備えあれば憂いなし
更新日: 2014-01-13
メルボルンに来て2日目。
隙間風の入る4人部屋で熟睡した僕は、新しい朝を迎えました。
いやいや、もう昼過ぎだ。寝すぎた。
よし。今日は、日本の知り合いに紹介してもらったメルボルンで有名な日本人ロースターの方に会いにいこう。
髭をそり、服を着替え、リュックにパスポート、お金、ミルクジャグを入れた。
ミルクジャグは持ち歩くのは面倒だったけど、いつコーヒーを作るチャンスがきてもいいように
使い慣れたものを持ち歩くことにした。
そしてキャリーケースの鍵を何度もチェックしてバックパッカーを出た。
移動手段は鉄道電車の他に、トラムという路面電車が沢山走っています。
メルボルンでは便利なトラムを使い、そわそわしながらそのロースターさんのいるカフェの最寄のトラムストップでなんとかおりました。
(はじめまして、日本から来ました。下山と申します。)
と心の中で呪文を唱え、店に着いた。
「あっ!」
なんとお店は定休日。
日本のカフェチェーン店で働いてた時には、休業日はなく、毎日朝から夜まで働いていたので意外でした。
よし。今日はぐるぐるして帰ろう。
きょろきょろ寄り道をしながら1時間程歩き
疲れたので、近くのコーヒーショップでフラットホワイトを飲みました。
これが、フラットホワイトか!!
ラテとの違いもよくわからなかったが、、まずは体験し感じようと思った。
5分もしないうちにスタッフがテラス席を片付け始め、背中に視線を送るプレッシャーに負けた僕は
帰ることにした。
そして、トラムを待っている夕方の6時頃。
トラムストップ前、その隣、道路を挟んで向かいのお店(飲食、ショッピングモールなど)ほとんどが6時で閉まりました。
営業時間が6時まで。これで商売ができるのがすごい。
売上、人件費、利益、税金は日本とどう違うんだろう、ふと疑問を抱きながら帰路に着いた。
メルボルン3日目。
この日はとても寒かった。
隙間風が耳元で囁いてるかのようで、布団の中でしばらく芋虫になった。
そうだ、会いに行かなければ。
今度は手馴れた感じで、スムーズに店に着いた。14時35分。
今日は営業している。店の中を覗き込んだが、日本人らしい方はいない。
どうやら14:30までだったらしく、さっき帰ったよと言われた。
日本で働いている時、終業時間とともに店をでた事がなかった僕は
少しの驚きと、今後の働き方は変わるんだと肌で感じた。
その後、シティでよく見かけるのですが、ここオーストラリアでは終業時間とともに、オフィスワーカーが一斉に帰ります。
6時終業なら、6時2分にはビルの外で家路を急ぐ人で溢れています。
とは言え、また会えなかった。どうしようもないので、また近隣を散策。
ふと老舗のような焙煎したコーヒー豆を売るお店がありました。
''CISCO'S coffee roaster ''
折角メルボルンにきたし、次は焙煎を習うか、仕事ありますか?と聞いてみようと中に入った。
いろんなコーヒー豆が売ってあった。棚にはコーヒーの器具も置いてあった。
わー見たことないミルクジャグがある!と手にとって見ていた。
「こんにちは。ミルクジャグを探しているの?」
と笑顔の優しそうな店主のダニーが声を掛けてくれた。
「いいえ。見てるだけです。」
「OK.ゆっくりみて」
ほんとにゆっくりと棚にある全ての器具をみた。すごく興味津々だった。
そして見ながら考えた。
こんなにもじっくり見て、いきなり仕事ありますか?と聞くのは失礼か。。。
もう閉店間際だしお礼いって帰ろう。
「Thank you very much !」
「That's OK. ところで、君は日本から来たの?バリスタ?」
「Yes」
「じゃあ、コーヒー作ってみる?」
「ん?」
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええこんなに早くチャンス来たーーー笑ええええええええええーー
「OK。」
ラテを作ってと言われグラスだけがおいてあった。
備えあれば憂いなしとばかりに、リュックから黒のミルクジャグを取り出した。
人生30年間で始めて準備しててよかったと思った。笑
グラスに注ぐイメトレをしていた僕は、どきどきしながらもチューリップの模様を施したラテを作った。
もう一杯作ってといわれ、今度はスワンを書いた。
そして、ダニーは奥から従業員を呼んだ。
「ジョン、これお前もできる?お前バリスタしてたよな?」
「出来ないっす。オレも作ってるとこみたいです。」
次はトリプルロゼッタ3つのリーフを描いた。
するとダニーが言った。
「なんでメルボルンに来たの?」
「日本で9年間コーヒーチェーンの会社で働いてきましたが、お客様に満足してもらうためにはカップに入るコーヒー1杯1杯から勉強が必要だと思いメルボルンに来ました。実際にバリスタかロースターとして働き、コーヒーの文化を体験したいんです。でも英語はまだ出来ません。笑」
「もし、仕事探してるなら卸先紹介するよ」
「あ、ありがとうございます!!」
ダニーは電話でトライアルの手配をしてくれ、お店の住所の書いてあるショップカードをくれました。
「All the best!」
そして翌日、coffee shop ''OliE & aRi ''へトライアルに挑むのでした。
次回へつづく。
新年明けましておめでとうございます。
約3週間のホリデーでパワーも充電出来ました。
今年は新店舗の立ち上げを全力で頑張ります。
本年も宜しくお願い致します。
下山 修正
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