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【レポート】 高知柚子をオーストラリアへ―PRイベント開催

高知柚子の未来を拓く豪州第一歩

[ 1/Mar/2014 ]

 高知県産の柚子をオーストラリアに広めようと、メルボルンのシェフらを招いて魅力を伝えるプロモーションイベント(高知県、TRYBER Pty Ltd主催)が2月27日夜、市内のRACV City Clubで開かれた。産直の新鮮な柚子果汁をふんだんに用いたデザートやカナッペ、郷土料理が振る舞われ、参加者からは「素晴らしい香り」と驚嘆の声が上がった。

 

 

 イベントは、近年西洋料理界で「新しい食材」として注目を集める柚子の販路拡大を狙って開き、オーストラリアでは初めて。世界各国の食文化がひしめき合い、新しい食材も比較的受け入れられやすいメルボルンに焦点を合わせてプロモーションを展開。最前線で腕を振るうレストランやカフェのシェフを中心に卸売業者や地元メディアなど129人が招待され、爽やかな香りが立つ料理に舌鼓を打った。

 

 

 満員となった会場には、いずれもメルボルンの名店でシェフを務めるPierrick Boyerさん(Le Petit Gateau)、Mark Normoyleさん(RACV City Club)、北原亮さん(Third Wave Cafe)、荒金育英さん(Feathertop Winery)の4人が工夫を凝らした料理約20品が次々と運ばれてきた。柚子胡椒を使った鳥の照り焼きや柚子ポン酢で食べるカツオのたたきといった高知県の郷土料理をはじめ、黒ごまと柚子のマカロンや柚子と味噌のソースをかけたエッグベネディクトなど独創的な一品も並んだ。

 

 

 柚子の香りと酸味を生かしつつ、美しく日本風に盛られた料理の数々に、参加者は興味津々の様子で写真を撮ったり、味わったりと大忙し。オーストラリア調理師連盟(ACF)で委員会メンバーを務めるEnzo Frisiniさんは「ほのかながら決定的な味がする。香りも素晴らしい。(もし検疫が許すなら)生の果実も食べてみたい。インスピレーションをもらったよ」と笑顔。シェフのJeffrey Tanさんは「本当に素晴らしい料理ばかりだった。使う側としては(柚子果汁の)供給体制がしっかりしていることも魅力だね」と語った。

 

 

 また会場では、いずれもメルボルン在住で書道家の東川潤子さんや三味線奏者の只野徳子さん、 箏奏者のBrandon Leeさんの3人が演奏や書道パフォーマンスを繰り広げ、来場者を日本流でもてなした。菊水酒造の試飲ブースや、柚子を使った足湯体験コーナーも設けられ、心地よいぬくもりと香りに包まれて満面の笑みを浮かべる参加者の姿もあった。

 

 

 高知県シンガポール事務所の服部雅幸所長は「単純そうに見えて、気候や地形などの条件が揃わないと良い柚子はできない。実だけではなく、皮ごと絞り込むので香りが強いのが高知県産柚子の特徴」と魅力を売り込みつつ、「日本料理だけでなく、地元の西洋料理のレストランにもっと使ってもらえるよう広めていきたい」と言葉に力を込めた。

 高知県によると、栽培に寒暖差や急傾斜地を必要とする柚子は現在日本と韓国の一部でしか育てられておらず、年間約1万1000トンを生産する同県は国内シェア50%のダントツ一位。将来的な人口減少に伴う国内需要の低下予測を背景として、柚子の独自性と競争相手の少なさに着目して5年ほど前から輸出に力を入れ始めたという。PRイベントの開催は、2011年のパリ、2013年のシンガポールに続いて3回目となる。

 

 

 柚子をめぐっては、近年、グルメ界を牽引するスペインの有名レストラン「エル・ブジ」の料理長フェラン・アドリアさんが好んで使用したことから、現代的な西洋料理にも取り入れられる機会が増えてきている。

イベント運営会社:海外マーケティングなら -トライバー(TRYBER Pty Ltd) -

 

Report & Photos: 斎藤 康史

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