インタビューinterview

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平松 邦夫 大阪市長 インタビュー

気さくな話題と次世代へのメッセージ

 

【プロフィール】
平松 邦夫 Kunio Hiramatsu
兵庫県尼崎市生まれ。毎日放送アナウンサーとして活躍後、2007年11月に大阪市長に当選。メルボルン市・大阪市姉妹都市交流30周年記念式典に出席のため7月18日に来豪。メルボルンに4日間滞在し、様々な記念行事に参加し、自らがプレゼンテーターとなって、大阪セミナーを開催するとともに、メルボルン市内を視察されました。

 

インタビュアー:長谷川 潤、大喜多 良美
 

 

--今回の30周年記念式典に参加されて、成果や得たものはありますか?

初めてオーストラリアに来ました。今回の式典に出席して、30年間にわたる友好の歴史の重みを感じています。さらにメルボルン市の暖かい歓迎に人間の暖かさを感じられ、気持ちよく有意義に過ごすことができました。


--メルボルンに初めて来られたということですが、メルボルンに来る前後で印象は変わりましたか?

実は市長になるまでメルボルンのことはほとんど知りませんでした。市長になった後で、メルボルンが大阪市と姉妹都市であるということ、またその友好の歴史を知り、昔から様々な交流を積み重ねてきたのだと知りました。
個人的には『渚にて(On the Beach)』という映画の舞台がメルボルンだったことを憶えています。第3次世界大戦が起きて、世界が終末に向かうのですが、最後に残る場所がメルボルンでした。子供のころに父親に連れて行ってもらって見た映画で、とても印象に残っています。また映画の中で流れている『ウォルツィング・マチルダ(Waltzing Matilda)』という歌は、オーストラリアでは第2の国歌といわれるくらいだそうですね。そういう意味でもオーストラリアの原点はここから、メルボルンから始まったのだという印象があります。
さらに移民博物館を見学しても思ったのですが、さまざまな人たちが人間として生きていくうえで、助け合って生きていくことが重要であることを改めて身にしみて感じています。150カ国の国籍を持った人々が、争いごともなく生活をしていることは素晴らしいと思います。もしかしたら、AFL(オーストラリアン・ルールズ・フットボール)が、はけ口になっているのかもしれませんね(笑)。


--AFLを観戦されたそうですが、いかがでしたか?

最初はまったくルールが分からなくて、ワイルドなスポーツだという印象でしたが、ルールが非常にシンプルであることが判り、観戦しているうちに、だんだんエキサイトしました。なおかつ試合自体が逆転、逆転、また逆転だったので、「これは面白い!!」と思いました。MCG(メルボルン・クリケット・グラウンド)で観戦しましたが、MCCは10万人の会員がいるそうですね。しかもウェイティグ・リストも長く、会員になるためには十何年も待たないといけないそうですね。
また、日本人はプロ・スポーツを観るほうが多いと思うのですが、オーストラリア人はスポーツに対して「まずやってみる」という姿勢なのだと感じました。


--メルボルン滞在中の一番思い出深い出来事は何ですか?

〝Not メルボルン、but Melbourne”(カタカナ英語ではなく、英語式発音のメルボルン)ということですね(笑)。初日のレセプションで思いついてスピーチをしました。大阪市の存在、大阪市がメルボルン市と姉妹都市であることを印象付けること、また大阪市がいま元気になろうとしていることをメルボルンの人たちにアピールすることが、私たちにとって大切なことだと考えていました。その前段階として「変わった市長が来たなぁ。」と思ってもらえただけでも良かったと思っています。


--今後、メルボルン市・大阪市の姉妹都市交流の中で実現してみたいことはありますか?

大阪市は現在大規模なインフラ整理を進めており、大きな変革に直面しています。今回ドックランド(Docklands)を視察し、民間の活力を生かして、あれだけの大きな再開発が進められているのは、カジノをヴィクトリア州が認めてメルボルンに置いたことが非常に大きな要素としてあるのではないかと思います。それをそのまま日本に導入することは難しいですが、非常に勉強になりました。
またメルボルンはヤラ川(Yarra River)に向かって街が顔を見せています。大阪はまだ川をきれいにする段階ですが、是非何年かあとにはメルボルンのように、大阪でも水辺に向かって人々の生活があり、水辺を行きかう人たち、またその人たちの笑顔があふれるようにしたいです。これは姉妹都市ならではのメッセージを受けたと感じています。


--大阪へメルボルンの方を招待して行われるイベントなどはありますか?

先日はSoメルボルン市長に大阪にお越しいただいて植樹式を開催しました。今後もこの姉妹都市交流の強いつながりを生かし、機会を捉えては、様々な分野においてメルボルンから知恵を拝借したり、また大阪からメルボルンにアドバイスをしたり、お互いに意見交換をしながらよりよい社会を築いていきたいと思っています。


--メルボルンだけでなくオーストラリアに住む人たちへのメッセージをお願いします。

大阪市がメルボルン市と姉妹都市提携を結んだ基礎になったものが何だったのかと考えるのですが、それはやはり人々の親しみやすさや人間性、人に対する抵抗感の少なさがあると思います。日本人はまだまだ英語を話すことを敬遠しがちですが、〝Don’t hesitate.(ためらわないで。)いつでもおいで。言葉は通じなくても、心は通じるから、気楽に来てくれはったらいいですよ。”と歓迎したいです。少しずつでも「大阪もメルボルンみたいになってきたなぁ。」と言ってもらえるようになりたいですね。


--これから日本からオーストラリアに来られる若い方へのメッセージをお願いします。

日本は今、社会自体が目的や方向性、価値観を失っています。その中で目的を持って、一人の人間として多様な人種の中で生きてこうとすることは素晴らしいと思います。またオーストラリアから、広い視野で日本を見直してほしいと思いますし、日本へ帰ってきた後もそのことを生かしてほしいと思います。
大阪市としても、大阪市民から日本の価値観を変えていけたらいいなと思っています。


--メルボルンには多様な国籍の料理があり、グルメの街と呼ばれていますが、滞在中の食事で一番美味しかったものは何ですか?

プライベートの時間がほとんどなく、残念ながらオフィシャルの食事しか食べていません。ただワインは美味しかったです。


--市長の個人的なこだわりはありますか? またこだわりの物などありますか?

アナウンサー時代からもそうでしたが、〝相手にこだわる”ことですね。つまり対人関係において、相手が気持ちよく思っているかどうかは常に考えるようにしています。

 

大阪市ホームページ
URL: http://www.city.osaka.jp/

平松邦夫氏 公式ホームページ
URL: http://www.hiramatsu-osaka.com/

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