名のごとく戦争だ。

観客はDJの流す音楽を聞きながらそれを観戦。勝者は90分後に観客とジャッジの手によって決められる。オーストラリアの主催者Shannonさんは、90分の間に何もないキャンバスの上で、アーティストの手によって作られていく作品を見ることが、いかに特別な経験かを感じてほしいと言っていた。 

         
Shannonさん

今回の出場者の1人で、小さい頃からコミックの世界にはまり、学校でも授業より猫やウサギの絵ばかり描いていたというメルボルン出身アーティストPierreさん。映画、テレビ、アニメ、ストリートアートと日常生活のあらゆることがインスピレーションの素になるらしい。どのように自分の作品を見てもらいたいか?と聞くと「エンジョイ!」と明るく答えてくれた。

       
Pierreさん

このSecretWarsへの参加はシドニー大会を見たときに、メルボルンで行われるなら是非参加したいと、主催者に話しかけたのがキッカケだそうだ。コミックファンな彼だけに、彼の作品にはストーリーが感じられる。メッシー(乱雑)なのが特徴だと言っていたが、確かに筆の雑さが生かされてる作品に思える。東京に是非行ってみたいと言ってたピエールさん。もしかすると近い将来、東京で彼の作品を見ることができるかもしれない。今後コミックブックのイラストレーターとして生計を立てていきたいと、根っからコミックを愛する要チェックのアーティストだ。今回は残念ながら負けてしまったが、今後の彼に注目していきたい。

そして今回見事ファイナル戦へのチケットを獲得したのがSCALEさん。10年のgraffitiのバックグラウンドを持つ彼の絵はとてもダイナミックで、キャンバスに描かれた大きなキャラクターは観客の目に強い印象を残す。

      
SCALEさん

写真を撮るのも好きという彼。街を散策する中であらゆることから影響を受け、いろんな分野で幅広く自分の作品を広げて行きたいと今後の豊富を語ってくれた。ソロの展示会も近いうちにあるらしく、彼の作品のファンが増えることは確実だ。

2ヶ月後の4月13日に行われるファイナル、楽しみになって来た。今回のこの記事でSecret Warsに興味を持った方に、グッドニュース!もう1つのセミファイナルが3月9日にあることをお知らせしたい。Secret Warsのサイトからチケット購入可能だ。

数多くのストリートアートが世界各地で見られるが、ここメルボルンもまさにその1つ。このイベントが毎年世界に広がってるいるのは、ストリートアートに対する人々の評価が高まってる証拠だと感じる。ここ10年でストリートアートは数多くの才能あるアーティストの手によって、アンダーグラウンドの枠を超えてきている。有名なストリートアーティストの作品はオークションにかけられるほどだ。

ストリートアートのほとんどはコミッションが入らない。ただアーティストが自己主張のために描いてるものがほとんどだ。’少しでも多くの人に自分の作品を見てもらいたい’ そんな気持ちが彼らの作品には込められている。そんな彼らを表舞台に出す助けをしているこのSecret Wars。今後も応援していきたいと強く思う。

 

※ちなみに日本でも2007年に1度開催されており、またそれ以降Secret Wars開催を待ちわびるファンも数多くいるとのこと。Secret Warsが再び開催される日もそう遠くはなさそうだ。

     

Secret Wars website:
http://www.secretwars.com.au/melbourne/#/home

The Venue:
‘1000 £ Bend’
361 Lt Lonsdale st, Melbourne VIC 3000
http://thousandpoundbend.com.au/

Pierre Lloga’s blog:
http://pierredrawsstuff.wordpress.com/

※SCALEさんのサイトは現在更新中。ファイナルまでにはできあがるそうです。
 

 

 

2011年2月11日掲載
写真・文:兼重貴子 (Written and Photographed by Takako Drew)

コメント

以前のコメント

イベントかっこいい   (2011-02-15)
写真もかっこいいですね!!

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