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ANE E-News November 10-003

1)教育医療11月号よりの抜粋 “音楽の力はすべての人に” LPC理事長 日野原重明

2010年9月24日25日、日本音楽療法学会の第10回学術大会が開催されました。日本でも近年は病院や老健施設、ホスピスなどで音楽療法が盛んに用いられています。しかし音楽療法士は、他の医療従事者、たとえば医師や看護師、PT、OTなどの職種と違い国家資格が適用されていません。そのため、音楽音楽療法士の専門性と質を保つために日本音楽療法士学会が資格を認定しています。

日本音楽療法学会には現在6千人の登録者数がありますが、2010年3月の時点で認定音楽療法士は1871人です。また、音楽療法学会の調べでは、全国で音楽療法を取り入れている施設は6991施設ありますが、多くの音楽療法士は非常勤のままです。

音楽療法という概念は1940年ごろからアメリカやイギリスではじめられました。日本に導入されたのは1955年ごろからです。以来、先駆者の方々の努力によって日本における音楽療法の歴史が築かれ、2001年に音楽療法士のレベルを高める目的で日本音楽療法学会が発足しました。

音楽の力というのはその人の魂とか命というものに直接呼びかけるものだと思います。あるときは魂を揺さぶるような、またあるときは傷ついた魂を揺さぶるような、またあるときは傷ついた魂を芯から解きほぐしてくれるような力を持っています。みなさん、想像してみて下さい。音楽が無くなったらそれはどんなに無味乾燥な世界になる事でしょう。私たちは知らず知らずのうちに、音楽の持つ大いなる力の恩恵を受けているのではないでしょうか?(抜粋終わり)
The Japanese Music Therapy Association (JMTA)  


2)PILCH  (Public Interest Legal Clearing House )

Not for profit の法律相談機関です。法律上の問題がおこった時、事務弁護士(Solicitor)や法廷弁護士(Barrister)が頼まれて無料で顧客や裁判所で弁護にあったりしますが それは正式でなかったり一辺倒だったりしていました。1992年、Vic州ではNSW州につぎそれを正式なシステムとして協力してくれるPro Bono弁護士団体として始まりました。小さな団体や見過ごされている団体が 「公共のためになっている」と判断した場合に相談にのってくれる法律相談所です。みなさんも他のNPO団体を作られた時に必要かもしれませんので お知らせします。www.pilchi.org.au/runningtheorg/ (電話番号 8636-4444)

NPOの団体であり設立の目的が公共のためであるかどうか質問されます。状況を説明し、「PILCHが取り扱えるかどうか調べて誰かが今日中に返事をする」と言われます。本当に電話がかかってきました。担当官は「書類の審査はしないので、あなたが話した内容でアドバイスをする。5分から20分の内容で書面にはしないので書き取りなさい」とおっしゃいます。電話越しにも優しい弁護士さんだと分かりました。組織にはいろいろ決まりがあり、簡単にまとめたものを(上記のWebで)見ることを勧められます。もし問題が解決しない時、こじれた内容だとほかの法律機関に紹介してくれます。個人のお客様(避難民、経済的に豊かでないがリーガルエイドに頼めない場合、ホームレス、シニアの人がElder Abuseにあった場合も相談にのってくれます)かNPOの団体に限られます。人道的な個人の権利を守る目的で貧困者を助けます。メンバーは法律会社がリストに載っていますが、個人の弁護士や法律事務所からのボランテイアで「時間」を提供してこのサービスを提供します。法律に関する問題は起こらないに越したことはありませんが、もしそのような場合に誰かに相談したいときには覚えておいてください。


3) Western Health Volunteer  

8月から11月まで、高齢者施設でのボランテイア活動を2組のグループの看護師さん、介護士さんが行ってくださいました。既に日本に戻られた学生の方もいますが、簡単に報告をまとめておきます。

