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ラクロス元日本代表 吉田選手インタビュー

普段は触れられないラクロスの魅力を

2011年8月16日掲載


ラクロス日本代表として、2回のワールドカップを経験された吉田選手。U21日本代表アシスタントコーチを経て、現在はメルボルンにある日系企業に勤務する一方、ラクロスプレーヤーとしてChadstone Lacrosse Club にて活躍中。

7月にオークランドで行われた世界大会ASPAC(アジアパシフィック)へ豪州ツアーチームの一員として出場した吉田選手に、大会前の意気込みを伺った。


※インタビューは大会前に実施。大会結果はコチラから

 

 

吉田秀一選手

■プロフィール
吉田秀一(よしだひでかず) 37歳
生年月日:1973年8月20日生まれ 
出身:大阪府出身
ラクロス暦:19年
ポジション:ゴーリー(ゴールキーパー)

 


1. どの様なきっかけでラクロスを始められたのですか?

大学に入った時、新しいスポーツであるラクロスを始めてみました。大学から始める人が多く、スタートラインが一緒ということで、誰でも努力次第で日本代表を狙える可能性があると思いました。
ポジションはゴーリー(キーパー)です。
大学のチームのゴーリーが怪我をしてしまい、替わりが必要だったことがきっかけで始めて、ずっとです。
人と同じことをするのが嫌いなので、ちょうどよかったですね。

 


2. オーストラリアに来られた目的を教えてください。また、何故メルボルンなのでしょうか?

今回は、会社(富士通テン)の転勤で来ました。
前にオーストラリアに来たのは、ラクロス留学でアデレードに来た2000年です。
その時、ここでのクラブチーム文化を知りましたので、仕事でメルボルンへ行くことが決まったとき、「これは、ラクロスやらんわけにはいかんな」と思いました。



では、ラクロスはお仕事の合間にやってらっしゃるのですか?
ええ、仕事が終わった後や休日にやっています。
クラブチーム文化ですからそのように楽しむ人が多いと思います。
 

所属しているクラブチームについて教えてください。

私はchadstoneというクラブに所属しています。
2002年で代表を引退したので、その後はコーチをやったり、選手としても一線を退いての活動をしていましたので、当時は自分がこのようにまた一線でプレーするとは思っていませんでした。

実は、入部当時の2006年は壊滅の状態だった程、弱いチームでした。
でも、私がクラブに入った翌年に、あるコーチが来て「クラブを立て直す!」と言い、取り組み始めました。
スクールウォーズみたいに、「弱小チームを強くする!」みたいな(笑)。と言っても、コーチはラクロスの経験が全くない人でした。
FOOTYのコーチを25年程、やっていた人です。
チームを立て直すために、選手を集めて、アシスタントコーチにはラクロスの経験者をつけて、本格的に2008年から建て直しにかかりました。
2008年は、まだ1勝くらいしかできませんでしたが、翌年の2009年には、もうディビジョン1の4位まで昇格することができました。
それで、さらに翌年の2010年は、ディビジョン1で優勝!
コーチはわずか3年でチームを立て直しました。
(Stateリーグを頂点にディビジョン1からディビジョン3、U18,U16,U13とリーグ構成されています。)

経験者ではないからラクロスのスキルはないけれど、人を動かしまとめる力があって、マメさがあって、カリスマ性があるような・・・コーチングがとにかく「すごい!」
私がたまに練習休んだりしたときには、コーチが電話をかけてくれて話を聞いてくれるなど、すごく細やかなフォローがありました。

入部当時は自分自身、仕事も家庭もあるし、そこまで一生懸命できる環境になかったので、「できればいいや」という気持ちで入ったのですが、
それでいつの間にか、「このコーチのためやったら、やらなあかんな」という気持ちになっていきました。

その甲斐あって、今のクラブチームではいい経験ができたと思います。
このコーチの存在がなかったら、ラクロスでここまで復活しているとは思えないです。

ありがとうございます。とっても感動的なお話ですね。



3. オーストラリアでのラクロスの現状を伺いたいのですが、日本との違いはありますか?

