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RACVエグゼクティブシェフが語る

Mark Normoyle氏インタビュー

2011年8月18日掲載

 

 

Mark Normoyle氏

■Profile

シェラトンホテルグループのUluru Ayers Rock resortにて見習いとしてそのキャリアを始めたMark氏。モダン・オーストラリアンダイニング、Kunia でDemi-Chefを勤め、5つ星ホテルであるシェラトン・ミラージュホテルに着任。その後「食の都」メルボルンに移り住み、Hotel SofitelでSous Chefとして活躍。オーストラリアでも名高いプライベートクラブ、Australian Clubでシェフとしてそのキャリアを極める。2009年よりRACV City ClubにてExecutive chefとして、彼の指揮するキッチン・チームと共に最高の一皿を提供している。

 

 

 

-まずはRACVでのお仕事について教えて下さい。

15歳で学校を卒業してからすぐに料理の道に入り、25年になります。色々な所で仕事をしましたが、今はRACVのエグゼクティブシェフをしています。私達の厨房は85人のチームに7人の見習いという、ホスピタリティー業界でメルボルンでは二番目の規模なんですよ。みんな料理に対して情熱を持っているし、Iron Chefの様な素晴らしいイベントにも関わらせてもらったり、国内外からシェフを招いたりしています。私達にとっては最高の職場です。私はもうここに9年もいるんですよ。その間にプロモーションやトレーニングの為にタイ、シンガポール、マレーシアやドバイなどへ行く機会にも恵まれました。RACVはトレーニングに高額の投資をしてくれます。去年は日本へも行き、1週間半滞在しました。東京と大阪へ行きましたが、特に大阪はとても楽しかったです。 RACVは大きな会社ですが、更に拡大し続けています。RACVといえば、車や保険で有名ですが、ホスピタリティー面でも急速に成長しています。



-Iron Chef イベントを行うにあたりどんな苦労がありましたか。

私達はシェフとして常に新しいチャレンジを求めています。今回のIron Chefイベントもやれと言われてやった仕事ではなく、私から是非やらせて欲しいと申し出た仕事なんですよ。メルボルン初のIron Chefイベントに関われて嬉しく思います。JTBにサポートして頂きながらきんさんと私で指揮を執りました。初めてきんさんに会った時は、素晴らしい発想力の持ち主だと感じました。私がこのイベントをやりたいと言うと、彼が賛同してくれました。そこから始め、実現させたのです。お金の事ももちろん考えなければいけませんでしたが、目標はお金ではなく、イベントを素晴らしいものにする事が重要だったのです。適切なメンバーを集め、チームを盛り上げました。皆1日15時間も働いていましたが、楽しんで取り組んでくれたので、彼らがチームにいてくれる事をとても誇りに思います。


-坂井シェフの印象についてお聞かせ下さい。

彼はシェフとしてももちろん優れていますが、ゴルフの腕も良いですよ。
坂井シェフが彼のチームからとても尊敬されているのが感じられ、感服しました。彼は、礼儀正しく、真に素晴らしい人です。料理の鉄人としては最も有名なシェフの一人だと思いますが、テレビではいつも笑顔の彼を見て、実際にキッチンに立つ坂井シェフはどんな人だろうと思っていました。でも彼はキッチンでも何も変わりませんでした。やはりとても礼儀正しく、フレンドリー。
私が驚く程準備で大忙しでしたが、「シェフ、写真を撮ってもいいですか?」と言われれば、「もちろん。」と快く答えるのです。彼のチームも優秀で、料理も最高でした。本当に素晴らしい人物です。



-では陳シェフの印象は?

彼も同じく素晴らしい人でした。
私は中華料理にはあまり関わった事がなかったのですが、そこで学んだアワビの調理法はすごかった。彼の息子さんの健太郎氏とも親しくなりました。
Iron Chefはバトルではあったけれど、皆がお互いに助け合って成し遂げたイベントです。
陳シェフや坂井シェフの人格の良さが協力したい気持ちにさせるし、彼らもそうしてくれました。



-Iron Chef イベントで一番印象に残った事はなんですか。

何よりも、皆が一丸となって取り組めた事です。料理界でのスター的存在の彼らに直接お会い出来ただけでも嬉しい限りです。25年間調理をしていますが、始めから終わりまで関われた最高のイベントとなりました。料理にも大満足でしたが、皆が協力し合い、そして皆が楽しく取り組め、本当に良い思い出になりました。



