アーティストたちに愛される『ニコラス・ビルディング』
MELBOURNE建物図鑑
【2011年12月15日掲載】
メルボルンCBD、スワンストン通りをフリンダース駅に向かって歩いていくと、そのシンプルかつ美しい外観で目を引く『ニコラス・ビルディング』。Harry Norrisという建築家によってデザインされたこの建物は、1926年の完成当時にはCBD内に建築可能な高さの上限に達していたそうだ。
美しいのは外観だけではなくて、グラウンド・フロアにあるアーケード。昔はガラスでできた郵便受けが建物に埋め込まれており、上の階から地階に郵便物を落とせるようにデザインされていたという。また、建物の中心部に通っているエレベーターはメルボルンでもっとも古いもののひとつ。手動で開閉する扉や、窓から見えるエレベーターの格子、そこから差し込む光が美しく、まるで映画の中にいるような気分になる。
建築当初は、会計事務所や仕立て屋など、大通りに面している必要のない零細企業が集まるビルだったそうだが、現在のほとんどがデザイン事務所、編集社、服飾や宝飾店、アーティストのスタジオなどクリエイティブな業務を中心とするテナントで占められており、アーティスティックな仕事をする人たちには憧れのビルだ。
▲もうすぐ築100年が経つとは思えないほどいつ見ても新しいデザインの建物。
▲地階のアーケードにはおしゃれな服飾店がならんでいるのでウィンドウ・ショッピングがてら探検してみて。
▲少しピンクがかった金色の文字が美しいエレベーター上部。アーケードの天井はガラス製だ。
▲『シカゴ・スタイル』という建築スタイルに影響を受けてデザインされたそう。
ニコラス・ビルディング(Nicholas Building)
21-47 Swanston Street, Melbourne
Ryo
studiomonsoon.com
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