ボランテイアのきっかけ:
日本の看護師介護士の方たちが「英語学校で勉強しているのだけれど日本に帰る前に現場で様子を体験したい」と希望しました。こちらでボランテイアをする場合、ポリスチェックをする、訓練を受ける、最低6ヶ月は勤めてほしいなどいくつかの条件がありますが、ANEが団体としてボランテイアのみなさんの身元保証、面接前の準備、ボランテイア中の責任を取るということで事務局のあるHobsons Bayの団体に連絡をしました。Western Healthのボランテイア担当者の方が「それでは試してみましょう」と協力をしてくださり、実験的に数ヶ月試して見ました。

面接の準備:
Resumeをいただき下見をしましたら、日本で取っている資格や経験が英語のResumeに反映されていないこと、語学学校で教えてもらったのか書式がみな似ている事(これでは審査の人が判断がつけにくいでしょう)、基礎的な間違いが多いこと(スペルミス、大文字、小文字、コンマの使い方など)があり、勉強会などを持ちながらResumeの完成をしました。語学学校で3ヶ月、6ヶ月、1年間勉強なさったはずですが、発音や「しゃべること」ができないのにあっと驚いてしまいました。発音を中心にアキノ先生に特訓をお願いし(申し訳なかったのですが先生もボランテイアでお願いしました)、ともかく面接で答えられるくらいにはこぎつきました。発音は一人一人癖があるので 「個人授業」になり、2回、3回と続けるうちにみるみる皆さんの発音が、話し方が上達しました。語学学校では習わないのかしら?と不思議に思いました。面接を通り、身分証(写真が入った証明書で施設に入る時に必要です。終わったあと記念にもって帰るようです)を作ってもらい、1日1時間で週3回のボランテイアの条件が決まりました。

交流の様子:
学校から飛んできて、たった一時間、住んでいる場所によっては通うのに1時間半かかる方もいましたし、「実験」のためあまりよい条件でなかったことをお詫びします。高齢者施設のボランテイア担当者が病気がちで、わざわざ来たのに「今日はタマラがいないから仕事は出来ない」といわれた時もありました。反省の一つです。反対に施設側に迷惑をおかけした部分も多かったのではないかと思います。まず施設の説明、毎回来た時に仕事の内容の説明などオリエンテーションを行っていただきました。第2チームが仕事に就くときは、この橋渡しをチームのメンバーで行ってもらいました。始めの2週間は 「レジデント(入居者の方)たちに話しが出来なかった」「何を話せばいいのか分からなかった」「話しかけたのに返事をしてもらえなかった」など、言葉の限界を経験したようです。3週間目から「顔を覚えてもらえた」「名前を呼んでもらえた」「日本のこういう習慣を説明した」と反応がでてきた喜びの声が出てきて、施設のアクテイビテイに参加し、ビンゴの手伝いをしたり、ハンドマッサージやマニュキュアをして「体温」の交流があったようです。認知症の出ている方から 「今度はいつ来るの?」と最終日に聞かれて「もう来ない」とは言えず「また来週」といった方もあり、少しの間に生まれた信頼関係ができるまでになったことがうかがえます。ボランテイアのかおりさん、卒業生(?)からの感想です。

短い期間だったが、とてもよい経験ができた。日本とオーストラリアのナーシングホームは雰囲気もレクリエーションも違うものだった。しかし、共通してしる事はコミュニケーションの大切さだと思った。相手が何を考え、何を求めているかを理解することとで、質の高いケアができるのだと思う。それは、ナーシングホームだけではなく、一般病棟でも同じだろう。日本に帰った時、この経験を次のキャリアにフィードバックし、自分のケアにいかせたらと思う。

興味深かったのは「オーストラリアのレジデントはきれいに着飾るのがお好き。メーキャップをほどこし、アクセサリーをつけ、美容師さんに髪をきれいにしてもらったり、私達のマニュキュアに色の注文をつけたり。日本ではトレーニングウエアなど介護する者が介護しやすいことを考えていて「きれい」になりたいというご本人の考えを考えていないようだけれど、いけないのではないか?」と反省をしたり、ご主人と仲の良いおしどり夫婦をうらやましいと感激したり。アニマルセラピーの小さな動物たちが訪問した時には、私達のボランテイアのほうがレジデントのみなさんより楽しそうにうさぎやモルモットと遊んでいたりしていたことでしょう。

