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スポーツ

パラリンピック2連覇おめでとうございます!

国枝慎吾選手インタビュー

2012年9月30日掲載

ロンドンで開催されたパラリンピックで車いすテニスで2連覇された国枝慎吾選手に電話インタビューさせていただきました。


2011年全豪オープン優勝後の国枝選手と筆者


ーパラリンピック史上初の2連覇、おめでとうございます。

有難うございます!

 

ーオリンピックテニスにおいても連覇を達成した選手はいませんから、この記録がいかに凄い事か車イステニスを存じない方にも十分お分かり頂けると思います。10日程経ちましたが、今どんな心境ですか?

 

だいぶ気持ち的には落ち着いてきましたね。もう十分喜びました(笑)


ー恒例の選手村のマクドナルドで祝勝会やって(笑)。

そうそうそう(笑)。あとは、応援してくれた方々のところに挨拶しに回って、喜びを一緒に分かち合えたらなと思います。


ー僕がFacebookに、金メダル獲得後に真っ先に向かった丸山コーチと抱擁している写真を載せたら、140件近くのいいね!がつきまして、改めてShingo Kuniedaのスター性を思い知らされました。

有難うございます。丸山コーチともとりあえず今回で一区切りですから、そういう意味でも最後に金メダル獲れて良かったですね。


ー肘の手術から復帰してしばらく経ちましたが、完全復活と見て大丈夫ですか?

はい、肘はもう100%良い状態で、自分自身のテニスのレベルも肘の痛みが出る前よりいいなという感じです。


ー今回かなり身体大きくなりましたね。

だいぶ(肘の術後の)リハビリ期間中に身体鍛えたので、大きくなったと思いますね。


ー今年はお会いすることができなかったのですが、昨年に比べてかなり大きくなって、海外の選手とも見劣りしないと思いました。

そうですね、だいぶ肩周りとか、肘をカバーしなきゃいけない分、その辺をしっかり鍛えましたね。


ーそれは筋肉で補強するようなイメージですか?

そうですね、やっぱりほかの部分で補えるように、パワーを伝えられるようにしました。


ー手術の時は、パラリンピックに出られないかもしれないと頭によぎったとブログでおっしゃっていましたが、5月のJapan Openで復帰試合からFrench OpenまでHoudet(今回の決勝の相手)に3連敗を喫しますが、その後ヨーロッパ遠征は彼にリベンジし、3大会連続優勝しました。そのことは大きな自信になりました?

やはり、自信をパラリンピック前に掴んでおきたかったし、French Openで三連敗目だったけど、それぐらいから自分自身から悔しさが出てきたというか、それまではやっぱり(肘の術後という)言い訳があったじゃないですか?それがまあ吹っ切れたなと。マッチポイント取ったけど負けて、悔しさが出た瞬間からもう復帰戦って言うのはやめて、それからは自信を掴みに行くぞ!っていう気持ちでその後ヨーロッパを回っていました。


ーでは、French Openの決勝って言うのは、自分の中でターニングポイントだったのでしょうか?

そうですね、それまでHoudetにも完敗していましたし、French Openの試合は内容という意味でもだいぶ本来のレベルになってきたなっていう手ごたえもあったので、自分の中ではそろそろだなっていう。その頃には肘の調子も上がってきていたので、それまでは怖さとか引っかかる感じがしていたのですが、ガンガン打っていくうちに無くなってきまして、もうそろそろ感度全開で行けそうだなとは思いました。


ーでは、パラリンピックの時には肘の不安っていうのはなかったのですね。

そうですね、もうFrench Open後のヨーロッパ遠征からはなかったです。


ープレッシャーっていう意味では、北京でも金メダル獲っていますから、かなりリラックスして臨めたのですか?

ああいや、さすがにそうでもないです(苦笑)。パラリンピック前に自信を掴んだっていうのは大きいですが、パラリンピックはパラリンピック独特の緊張感があって、他では味わえないようなものですから。


ー今回も凄い人入っていましたからね。

そうですね、普通に選手村で生活していても、ずっとどこかピリピリしていたり、コート外でもどこか緊張感を持ちながらやっぱり生活していました。


ー以前NHKの「トップランナー」に出演されたときに、(当時)自分の中で一番の勝利は北京パラリンピックでの勝利とおっしゃっていましたが、やはり今回のパラリンピックの勝利というものは大きいものなのでしょうか?