-マークさんとシェフの皆さんは強い信頼関係で結ばれている様ですが、そのヒミツは何ですか。

何よりもまず、適切な人材を選ぶ事です。スキルレベルは重要ではないのです。重要なのは前向きな姿勢です。私が求めているのは料理に対しての情熱です。今までどこで学んできたかや、どんな知識を持っているかではなく、もっと学びたいという意欲や情熱を持っているかを問うのです。RACVはスタッフの養成にはとても力を入れているので、人格を認めてもらえれば、投資をしてくれます。スタッフの移動も少なくて有り難いです。 仕事量のバランスも大切だと感じています。意欲をかきたてるのも大事だけれど、ストレスになっても良くありません。私は楽しむ事もとても重要だと考えています。また、総支配人もキッチンハンドも重要度は変わらないと思っています。怒鳴ったりせず、お互いを尊重しながら仕事をしたいのです。仕事は人生の大きな一部です。なので、人生を楽しむ様に仕事も楽しむべきだと思います。
 


 

-メルボルンの食の特徴や最近のトレンドは何ですか。

メルボルンは常に発展し続けていてとてもおもしろい街です。たくさんの種類の料理がありますが、最近は日本食が流行始めているように感じます。中東料理が人気だった時期もありました。最近は何料理にしても、モダンなスタイルが旬ですね。イタリアンにフレンチの他にも、インド料理も人気が出てきています。以前は小さいテイクアウェイのお店がほとんどでしたが、これからはインド料理の高級店も出てくるのではないかと思います。イタリアンスタイルのインド料理なんかもあるかもしれませんね。メルボルンは多文化で、それこそがこの街の味だと思います。フュージョン、いや、コンビネーションですかね。

 

-マークさんにとって料理とは何ですか。

世界で一番いい仕事でもあり、悪い仕事でもあると思います。
若い子達がテレビを見て、3ヶ月でMaster Chefになれるのか!と思ってしまうかもしれませんが、そう簡単な事ではありません。訓練を積まなければいけないし、はじめの10〜15年はそんなに給料が高いわけではありません。夜や土日、クリスマスや自分や友達の誕生日でさえも働かなければいけない事もあるのです。その様な事が苦痛であれば、楽しい仕事と感じるのは難しいかもしれませんね。この仕事では、食べ物や料理に対する愛と情熱が最も大切です。



 

-尊敬するシェフはいらっしゃいますか。

ある特定のシェフではなく、それがキッチンハンドでもウェイターであっても、向上心のある人を尊敬します。私達は皆、目標にする人を持っているべきですね。

 

-RACVの会員でない人はどこでマークさんの料理を楽しむ事が出来ますか。

直接連絡してくれれば私のレストランに招待しますし、RACVのクラブ会員のお知り合いがいれば、ゲストとして来て頂くのが一番良いでしょう。

 

-Iron Chef イベントについてコメントを頂けますか。来年も開催する可能性はお考えですか。

あのイベントは本当に良いものとなりました。鉄人達がどれ程人気があり、優れているかも知っていましたが、お互いシェフとして向き合う事が重要でした。
朝7時から夜10時まで働き続けるのは楽な事ではありません。それはシェフとしての仕事ですが、そのような時に、笑い、楽しみ、誇りを持ちながら働く事が大切だと思っています。なので彼らにも出来る限り楽しんでもらいたいと思いました。
また、きんさんがイベントの為に尽力して下さり、大成功に幕を閉じたと思います。



反響も本当に良く、ネガティブなコメントは全くありませんでした。今まで行ったイベントの中で一番良かったとまで言ってもらえます。1ヶ月経った今でも「来年もやるの?」とか「イベントの写真を送って欲しい。」などのメールをもらったりします。こんなにすごいイベントに関われたのは始めてです。支配人もとても協力的で、予算や売り上げに関して心配する必要はありませんでした。ただ、良いイベントにしたかったのです。そんなRACVの様な組織で働ける事を幸運に思います。

イベント後には、鉄人達とゴルフや食事に行けたのが良かったです。空港にも行きましたし、今では親しい仲になりました。私達シェフはお互いいつも助け合っています。どこの土地から来たかなんて問題ではないのです。他のシェフを自分の厨房へ呼ぶ時は、自分の家に招待したゲストの様に接します。今回のイベントを通して、ネットワークも広がり、Duck Duck GooseやTriceangleのシェフ達とも知り合う事が出来ました。これからは彼らとも助け合っていきたいです。もちろん競合相手ではあるけれど、それでも仲間なんですよ。



-GO豪メルボルンをご覧の皆様に一言お願いします。

鉄人達と一緒に仕事をしたのは今回が初めてでしたし、日本の文化や日本人と深く関わったのはきんさんが初めてでした。感じた事は、彼らのやり方と私のやり方は似ているという事でした。私も彼らの様に、質を大切にするし、近道もしない、人を助けるのも好きで、礼儀正しくいたいし、チームとして仕事をするのも好きです。今回のイベントを通して、日本の文化や日本人の仕事の仕方が好きな事に気付きました。



-マークさんありがとうございました!

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