大きな違いは、6-7歳くらいから始められて、50-60歳くらいになってもまだ続けられるような、「早く・長く」できる環境が整っているところです。
それが背景となり、ラクロス経験者がそのまま指導者になったり、おじいちゃんから孫の世代まで受け継がれていたりと、歴史が深いですね。
特にWilliamstown(現在、長谷川選手が所属しているチーム)は、100年以上続いているチームで、コンスタントに強いです。

また、プレーの面での違いはいかがですか?
オーストラリアは、日本と比べてキャッチングスキルとパスのスキルが特に高いと感じます。
小さい頃から、ラケットやボールに触れる時間が多いから、基礎ができている部分が大きく関わっています。
日本もだいぶ強くなってきましたが、もともとの骨格が違うし、あたりも強いし、やはりまだオーストラリアのほうが全体的なレベルは高いです。


4. ラクロスを観戦する上での楽しみ方やポイントをアドバイス頂けますでしょうか。

早い試合展開と、格闘技みたいな激しいボディーコンタクトです。
ボールを落とすためだったら、クロス(ラケット)を使って体をたたいても良いので、独特だと思います。
シュートのうまさや精度、トリッキーなプレーとか、ミドルシュートとかもおもしろいですよ。
あとは・・・ゴーリーのすごいセーブ!
130-150キロくらいのボールが飛んできますから、相手のシュートの体勢やクロスの出方を見て予測しながら、半分感覚で動いています。

では、吉田選手にとってラクロスの魅力とは?

クロス1本でつながれるような、コミュニティーの深さが魅力のひとつです。
ラクロスのおかげで、いろいろな人に出逢えましたし、若い子と一緒になって一喜一憂できることも幸せです。
みんなで集まって、お酒を飲みすぎますけど、それも魅力のひとつと思っています!

 



5. 今回のニュージーランドへの遠征で、楽しみにされている事はありますか?

日本からU-22が参加するので、同じグループで対戦できるのが楽しみです。
一昨年のASPAC(韓国)では、日本代表U-22が優勝していますので、今年も彼らは優勝狙ってると思います。
日本にも優勝してほしいのですが・・・もちろん、やるからには勝ちたいと思っています!

日本代表U-22に教え子はいらっしゃいますか?
教え子はもういませんが、ヘッドコーチやアシスタントコーチも一緒にやっていたりで知り合いなので、会えるのが楽しみです。
また、彼らは指導者として/自分はプレイヤーとして参加という、立場の違いもまたおもしろいです。
今回Australia Raxlatzで一緒にやる長谷川くん(インタビュー後編に登場!)は教え子です。

あと、オーストラリアの選手たちと一緒にプレーできるのも楽しみのひとつです。
今回のチームは、一回顔合わせをしたけれど、全員集まって一緒に練習ができないので、ぶっつけ本番です。
どうなることやら(笑)


6. 話は変わって、メルボルンに長くお住まいですが、カフェやレストラン、公園などお気に入りの場所は見つかりましたか?

おすすめカフェは、Sandringhamの【ギップスカフェ】です!
ふつうの家を改造したような、居心地の良いカフェです。暖炉や個室もあってオシャレですね。
レストランは、これもSandringhamの【finz seafood restaurant】。
ここのseafood platterは絶品です!




7. 最後に今後のご予定や目標についてお聞かせ下さい。

もうすぐ帰国なのですが、日本に帰ってもラクロスは続けたいです。
家庭との両立ももちろんですが、生涯現役を目指して、ラクロスには携わっていきたいですね。
もうひとつの目標は、息子をラクロス日本代表にして、アメリカをやっつける!ことです。
と言っても、残念ながら息子は、空手にはまっていて、今のところラクロスに興味ないんですけどね(笑)
  

ありがとうございました!
これからも応援しています!

コメント

以前のコメント

古賀   (2013-01-08)
頑張れよっしー!どこかでまた会える事を楽しみにしています

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