メルボルン市・大阪市 姉妹都市提携30周年記念式典
メルボルン市-大阪市の交流と未来を見つめて
1978年4月24日、メルボルン市と大阪市の姉妹都市交流が始まりました。大阪市はメルボルン市が初めて姉妹都市提携を結んだ都市です。以来2都市は経済、文化、スポーツ、教育など、さまざまな分野において交流をしています。例えば4年に1度開催されるメルボルン市・大阪市ダブルハンドヨットレースもその一つです。
そして2008年の今年、姉妹都市提携30周年を迎えることとなり、それを記念してメルボルンにて記念式典が7月18日から21日まで開催されました。また記念イベントとして現在、メルボルンでは移民博物館にて「KIMONO OSAKA’S GOLDEN AGE」が開催されています。
我々は今回メルボルン・シティ・カウンシルを通じ、一部のレセプションに参加させていただきました。
7月18日 (金)
●Civic Welcome @ Town Hall
市庁舎(Town Hall)の入り口からセレモニーが始まりました。その後市庁舎内の議場にて、これからの2都市間の交流が今以上に発展し、市民の利益に資するものとなるように両市長が記念宣言書に署名し、交換されました。記念宣言書は、2都市間において双方向の戦略的なビジネス・パートナーシップの構築、基盤の拡大を目指し、ビジネスパートナー都市等既存のネットワークを通し、企業間の交流を拡大すること、また環境および都市経営戦略に関する交流を深めていくことや、文化・教育面での交流の促進、市民レベルでの交流を充実させていくことを改めて確認するものとして、両市長により署名されました。
続いてJohn Soメルボルン市長、平松邦夫大阪市長、多賀谷俊史大阪市会議長の挨拶があり、2都市のこれからの交流も引き続き良きものとなること、そしてそれを未来につなげること、相互協力の更なる発展を謳われました。
その中で、当日はあいにくの雨模様でしたが、オーストラリアの干ばつを気にかけておられた平松市長が「雨が降っているので安心しました。」と語られました。
記念品の交換では、John So市長よりアボリジニの伝統的な柄がデザインされたガラスプレートが贈呈されました。この作品はビクトリア州にあるアボリジニの非営利団体であるワザロン(Wathaurong)ガラス社製で、4人の女性が取り囲んでいる水溜りにつながる4つの道をあらわしています。平松市長は「素晴らしい。」と、とても気に入られた様子でした。
大阪市からは市政100周年記念に制作された『大阪の詩』というリトグラフが贈呈されました。名所旧跡や文化・伝統をモチーフに新旧の風物詩をとりまぜた、遥かな歴史の流れとともに大阪市に豊かな文化を築いてきた市民の想いを伝えています。国際的にも評価が高い、大阪出身の造形作家の木村光佑氏による作品で、数量限定の作品のため、とても貴重な作品だそうです。
セレモニーには、大阪市会代表団として、多賀谷大阪市会議長をはじめ5名の大阪市会議員の方々や、大阪市民交流団として、大阪・メルボルン姉妹都市協会の会員の方々等も参加されました。大阪・メルボルン姉妹都市協会は、両都市間の姉妹都市宣言に基づき、両市民の相互理解と友好親善を図るとともに、日本・オーストラリア両国の友好親善に寄与するために設立されました。メルボルンからの来訪者の受け入れや交歓事業の実施だけでなく、姉妹都市だよりの発行、英語スピーチコンテストの開催および入賞者のメルボルン派遣などを行っています。
また現地の高校であるバンクシア・ラトローブ・セカンダリー・カレッジ(Banksia La Trobe Secondary College)と姉妹校である、大阪市立高校から5人の生徒さんも参加されていました。今回の両校の交流は現地校の生徒や教師宅にホームステイし、交流授業やソブリン・ヒル(Sovereign Hill)での見学研修などをされたそうです。
●Official 30th Anniversary Reception @ Immigration Museum
メルボルン市主催による歓迎パーティが、現在「KIMONO OSAKA’S GOLDEN AGE」が開催されている移民博物館(Immigration Museum)にて開催されました。So市長、平松市長、多賀谷議長の挨拶に続き、尺八とギターによる演奏の中、和やかにパーティが始まりました。ワインを飲みつつ、フィンガー・フードをつまみながらの雰囲気の良いパーティでした。
「KIMONO OSAKA’S GOLDEN AGE」はまさに、30周年の記念として開催されています。現地の方々にも非常に好評で、来場者も多いそうです。この日は特別に、パーティが開催されている間、見学することができました。
また招待された方々への記念品として、エコバックに入った「KIMONO OSAKA’S GOLDEN AGE」のパンフレットと30周年記念として製作された〝箸”が配られました。メルボルン市のロゴである〝葉”と、大阪市の象徴でもある〝大阪城”を組み合わせた姉妹都市のマークがプリントされています。また環境問題を考慮し、日本での〝my箸ブーム”にあやかって製作されました。
7月21日 (月)
●Osaka Seminar @ Town Hall
市庁舎(Town Hall)にて〝大阪セミナー”として、ランチ・セッションが開催されました。大阪市を紹介するプレゼンテーションでは、平松市長自らすべて英語でスピーチされました。大阪市の都市魅力を紹介するほか、ビジネス環境、食のまち「大阪」などを紹介されました。
また大阪でのビジネス・チャンスを紹介された日本貿易振興機構(JETRO)のプレゼンテーションでは、阪神タイガースや道頓堀といった自らの大阪体験を交えながら、大阪でのビジネス起業の魅力を語られました。
続いて日本政府観光局(JNTO)によるプレゼンテーションでは、大阪市とメルボルン市の間だけでなく、日本とオーストラリアの間での将来の観光事業の可能性について紹介され、オーストラリアでの日本へのスキー旅行が人気であることの紹介と同時に、白川郷や飛騨高山、金沢市など日本にはスキーだけではなく観光資源がたくさんあることを紹介されました。
●Farewell Reception @ Town Hall
最後の式典として、答礼レセプションが開催されました。平松市長、多賀谷大阪市会議長、大阪市会議員の方々の挨拶と続きました。みなさんが口を揃えて「今回の滞在に際し、メルボルンの暖かい歓迎、ホスピタリティに感激しました。」と語られました。そして、So市長が挨拶され、挨拶中に平松市長と多賀谷大阪市会議長へサプライズプレゼントとして、雨量計が贈られました。大阪市・市会の代表団がメルボルンを訪問されたことにより、メルボルンに雨をもたらしたこと対する感謝の気持ちを表されたようです。
長谷川在メルボルン日本国総領事による乾杯の発声の後、ワインやジュースを飲みながらの立食パーティとなり、和やかな雰囲気の中、4日間に亘る記念行事は終了しました。
●メルボルン市ホームページ
URL: http://www.melbourne.vic.gov.au/
●大阪市ホームページ
URL: http://www.city.osaka.jp/
●平松邦夫ホームページ
URL: http://www.hiramatsu-osaka.com/
●移民博物館(Immigration Museum)
URL: http://museumvictoria.com.au/ImmigrationMuseum/
●日本貿易振興機構(JETRO)
URL: http://www.jetro.go.jp
●日本政府観光局(JNTO)
URL: http://www.jnto.go.jp/
●大阪・メルボルン姉妹都市協会
URL: http://www.sisterc.net/melbourne/
< 謝辞 >
最後になりましたが、今回の取材に際し、多くの方々にご協力を賜りました。この場をお借りして、感謝を申し上げさせていただきます。メルボルン・シティ・カウンシルの方々には多大な協力を賜り、大変感謝しております。本当にありがとうございました。