北京とはそんなに比べられないかなっていう、今回に関しては肘の事がありましたし、また違った喜びというか、一度は(出場が)厳しいと思ったのが今回で、前回は万全な状態で臨んだパラリンピックだったから、そういう意味で違いはありますね。


ー今回のパラリンピックを見て感じたのが、北京に比べて若手の選手が台頭してきました。今大会Quarter Finalまで残ったアルゼンチンのGustavo(18歳)や、イギリスのReid(20歳)など。現在の車いすテニス界は国枝選手からどのように見えていますか?

凄く若い世代がやっぱり力つけているなっていう感じはするので、また4年後ガラッと変わってくるのではないかなと思いますね。スペインとか、イギリスにもほかに二人ぐらい若い選手いますし。


ー昨年、約5年ぶりにランキングを落としました。初めて1位になった当時、(追われる立場になって)心境が変わったっておっしゃっていましたが、今回再び追う立場となったわけですが、現在の国枝選手のお気持ちはポジティブなものでしょうか?ネガティブなものでしょうか?

落ちた時に関しては、怪我のことがあったのでランキングはいずれにしろ落ちるなっていう覚悟があったから、そんなにがっかりもしなかったですね。今はもちろん1位になりたいっていう気持ちはあるけど、やはり今年に関してはロンドンが僕の中ではゴールだったので、ある程度今年に関しての仕事は達成したかなと。あとは来年のAustralian Openからグランドスラム始まりますけど、これからはグランドスラムに焦点当てて活動していきたいなと思います。


ー(獲得していない)大きいタイトルでいうと、NEC Singles Mastersですよね?

そうですね、今年は11月にあって、あと1ヶ月ちょっとあるので、もう少しだけ調整していけば、十分チャンスはあります。


ー今後ですが、丸山コーチとも今回が最後じゃないですか?今後のツアーはどのように回っていくのでしょうか?

まだ完全に決まってないのですよ、これからTTC(国枝選手の練習拠点)の新しい責任者と話して決めていきます。


ー昨年、ご結婚されたじゃないですか。家族が出来て変わったことってありますか?

テニスについてはそんなに変わらないですね、考え方は。


ー私生活で変化はありますか?

もちろん、養っていかなきゃならないっていうのはありますけど、そこまで言うほど変わったことはないですね。


ー今回奥様は帯同されたのでしょうか?

ロンドンは途中から来ましたよ。


ー2020年に東京が再びオリンピック・パラリンピックの誘致に立候補を表明していますが、国枝選手は誘致についてはどうお考えですか?

すごく東京でやりたいなっていう気持ちはありますね。


ーただ、パラリンピックの放送も1日1時間ダイジェストで、本当に誘致する気はあるのかなと僕は感じたのですが(笑)。

(笑)それはやっぱりテレビ局の問題だからなんとも言えないですけど(笑)、やっぱり生放送でやってもらうのと録画は全然違うから、結果がわかって見るのと、面白さはかなり変わってきますからね。また4年かけて周りの意識が変わってくればなって思います。


ー年内の予定はどうなっていますか?

年内は世界マスターズ出て、あとTTCで国内のマスターズがあって、それで今年は終わりですね。


ーでは最後に読者に一言お願いします。

ぜひオーストラリア在住の日本人の方にAustralian Openに足運んでもらって、僕のテニスを見てほしいなと思います。


ー毎年日本人増えていますもんね。

そうですね、今年行けなくて残念だったのですが。


ー今年は車イスの試合見ていても周りから、「Kuniedaはいないのか?」っていう声が聞こえてきましたよ。

また、タイトル奪還したいですね。


ーぜひ、楽しみにしています。本日はどうも有難うございました!

どうも有難うございました!

 

国枝慎吾選手 プロフィール

千葉県在住。
9歳の時に脊髄腫瘍により車いすに。
11歳から(財)吉田記念テニス研修センターにて車いすテニスを始める。
17歳の時に、丸山弘道コーチの指導を受け始め、本格的に海外ツアーを回り始める。
2004年アテネパラリンピックで斎田悟司選手とペアを組みダブルス金メダル。

大学卒業後、麗澤大学職員としてツアーを転戦。
2006年10月初の世界ランキング1位に。
2007年間世界チャンピオン。
2008年北京パラリンピックにてシングルス金メダル、ダブルス銅メダル獲得。

麗澤大学職員を退職し2009年4月よりプロ転向し活動中。

現在所属: ユニクロ

(国枝選手、オフィシャルブログより引用)
http://www.tennis-navi.jp/blog/shingo_kunieda/

 

聞き手・文・写真:Raito Hino

 

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