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『宇宙(そら)の約束 ーいのちが紡ぐ愛の詩ー』上映リポート

映画に込められたメッセージとは ?!

感動ドキュメンタリー『1/4の奇跡』の続編である『宇宙の約束ーいのちが紡ぐ愛の詩ー』が7月24日、クレイトン・コミュニティセンターで上映された。
弊社ライター、石井美紀による感想をご紹介する。

 

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映画に登場するのは、石川県の養護学校で教諭を務める山元加津子さん(愛称かっこちゃん)とその生徒たち。かっこちゃんはいつも考えていた。「どうして色んなことがうまくいくようにできているのか」と。桜はどうして時期を間違えることなく春の暖かい時に咲き誇り、どうして梅雨の時期には毎年決まって雨が降るのか。

かっこちゃんが、イスラエルの「嘆きの壁」を訪れた時のこと。そこでかっこちゃんが目にしたものは身体を前後にゆらしながら神様にお祈りしている人の姿だった。そして、その前後に身体を揺らす動作と養護学校の自閉症の生徒の動作に共通点を見つける。学校にいる別の自閉症の女の子はずっとハンカチをまわしているけれど、ネパール人がマニ車を回しながら祈っているのと同じだと感じる。かっこちゃんはそんな動作を思い出し、子どもたちは祈っているのだという。何をもってその行動を起こすのか謎ともとれる動作が、実は意味を持っているのだ。

「色即是空(しきそくぜくう)」。般若心経の中の言葉で、全てのものは空でできている、空は全てを創るという意味である。最初の人間は誰が創ったのか、どうして自然が生まれたのか。どんなに科学が発展しても科学だけでは証明できないものがある。そのことがこの般若心経の言葉のヒントになっているようだ。

「私たちは何か大きな掌の中で生かされている。何かが創られる時に『あなたはこういう風に生きていったらいいのだよ』と宇宙と約束をし、宇宙とつながろうとしている」とかっこちゃんは語り、その想いを一つの詩に表現する。

全てのものには意味があって、今目の前に起こっていることが、いつかのいい日のためにある。
映画から送られた生きる意味を訴える温かいメッセージが観客の心に響いた。
観客で埋め尽くされた会場の客席からは、涙を流す人も少なくなかった。「生きるとは何か」という大きなテーマを様々な角度から考えさせられる映画であった。



「宇宙の約束 -いのちが紡ぐ愛の詩-」
作品データ:
・2008年12月完成
・ドキュメンタリー 94分
・監督:岩崎靖子 プロデュースコーチ:入江富美子 撮影・編集:小野敬広
・主な出演:山元加津子 村上和雄 船戸祟司 ほか
・制作:E・Eプロジェクト
・制作協力:ひとさじの砂糖ムーブメント
・配給; ハートオブミラクル 

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