現場のスタッフは各レジデントの方の記録をとらなくてはいけないので、その練習もレポートを毎回提出という形でお願いしました。初めのレポートは小学生の作文みたいな文章でしたが、毎回こちらもうまくなり、レジデントのパーソナリティー、状況の説明、日豪の介護の比較、自分ならどうする、日本に帰ったらこうしたいという「自己表現」ができるまでになりました。最終的なレポートをボランテイア担当の方に送ったら 「きちんと教えてくれてありがとう。今後の参考にします」とのことで、近いうちに話し合いをする予定です。「実験」のモルモットになってくださったボランテイアのみなさんが「真面目・誠実・時間に遅れない・やさしい」デモンストレーションをしてくださったことを感謝します。来年は、ボランテイアを始める前にもう少しきちんと勉強会をする準備をしています。臓器移植リサーチ・チームとのネットワークもできたようですし、「こちらでもう一回勉強をやり直すため日本に出稼ぎ(?)にいってまた帰ってきます」とおっしゃる方もいますし、難しいといわれているOETのテストにチャレンジしたいとおっしゃる方もいます。(既にOETのテストに受かり、こちらでお仕事をなさっている方と連絡が取りたいそうです。現場でお仕事をなさっているとお忙しいでしょうがご連絡お願いします。)


4)ANEでは目的の一つに日系人のための高齢者施設の準備をあげています。

先週、日本の特別養護老人ホームにお勤めのゆりこさん(日本からのお客様)を紹介していただき、この前提でいろいろ話しをしました。話題の中で上記のような、今ANEのボランテイア活動に力を貸してくださっている看護師さんや介護士さんの勉強問題、こちらで資格が取れなかったけれどオーストラリアで学んだ知識を実践に日本でおこないたいと希望していることをお話ししますと、ゆりこさんは「兵庫県にある三つの特別養護老人ホームの施設での受け入れが可能ですし、来年4月には千葉の新鎌ヶ谷にオープン予定の施設もありますので私に連絡を下さい」とおっしゃってくださいました。ご自分もこちらで介護の勉強、実習にいかれたので、「日本とオーストラリア両方の良い所がいかせるような施設をつくりたいですね」とおっしゃっています。また年が明けたらメルボルンにいらっしゃるご予定だそうですので、看護師さんたちと話し合いながら少しずつ夢の実現に続くよう、話し合いの機会があればよいでしょう。


5)Whirling Dervishes of Rumi - Sheb Arus: Commemoration of Rumi's Wedding with Eternity

今年6月14日にFederation Squareに来た、長いスカート状のコスチュームでくるくる回る宗教的なダンスが12月17日にMalvern Town Hallであります。お見逃しになった方はどうぞお越し下さい。

On Friday the 17th of December, the AIS in collaboration with Mevlevi Australia and Istanbul Culture & Arts Centre will commemorate Rumi's wedding with eternity (Sheb Arus) with a Sema ceremony accompanied by Whirling Dervishes and Sufi music. The program will commence 7.00pm at Malvern Town Hall, corner Glenferrie Rd and High Street, Malvern Victoria, Australia. Prior to the program there will be an art exhibition with live demonstration of the Ottoman art of Ebru painting.
This is a free entry event hence the Australian Intercultural Society welcomes all those who are interested...Date: Friday 17 December 2010 - Malvern Town Hall Corner Glenferrie Rd & High St, Malvern Victoria - Australia

Free event, All Welcome!
The flyer link is: http://www.intercultural.org.au/images/stories/sheb%20arus%20flyer%202010.jpg


