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A taste of Portugal

歌って、踊る ポルトガル・フェスティバル

2009年6月10日掲載

 

7th June 2009 @ Queen Victoria Market

  クイーン・ビクトリア・マーケット(Queen Victoria Market)で開催された “A taste of Portugal” フェスティバルは今年で4回目を迎える毎年恒例の行事だ。会場には特設ステージが設けられ、朝からポルトガルのダンスや音楽だけではなく、ブラジルや東ティモールのダンスや音楽も披露された。民族衣装を身にまとい軽快に踊る人に刺激され飛び入り参加する観客もいたほどの盛況ぶりだ。そのほかにも手芸品の展示、子供達への無料フェイスペインティングやCD・書籍の販売、そしてポルトガルの伝統料理やワインも振舞われた。多くの人がいつもとは違う楽しいランチタイムを過ごせたのではないだろうか。

 
  

 ポルトガル名物の一つである〝サルディーニャス・アッサーダス(sardinhas assadas、イワシの丸焼き)”はとても人気。皮がグリルの金網に張り付いても、そしてちょっと焦げても気にしない。煙が立ち込める中で頬張る人々の顔には、故郷を思い出してか安堵感がうかがえる。またピリピリ(小さくて辛みの強いトウガラシ)を使用した料理も販売された。

  

 このフェスティバルの主催者は非営利団体:CLP (Comunidades de Langua Portuguesa)だ。大勢のポルトガル人・東ティモール人・ブラジル人グループのボランティアによって支えられ、彼らの文化を伝えようとする意気込みにはこのフェスティバルに対する熱意が感じられた。CLPが目指すのは“オーストラリア国内でポルトガル語諸国のコミュニティーを社会的・文化的により強く結びつけること”。このイベントを通して多くの人へ食・歴史・文化などを伝え、またそれらのコミュニティー・グループが一つになることができたのであろう。

 
  

  また、6月10日はポルトガルの大詩人、カモニス(Camoes)の逝世記念日であり、現在はポルトガルの開国記念日とされている。カモニスはポルトガルの歴史と功績を祝した詩をうたった名声高き人物である。この時期にポルトガル・フェスティバルが開催されたのにも訳があったのだ。

  

  ジャパン・フェスティバルを通して、日本人同士がさらに絆を深め、またオーストラリアに住む人達に向けて日本文化を伝えたように、このポルトガル・フェスティバルでも同じことが見受けられた。国が変わってもその思いは変わらないのだ。

 
  

◇フォークダンスの様子

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