6)Reminder メルボルン邦人における臓器提供意識調査-質問票の回収、分析、最終レポート準備 

11月20日土曜日のお昼頃、勉強会ならびに考察会を行います。 ANE Williamstown 事務所 (私宅なのでご参加の方にお知らせします) にて。専門者からの立場、何も知らないが興味があるというかた、意見は分かれたほうが良いので色々な立場からのご意見を聞かせてください。 Kirikoさんが「看護師に対する移植への意識調査の結果も持参したい(パソコン持参します)と思います」とおっしゃっていますが、病院、医師、本人が移植希望(Donor)でも家族が同意しない場合、賛成・反対という意見ではなく 実例など 「考える事」を目的とした集まりです。 軽食を用意しますし、週末は電車が遅れたり無かったりしますのでお昼頃集合。早く来た方に準備を手伝っていただきますのでよろしく。
Cateringのためご参加希望の方は お知らせ下さい。12月末のレポート作成まで時間が短くなっています。 もしご出席いただけない方でご意見・お問い合わせなどありましたらE-mailあるいは電話をお待ちしています。 


7)  Kotoさんの South Yarraのクラス     

♪絵手紙 South Yarra のクラスです♪ 
クラスの予定・・・残り2回になりました。和菓子づくりの練習にも余念が無いようです。みんな食べる事が大好きなので予約をお忘れなく。11月18日は、クリスマスらしい物を描こうと思います。前回、消しごむスタンプが好評だったので押すだけでも楽しめるやり方もご紹介できたらと思っています。 最後の12月2日は「和菓子作りに挑戦」。
お楽しみに!!

場所:South Yarra Community Centre  65 Toorak Road West, South Yarra 3141
Tel:9820-2760 
時間: 午後1時半から仕上がるまで。材料は用意します。  
材料費・お茶代:$5 ぐらい
予約・お問い合わせ:
ホランドこと 
℡0425258373 または yonbunnoichimel@gmail.com


8)非営利クラブのよんぶんのいち・メル会です。今月の上映会のお知らせです。
第4回上映会 ドキュメンタリー映画『未来の食卓』 http://www.uplink.co.jp/shokutaku/
監督・プロデューサー: ジャン=ポール・ジョー
フランス映画 日本語・英語字幕 2008年製作 上映時間 112分

「美こそ世界を救う」に込められた ジャン=ポール・ジョー監督の想い
「環境問題を考えたとき世界を変えていくには、子供たちと母親、そして未来の母親である女性の存在が大きいと思います。この作品を作るにあたって私は最後に希望を必ず残したかったのです。今すぐに行動すれば希望は失われないという希望です。ドストエフスキーはこういいました“美こそ世界を救う”と。 この作品は自然の美しさへのオマージュです。そして自然の美しさを守る事こそが子供たちの未来を守る事だと私は信じているのです」

食卓から始まった小さな奇跡が、人々の幸せを紡いでいく南フランス・バルジャック村の1年間を描きオーガニックブームを巻き起こしたドキュメンタリー! 美しい自然に囲まれた南フランス、バルジャック村。ショーレ村長は子供たちの未来を守るため“学校給食と高齢者の宅配給食をオーガニックにする”という前例のない試みに挑戦しました。大人たちは「オーガニックは値段が高いのに、村の財政でまかなえるのか」と戸惑っていましたが、オーガニック給食や学 校菜園での野菜作りを通して自然の味を覚えた子供たちに巻き込まれ、小さな村は少しずつ変化していきます。映画の冒頭、ユネスコ会議での「あなたの周りに、がんや糖尿病にかかった人はいますか?」という健康科学研究者の問いかけに、出席者のほとんどが挙手しました。ヨーロッパでは、癌や糖尿病などの生活習慣病の70%は食習慣を含む、環境に原因があると言われています。あなたはこの数字をどのようにとら えますか?

◎日時:11月21日 日曜日 
◎時間: 13時 開場  13時30分~ 日本語字幕  16時~英語字幕
◎場所:クレイトンコミュニティセンター シアター MELWAY B793
◎チケット:事前予約 大人12ドル 子供7ドル(定員132席)

ご予約は yonbunnoichimel@gmail.com または 0425258373 まで


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P.O.Box 489 Williamstown, Vic Australia3016
Tel:+61-3-9397 8421
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